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2章
マグナ大森林part25
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フローラは魔力の奔流をかき分け、辿り着くと、ブリザードは止み、嘘のような銀世界ならぬ氷世界が広がっていた。一帯を覆い尽くし最大厚さ20C(せるち)はあるのではないかと思われる氷の彫刻の中に樹々の葉一枚一枚に至るまで凍っていた。地面は鏡のようで自分の姿が鮮明に見えるほどだ。
耳を澄ませると話声が聞こえてくる。声の主はおそらく二人だけだろう。
澄んだ声で言い争っている中の端端に“フローラ”の名が飛び交っているような…。
もしかして…。そうであってほしくない。と願いながら突き進んだ先に見た光景は…。
フローラはシヴァの争っている相手がシヴァであって欲しくない。そんなわけない。薄々気づいていながらも信じたくない自分が居た…が、そんな思いは粉々に打ち砕かれた。
華麗に演舞でも踊っているような洗練された動きとは裏腹に罵り合っている精霊王たる姿が見えた。
「この分からず屋!」「うっさい、チビ!」
「姉さんも身長変わらないだろ!」「私の方が二mm(みるち)おっきいもんねー!」
「ぐ、うあーーーー!!!」
口論の内容が下らなさ過ぎる…。
シヴァ同士…姉弟喧嘩?にしては規模がデカすぎる。現実の光景に目も当てられず、話声すら頭に入ってこない。
シヴァ達が苦戦する程の敵でも現れたのかと心配したのもバカらしくなり、だんだんと怒りが湧いてくる。
「すーーーーとーーーーーーーーーっぷ!!!!!!」
フローラはあらん限りの声で叫んだ。
ビクッと反応し、体がピタっと止まる。
無我夢中でやり合っていた二人は冷静になったのかそろーっと此方に歩み寄ってくる。
「これはどういうことなの…?」
「にこにこしながら怒る所は母親譲りか(なのね)…?!」
「で?」
「「すみませんでした…!!」」
一通り説明を終えると、フローラは機嫌を直したようだ。
「なんで今まで言ってくれなかったの?喋れるなら話してくれていいのにー。」
「結構魔力使うでしょ?僕達が力を開放してるとさ。」
「んー、確かに倍くらいには疲れるけど大したことないよ?それで近くに指輪があるってホントなの?!」
「うん、私達を信じなさい。(流石魔女の娘だね)」目配せしてくる弟が何を言いたいのか察したシヴァ(姉)だが、無視してフローラの問いに自信たっぷりに応える。
フローラは、パァっと顔を明るくする。そこで一つ疑問に思ったことを聞いてみる。
「てことは、他のも何処にあるか分かったりするの…?近くまで来ないと分からない…?」
シヴァはお互い目配せし、頭を捻る。少しの間沈黙が続いた後、シヴァ(弟)が口を開いた。
「うーん…。今回はどうゆうわけか魔力を向こうから放出してくるもんだから分かっただけなんだよね。」
「え…っと…。どういうこと?誰かが使いこなしてるとか?」
「そーゆーのじゃないとは思うよ。少なくと僕達が此処に辿り着いた時から反応はあったし。もしこんなにずーっと魔力を注ぎ込んでたらフツーは死んでると思うし?(君なら余裕なんだろうけどさ!)まあ、今回は僕達に任せてよ。」ウインクしながらフローラに宣誓する。
「そっかぁ。じゃあ、頼りにしてるからね。取り敢えずは一旦戻りましょ。ニーナさん達心配だもん」
「「ハーイ」」
「あ、次こんな事起こしたら許さないからね?」微笑みながらシヴァに諭すように語り掛ける。
「「はぃ…。」」笑みを崩さないフローラの顔に母親の顔を幻視(み)た精霊王は全身に悪寒が走り顔を強張らせた。
くるりと方向転換した一行は、ニーナ達の待つ馬車へ戻るのであった。
耳を澄ませると話声が聞こえてくる。声の主はおそらく二人だけだろう。
澄んだ声で言い争っている中の端端に“フローラ”の名が飛び交っているような…。
もしかして…。そうであってほしくない。と願いながら突き進んだ先に見た光景は…。
フローラはシヴァの争っている相手がシヴァであって欲しくない。そんなわけない。薄々気づいていながらも信じたくない自分が居た…が、そんな思いは粉々に打ち砕かれた。
華麗に演舞でも踊っているような洗練された動きとは裏腹に罵り合っている精霊王たる姿が見えた。
「この分からず屋!」「うっさい、チビ!」
「姉さんも身長変わらないだろ!」「私の方が二mm(みるち)おっきいもんねー!」
「ぐ、うあーーーー!!!」
口論の内容が下らなさ過ぎる…。
シヴァ同士…姉弟喧嘩?にしては規模がデカすぎる。現実の光景に目も当てられず、話声すら頭に入ってこない。
シヴァ達が苦戦する程の敵でも現れたのかと心配したのもバカらしくなり、だんだんと怒りが湧いてくる。
「すーーーーとーーーーーーーーーっぷ!!!!!!」
フローラはあらん限りの声で叫んだ。
ビクッと反応し、体がピタっと止まる。
無我夢中でやり合っていた二人は冷静になったのかそろーっと此方に歩み寄ってくる。
「これはどういうことなの…?」
「にこにこしながら怒る所は母親譲りか(なのね)…?!」
「で?」
「「すみませんでした…!!」」
一通り説明を終えると、フローラは機嫌を直したようだ。
「なんで今まで言ってくれなかったの?喋れるなら話してくれていいのにー。」
「結構魔力使うでしょ?僕達が力を開放してるとさ。」
「んー、確かに倍くらいには疲れるけど大したことないよ?それで近くに指輪があるってホントなの?!」
「うん、私達を信じなさい。(流石魔女の娘だね)」目配せしてくる弟が何を言いたいのか察したシヴァ(姉)だが、無視してフローラの問いに自信たっぷりに応える。
フローラは、パァっと顔を明るくする。そこで一つ疑問に思ったことを聞いてみる。
「てことは、他のも何処にあるか分かったりするの…?近くまで来ないと分からない…?」
シヴァはお互い目配せし、頭を捻る。少しの間沈黙が続いた後、シヴァ(弟)が口を開いた。
「うーん…。今回はどうゆうわけか魔力を向こうから放出してくるもんだから分かっただけなんだよね。」
「え…っと…。どういうこと?誰かが使いこなしてるとか?」
「そーゆーのじゃないとは思うよ。少なくと僕達が此処に辿り着いた時から反応はあったし。もしこんなにずーっと魔力を注ぎ込んでたらフツーは死んでると思うし?(君なら余裕なんだろうけどさ!)まあ、今回は僕達に任せてよ。」ウインクしながらフローラに宣誓する。
「そっかぁ。じゃあ、頼りにしてるからね。取り敢えずは一旦戻りましょ。ニーナさん達心配だもん」
「「ハーイ」」
「あ、次こんな事起こしたら許さないからね?」微笑みながらシヴァに諭すように語り掛ける。
「「はぃ…。」」笑みを崩さないフローラの顔に母親の顔を幻視(み)た精霊王は全身に悪寒が走り顔を強張らせた。
くるりと方向転換した一行は、ニーナ達の待つ馬車へ戻るのであった。
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