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2章
マグナ大森林part33
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調査兼、火葬も終わり、昼過ぎ一行はカルア里に帰って来ていた。
「ふむ…。ご苦労だったな。それにしても、盗賊達が、何者かに殺されていたとは…。だが、襲撃に来なかったのも、頷けるな。」
「…ですわね。これで、盗賊の件は一区切りつきましたわね。」
ティガに報告を済ませるニーナとティガの会話にも一区切りつく。
「あの、それで、手に入れた中にあった指輪なんですけど…。」フローラが口を開く。
「ああ、久しく見るな。それで、その指輪のチカラを引き出すことには成功したのか?」
「ええ。今、お見せしても…?」
「…ふむ。里の連中にも盗賊達のことは報告したいのでな…。今宵、宴を開こうと思うのだが、そこで披露してはくれぬか?何、急ぎ、旅で出ていくのなら、無理にと言わぬ。どうせなら、皆にも見せてやりたいと思ってな。」
フローラは予定を聞かれ、ニーナをちらと見る。
「いいんじゃない?私も今日も一拍させてもらいたいし。ミルトは?」
「え…。ぼぼぼ僕も勿論!フローラが急ぎじゃないなら、ニーナさんもこう言ってるし…。」
「じゃあ、宴の際に披露しますね!!」
内心、野宿より、もう一泊して行きたいなって思っていたので、フローラも嬉しいようだ。
快諾し、笑みを咲かせる。
「そうと決まれば、報告と宴の準備があるのでな。」
ティガも笑顔で言うと、早速、里の皆に伝えに行ったようだ。
老若男女問わず、里のあちこちで、歓声が聞こえる。
ティガ邸の窓からは、子ども達も走りまわっている様子も伺える。
「今回の中々、骨が折れたわね。」
ゴールドーン都市から暗躍していたニーナがソファに身を委ね、ぐったりしている。
「此処までくるのも遠いし…。ゴールドーン都市まで戻りたくない~~。」
フローラは帰りの道程を気にしているようだ。野宿を余儀なくされるのは、慣れるといっても女子故、嫌なのだろう。
「それじゃあ、森を抜けて、ゼブレスト皇帝が統治してるミドレスト皇国に行ったらいいんじゃ…?馬車なら半日も掛からないような…?」
「え、そんな近くに?!ニーナさん!!戻るのやめて、そこに行きましょうよ!!」
「えぇ、あそこにぃ~…。フローラちゃんがいいなら…?」
ニーナは渋々そうな顔でフローラに答えている。
ギロっと殺気交じりに一瞬ミルトは睨まれたような気がしたのは、気のせいだろうか…。変な汗が止まらない。
「(何か不味いこと言ったかな…)僕もどんなとこかは知らないんだけど…、野宿よりかは、遙かに良いんじゃないかな。」
「うん!!!ミルトないすぅ!!これで明日も宿で寝れるー!」
ニーナもフローラが喜んでいるので、ミドレスト皇国に行く流れに異を唱えようとはしない。
今後について、目的地を定めたフローラ達が借りている一室で、お喋りに夢中になっていると、侍女から声が掛かる。コンコンコンと三度ノックする音と共に、扉が開かれる。
「ご歓談中、恐れ入ります。宴の準備が整いましたので、外へ参りましょう。皆様、お待ちしております。」
「あら、もうそんな時間なのね。いきましょいきましょ。」
侍女の言葉を受け、窓から外の様子を見ると、日も良い具合に沈みかけてきている。
ニーナも急かす様にフローラとミルトを起こす。
家から急いで出ると、里中の人が今か今かと待っていた。
「さぁ!!!今夜、我々の窮地を救ってくれたフローラ殿、ニーナ殿、ミルト殿に盛大な拍手を!!!!」
里長のティガの一言を皮切りに、ワァーーーという歓声と共に盛大な拍手が送られる。
