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ミシェルの独白⑥
セルジュとミシェルの交際は順調だった。
仕官しているセルジュはともかく、ミシェルは王子妃としてそれなりに忙しく、中々時間が取れない上、秘密の関係である以上、そう頻繁に会えず、あまり人目につくような場所に遊びに行くことも出来なかったが、二人はそれで割り切っていた。
二人が逢瀬を重ねるような場所は、ノワールのような個室があって店員の口も堅い喫茶店やレストランや貸し切り可能な植物園、セルジュの家などである。
セルジュは文官・武官・メイド等王宮勤めの者が割安で利用可能な官舎で生活はせず、王宮の外で家を建てて暮らしている。
名だたる貴族のタウンハウスと比べると小さいが、庭付きの二階建てで、一人で暮らすには十分な家だ。
通いの使用人が二人いて、料理や掃除はやってもらっているそうだ。
王宮勤めには王宮から距離がある為、場所的に若干不便だが、その分土地も安く、何より周辺に他に家はほぼなく、煩わしいご近所付き合いもない。
セルジュが家を建てた当初はそんなことは想定していなかったが、逢瀬には割と良い環境だった。
それでも念の為、セルジュの家を訪ねる時はミシェルだとわからないよう変装して訪問していた。
その頃、フレデリックはやっと立太子の儀を執り行い、立太子した。
側妃が持てるのは国王と王太子のみで、単なる王子では側妃は持てない。
これでフレデリックも側妃をお迎えする資格を得ることになった。
また、フレデリックが立太子したので、ミシェルも王太子妃と称号が変わることになる。
それから程なくしてキャロルが側妃として迎えられた。
側妃の結婚式は、側妃が余程政略的に重要な人物である場合を除き、招待客の人数や挙式する教会の格などの点で正妃に比べると、簡素に行うことが通例であり、格式高い大聖堂などで盛大に行いたいならば側妃の実家が費用の大半を負担し、大聖堂の利用予約も自ら手配することになっている。
大聖堂は教会に多額の寄付をしなければおいそれとは借りることは出来ない。
キャロルの実家のカッセル男爵家ではキャロルの結婚式にそんな多額の費用を払い盛大にする気なんてとてもなかったし、払う余裕もないので、盛大な結婚式にはならなかった。
当然キャロルは盛大な結婚式がしたいとごねたが、フレデリックがなんとか彼女のご機嫌を取り、元々側妃の結婚式で想定されていた規模・内容の結婚式で挙式することになった。
しかもそれだけでなく、結婚式にはカッソル男爵家の者は一人も出席しないという結果に終わった。
花嫁の家族が誰一人として出席しないのはかなり異常だが、これについてキャロルは気にした様子もなく、これから贅沢な暮らしが待っている自分に皆嫉妬しているのだと斜め上過ぎる勘違いな解釈をしていた。
結婚後のキャロルの住まいは、王宮の敷地内にある小さな別邸になる。
この別邸は元々、3代前の国王が側妃を迎える際に彼女の為に立てたものだ。
ただ、老朽化によりところどころ傷んでいるので、今回手を加えて部分的に改装している。
キャロルはそこから出ず、フレデリックが用がある時のみ訪れる。
フレデリックは毎晩のようにキャロルのいる別邸に向かって夜を過ごし、朝の執務開始時間に合わせて王宮に戻るという生活をしていたが、ミシェルは寂しくもなんともなかった。
フレデリックは所詮書類上の夫。
気持ちなんて欠片もない。
それから月日は巡り、とある知らせが王宮を駆け巡る。
キャロルが懐妊したという知らせだ。
ミシェルはとある疑惑が頭をよぎり、それが真実だったら面白いことになると思った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
予約設定をミスして、本日分が公開されていないことにたった今、気付きました。
大変申し訳ありませんm(_ _)m
仕官しているセルジュはともかく、ミシェルは王子妃としてそれなりに忙しく、中々時間が取れない上、秘密の関係である以上、そう頻繁に会えず、あまり人目につくような場所に遊びに行くことも出来なかったが、二人はそれで割り切っていた。
二人が逢瀬を重ねるような場所は、ノワールのような個室があって店員の口も堅い喫茶店やレストランや貸し切り可能な植物園、セルジュの家などである。
セルジュは文官・武官・メイド等王宮勤めの者が割安で利用可能な官舎で生活はせず、王宮の外で家を建てて暮らしている。
名だたる貴族のタウンハウスと比べると小さいが、庭付きの二階建てで、一人で暮らすには十分な家だ。
通いの使用人が二人いて、料理や掃除はやってもらっているそうだ。
王宮勤めには王宮から距離がある為、場所的に若干不便だが、その分土地も安く、何より周辺に他に家はほぼなく、煩わしいご近所付き合いもない。
セルジュが家を建てた当初はそんなことは想定していなかったが、逢瀬には割と良い環境だった。
それでも念の為、セルジュの家を訪ねる時はミシェルだとわからないよう変装して訪問していた。
その頃、フレデリックはやっと立太子の儀を執り行い、立太子した。
側妃が持てるのは国王と王太子のみで、単なる王子では側妃は持てない。
これでフレデリックも側妃をお迎えする資格を得ることになった。
また、フレデリックが立太子したので、ミシェルも王太子妃と称号が変わることになる。
それから程なくしてキャロルが側妃として迎えられた。
側妃の結婚式は、側妃が余程政略的に重要な人物である場合を除き、招待客の人数や挙式する教会の格などの点で正妃に比べると、簡素に行うことが通例であり、格式高い大聖堂などで盛大に行いたいならば側妃の実家が費用の大半を負担し、大聖堂の利用予約も自ら手配することになっている。
大聖堂は教会に多額の寄付をしなければおいそれとは借りることは出来ない。
キャロルの実家のカッセル男爵家ではキャロルの結婚式にそんな多額の費用を払い盛大にする気なんてとてもなかったし、払う余裕もないので、盛大な結婚式にはならなかった。
当然キャロルは盛大な結婚式がしたいとごねたが、フレデリックがなんとか彼女のご機嫌を取り、元々側妃の結婚式で想定されていた規模・内容の結婚式で挙式することになった。
しかもそれだけでなく、結婚式にはカッソル男爵家の者は一人も出席しないという結果に終わった。
花嫁の家族が誰一人として出席しないのはかなり異常だが、これについてキャロルは気にした様子もなく、これから贅沢な暮らしが待っている自分に皆嫉妬しているのだと斜め上過ぎる勘違いな解釈をしていた。
結婚後のキャロルの住まいは、王宮の敷地内にある小さな別邸になる。
この別邸は元々、3代前の国王が側妃を迎える際に彼女の為に立てたものだ。
ただ、老朽化によりところどころ傷んでいるので、今回手を加えて部分的に改装している。
キャロルはそこから出ず、フレデリックが用がある時のみ訪れる。
フレデリックは毎晩のようにキャロルのいる別邸に向かって夜を過ごし、朝の執務開始時間に合わせて王宮に戻るという生活をしていたが、ミシェルは寂しくもなんともなかった。
フレデリックは所詮書類上の夫。
気持ちなんて欠片もない。
それから月日は巡り、とある知らせが王宮を駆け巡る。
キャロルが懐妊したという知らせだ。
ミシェルはとある疑惑が頭をよぎり、それが真実だったら面白いことになると思った。
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