テイマーですが何か?

姓名は無し

文字の大きさ
42 / 99
2章

ゴールドーン山 part4

しおりを挟む
吹雪のせいで夕暮れ過ぎから、ニーナとフローラは暖を取り、休息していた。

そのおかげでフローラの体力は全開していた。

「このまま朝まで休む?夜だけどスノウウルフ探しながら登頂してく?」

「スノウウルフは今の方が見つけやすいですよね?」

クエスト用紙にもスノウウルフは夜行性だと記載されている。
つまり、夜に遭遇する確率の方が高いということだ。急襲される恐れがあることを加味すると少々リスクがある。

狼人程ではないが獣人のニーナさんは夜目が効く。
わたし1人なら危険かもだけど・・・。


時刻は推定21時。
フローラ達は山頂を目指しながらスノウウルフの討伐のために歩いている。


ざく、ざく、という足音とヒューっと風の音が聞こえる。

吹雪いていたため、足首辺りまで雪が積もっているのだ。

雲が月にかかっているのか、夜道が暗いため【サンダーボール】四方に拡散→固定させ灯り代わりにしている。
時折前方に飛ばし、視界を広げてみる。

フローラ達の周りは明るい。ここにいるぞ。と遠目でも敵には分かるだろう。
1匹・・・2匹、3匹と、ニーナ、ゆきじとあかちゃが視線を捉えている。山頂への道のりは階段を登るような感じで、ちょうどくの字の広い折り返しで登る地点に差し掛かった時、都合12匹のスノウウルフの群れ全員が集まったのだろう。
先頭を歩いているニーナさんは足を止める。
後ろをついて歩く、フローラの足も止まる。

「ぐるるるる・・・っ」
微かに唸り声をあげながら登り、下りから囲むようにスノウウルフが姿を見せた。

視界に捉えられる数は8匹。残りの4匹は暗闇を利用して姿を未だ消しているようだ。

「フローラちゃん!おねがい!」

ニーナさんの合図を皮切りに下り・登りからスノウウルフが走り寄ってくる。

「【ウォータ】!」
フローラが唱える。
すると、フローラ達の周りに水の壁が形成される。

突貫するように速度が上がるスノウウルフ達。3匹には強行突破されてしまう。
残りのスノウウルフは水の壁により勢いが相殺され、上体は突き抜けるも下体のほうがバタ足のように水の中を泳いでいる。

フローラは【サンダーボール】を【ウォータ】に放つ。
「きゃんっ!、」と鳴き声とともにぶるぶると体が痙攣し、感電している。

フローラのコンビネーション魔法だ。

突破してきた狼はニーナとゆきじが相手取っている。

ニーナは襲ってくるスノウウルフをレイピアを抜剣し、応戦する。
機動力を雪で削がれているニーナは雪の中でも素早く動けるスノウウルフの数と機動力の高さに少し手を焼いているようだ。

ゆきじがニーナの羽織っているローブの上に紙一重で触れないよう【ハイドローマ】を唱えてサポートする。

【ハイドローマ】・・・粘水の膜のような薄い鎧。主に物理攻撃の被ダメージの軽減に用いられる魔法。

後ろには行かせまいと、1歩も退かずに応戦していたニーナが前に踏み込む。

1匹のスノウウルフを縦に両断する。
左右に分かれたスノウウルフが一斉に襲ってくる。前足の爪と鋭い歯が【ハイドローマ】によって、殺傷力を軽減させる。

ニーナは右足を軸にその場で回転する。遠心力とその場で回転したことにより機動力を最大限にまで引き出し、剣閃を描く。

スノウウルフ達は腹を裂かれ絶命する。

「あらかた片付けたわね、残りは・・・」

そう、ニーナが振り返り、フローラに伝えようとするとスノウウルフとともに突進してきたのは昼間のイエティ達だ。

残りの4匹はスノウウルフとイエティだったのだ。

「ニーナさん危ない!」

イエティの突進はいとも容易くフローラの水の防壁を破壊する。

「!!、、くっ、」

間一髪、ギリギリのところで突き出されたイエティの拳をレイピアで往なす。
だが、2体目の拳が横薙ぎにニーナの体目掛けて放たれる。
無理な態勢で初撃を往なしたニーナだったが、2発目は避けきれない。
体が吹き飛び、岩壁にぶち当たる。

「ニーナさん!!」
少女の叫びに感応するように蒼玉の指輪が光る。

【召喚魔法・シヴァ】の無意識強制召喚。
双子のシヴァが手を繋ぎ、指繋いでいない方の腕をイエティと、スノウウルフに突き出し、指を鳴らす。「パチンっ」と。

畳み掛けるようにニーナに攻めかかろうとしていたイエティ達の動きが瞬時に遅くなり、そして、止まる。身体が凍り付いているのだ。

彫像のように、イエティとスノウウルフは静かにビクリともしない。

フローラはニーナのもとへ駆け寄る。
「大丈夫ですか!?ニーナさん!」

「えぇ・・・。大丈夫よ」

ニーナは吹き飛ばされたあと、岩壁にぶち当たったのだが、【ハイドローマ】と雪がクッションになり、ダメージ自体は、大したことはなかった。

「でも、危なかったわね」

「そうですね、、でも無事で良かった・・・。」
ぎゅう~っとニーナに抱きつくフローラ。
フローラの頭を撫でながら、シヴァの強さを見せつけられたニーナさんは、役目は終えたとばかりに消えゆくシヴァを見つめながら、その強さに惹かれていくのであった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

処理中です...