家から出てきた三人は驚き、在る者はくすぐったいような恥ずかしそうに笑い、在る者は慣れたように控えめに軽く礼をし、在る者は耳まで赤く染め上げ、へらへら笑い、頭を掻いている。
中央には大きなキャンプファイヤーを連想させる焚火が設置され、広場を灯している。
「食事は堪能してくれているか?」
一通り、里の民達の様子を見て回っていたティガが、フローラ達の下へ帰ってきたのだ。
「あ、はい!こんなに豪勢に一杯振舞ってもらえて…。それじゃあ、そろそろお披露目しましょうか?」
フローラがティガにタイミングを伺う。
「そうだな。俺もやっと座って飯がありつけるからな…。食べながら見せてもらおうか。」
フローラの横にドサっと腰を下ろすと、エール樽を片手にぐびぐび喉を鳴らしながら呑みはじめた。
フローラは立ち上がり、左手をキャンプファイヤーの炎の頂点に突き出す。
【燃え盛る情熱 】
【我と契約を結びし精霊の始祖】
【我が魔力を糧に 】
【チカラを示せ イフリート】
詠唱の調べを歌の如く、美しく響かせる。
火に意思でも宿ったかのように、爛々と燃え盛る炎が形状を変える。
すると中から、燃え盛る炎よりも赤々とした、深紅の炎を身に纏った、淫靡な姿をした精霊が露わになる。
イフリートの余りの美しさに皆、溜息が漏れている。
どうしたものか、ティガも食事を止め、魅入っている。
ガーネットのような宝石の瞳を宿し、美しく舞う姿に、一同、歓声が止まない。
「これは凄い。獄炎の指輪(イフリート)にこんなチカラがあったとは。流石だな。」
「いえいえ。それじゃあ、獄炎の指輪は譲り受けてもいいですか…?」
「ああ、もちろんだとも。約束通り、獄炎の指輪(ソレ)は其方(フローラ)に譲ろう。」
ニカっと笑みを溢し、ティガは食事にがっつき始める。
「フローラちゃん、良かったね!!これで正真正銘二つ目ゲット!」
「ですね!!ニーナさん!!」
女子同士(フローラとニーナ)は、労いの抱擁(ハグ)をし合うのであった。
「ふむ…。ご苦労だったな。それにしても、盗賊達が、何者かに殺されていたとは…。だが、襲撃に来なかったのも、頷けるな。」
「…ですわね。これで、盗賊の件は一区切りつきましたわね。」
ティガに報告を済ませるニーナとティガの会話にも一区切りつく。
「あの、それで、手に入れた中にあった指輪なんですけど…。」フローラが口を開く。
「ああ、久しく見るな。それで、その指輪のチカラを引き出すことには成功したのか?」
「ええ。今、お見せしても…?」
「…ふむ。里の連中にも盗賊達のことは報告したいのでな…。今宵、宴を開こうと思うのだが、そこで披露してはくれぬか?何、急ぎ、旅で出ていくのなら、無理にと言わぬ。どうせなら、皆にも見せてやりたいと思ってな。」
フローラは予定を聞かれ、ニーナをちらと見る。
「いいんじゃない?私も今日も一拍させてもらいたいし。ミルトは?」
「え…。ぼぼぼ僕も勿論!フローラが急ぎじゃないなら、ニーナさんもこう言ってるし…。」
「じゃあ、宴の際に披露しますね!!」
内心、野宿より、もう一泊して行きたいなって思っていたので、フローラも嬉しいようだ。
快諾し、笑みを咲かせる。
「そうと決まれば、報告と宴の準備があるのでな。」
ティガも笑顔で言うと、早速、里の皆に伝えに行ったようだ。
老若男女問わず、里のあちこちで、歓声が聞こえる。
ティガ邸の窓からは、子ども達も走りまわっている様子も伺える。
「今回の中々、骨が折れたわね。」
ゴールドーン都市から暗躍していたニーナがソファに身を委ね、ぐったりしている。
「此処までくるのも遠いし…。ゴールドーン都市まで戻りたくない~~。」
フローラは帰りの道程を気にしているようだ。野宿を余儀なくされるのは、慣れるといっても女子故、嫌なのだろう。
「それじゃあ、森を抜けて、ゼブレスト皇帝が統治してるミドレスト皇国に行ったらいいんじゃ…?馬車なら半日も掛からないような…?」
「え、そんな近くに?!ニーナさん!!戻るのやめて、そこに行きましょうよ!!」
「えぇ、あそこにぃ~…。フローラちゃんがいいなら…?」
ニーナは渋々そうな顔でフローラに答えている。
ギロっと殺気交じりに一瞬ミルトは睨まれたような気がしたのは、気のせいだろうか…。変な汗が止まらない。
「(何か不味いこと言ったかな…)僕もどんなとこかは知らないんだけど…、野宿よりかは、遙かに良いんじゃないかな。」
「うん!!!ミルトないすぅ!!これで明日も宿で寝れるー!」
ニーナもフローラが喜んでいるので、ミドレスト皇国に行く流れに異を唱えようとはしない。
今後について、目的地を定めたフローラ達が借りている一室で、お喋りに夢中になっていると、侍女から声が掛かる。コンコンコンと三度ノックする音と共に、扉が開かれる。
「ご歓談中、恐れ入ります。宴の準備が整いましたので、外へ参りましょう。皆様、お待ちしております。」
「あら、もうそんな時間なのね。いきましょいきましょ。」
侍女の言葉を受け、窓から外の様子を見ると、日も良い具合に沈みかけてきている。
ニーナも急かす様にフローラとミルトを起こす。
家から急いで出ると、里中の人が今か今かと待っていた。
「さぁ!!!今夜、我々の窮地を救ってくれたフローラ殿、ニーナ殿、ミルト殿に盛大な拍手を!!!!」
里長のティガの一言を皮切りに、ワァーーーという歓声と共に盛大な拍手が送られる。
家から出てきた三人は驚き、在る者はくすぐったいような恥ずかしそうに笑い、在る者は慣れたように控えめに軽く礼をし、在る者は耳まで赤く染め上げ、へらへら笑い、頭を掻いている。
中央には大きなキャンプファイヤーを連想させる焚火が設置され、広場を灯している。
「食事は堪能してくれているか?」
一通り、里の民達の様子を見て回っていたティガが、フローラ達の下へ帰ってきたのだ。
「あ、はい!こんなに豪勢に一杯振舞ってもらえて…。それじゃあ、そろそろお披露目しましょうか?」
フローラがティガにタイミングを伺う。
「そうだな。俺もやっと座って飯がありつけるからな…。食べながら見せてもらおうか。」
フローラの横にドサっと腰を下ろすと、エール樽を片手にぐびぐび喉を鳴らしながら呑みはじめた。
フローラは立ち上がり、左手をキャンプファイヤーの炎の頂点に突き出す。
【燃え盛る情熱 】
【我と契約を結びし精霊の始祖】
【我が魔力を糧に 】
【チカラを示せ イフリート】
詠唱の調べを歌の如く、美しく響かせる。
火に意思でも宿ったかのように、爛々と燃え盛る炎が形状を変える。
すると中から、燃え盛る炎よりも赤々とした、深紅の炎を身に纏った、淫靡な姿をした精霊が露わになる。
イフリートの余りの美しさに皆、溜息が漏れている。
どうしたものか、ティガも食事を止め、魅入っている。
ガーネットのような宝石の瞳を宿し、美しく舞う姿に、一同、歓声が止まない。
「これは凄い。獄炎の指輪(イフリート)にこんなチカラがあったとは。流石だな。」
「いえいえ。それじゃあ、獄炎の指輪は譲り受けてもいいですか…?」
「ああ、もちろんだとも。約束通り、獄炎の指輪(ソレ)は其方(フローラ)に譲ろう。」
ニカっと笑みを溢し、ティガは食事にがっつき始める。
「フローラちゃん、良かったね!!これで正真正銘二つ目ゲット!」
「ですね!!ニーナさん!!」
女子同士(フローラとニーナ)は、労いの抱擁(ハグ)をし合うのであった。
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