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はじまり part3
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食事を終えるとエルフのサシャとウェアウルフのセティがどこにしまってあったのかプレゼントを丸テーブルに置く。
フローラは「なになにー?」と興味津々で2人のプレゼントを交互に見やる。
フローラが分からないのもそのはず。
本来は2ヶ月も前の8歳の誕生日に渡すはずだった品物だからだ。
セティのプレゼントは細長く杖のようであった。
「これはね、【世界樹(ユグドラシル)の杖】といってね、世界樹の添え木から作られた杖だよ。今は赤ちゃんのようなものでな。フローラの成長とともにこの杖も成長するから大事に使ってあげてくれ」と言われ、セティからフローラに受け渡される。
フローラは大事そうにぎゅうっと両手に抱きしめる。
そんな愛娘を慈しむように母サシャは見つめる。
「とうさま、ありがとうね」
というと今度は母サシャも
「これはわたしからの、フローラ」
といいプレゼントの入った箱を丸テーブルのフローラの前まで差し出す。
中には古龍種の鱗を溶解し糸に練り込んだ深紅のワンピースとその糸が大人1人分の服が作れる分入っていた。
フローラは
「かあさま、すてき!かわいいっ」
ときゃっきゃっとはしゃいでいる。
「着てみるかい?」
と父セティが声を掛けると
「かあさま、このワンピース着てもいい?」
ときらきらと目を輝かせた。
「ふふっ、それじゃあ、お着替えしましょうか」
とサシャは椅子から立ち上がり、【龍鱗(ドラリア)ドレス】着替えるためにフローラの私室に促すため手を差し出す。
気を利かせた2匹のスライムはそっとフローラから離れる。
フローラはサシャの手を破顔して握り、手を繋いで部屋へと向かった。
母子2人の背中を眺める父セティの顔は沈鬱そうに歪み、尻尾は何故か項垂れていた。
なぜ遅れたのか。
そう、2ヶ月前の誕生日前日どうしても可愛い娘を手放したくない父セティが渋りに渋ったためである。この話はまた今度書き記そう。
部屋から出てきたフローラの姿に父セティは一転笑顔になる。
可愛い愛娘の戦闘着(ワンピース)は質素な作りながらも、何倍も気品よくフローラを可愛く見せた。
もちろん、このワンピースがフローラにとっても戦闘着などという認識はない。
たったっと、走ってきてくるっと一回転してみせたフローラは「どう?とうさま」と上目遣いで尋ねてくるその姿は親でなくても可愛い。と絶賛しただろう。
娘を絶賛し、本題にいこうとしない獣人のセティにエルフのサシャはそろそろ話さなくてはだめよ。と目配せする。
父セティはフローラの前で片膝をつき、泣く泣くフローラに話を始める決心をつける。父の顔は緊張に帯び、真剣な声音で、でも穏やかに優しく話し始めた。
「フローラ、世界を見てみたくはないかい?きっとパパやママのように優しくしてくれる人ばかりじゃないかもしれない。でも僕達が出会ったのは外の世界で旅をし、いろんな経験、出会いから結ばれたんだ。フローラも8歳になった。2ヶ月前のことだけどね。パパやママも同じ年に世界を見て回ったんだよ。だけど無理強いはしないよ、よければ少し外に出てみないか?それにフローラには僕達があげたゆきじとあかちゃがずっとお供してくれるから。」
フローラはだまって聞いていた。両足首にちょこんと蒼雪色のスライムゆきじと紅色のあかちゃが寄り添う。
優しい人ばかりじゃない。っていうのは少し気になったけどパパやママみたいになりたい!っていう思いが強かったフローラは
「うん、わかった。わたしパパとママみたいになれる人を世界を回って見つけてくる!」
と旅に出る支度を始めるのであった。
斜め掛けのバッグにプレゼントの糸をしまい、日持ちのするチーズを挟んだパンを3食とお金を100金貨入れた袋を持たせた。お供には2匹のスライムを連れ元気良く、シグムンド大陸の南東深くにある霊峰山を父と主従関係にある古龍のバハムート種ことアイゼンとともにセティ・フローラ・サシャの順に古龍に乗り、下るのであった。
ちなみに1金貨=100銀貨、1銀貨=100銅貨、1銅貨=10銭
という、内訳だ。市場で売られているパン、野菜、肉はだいたい1-10銭。つまり1銅貨あればだいたい1食分は満たされる、ということだけ書き記しておく。
フローラは「なになにー?」と興味津々で2人のプレゼントを交互に見やる。
フローラが分からないのもそのはず。
本来は2ヶ月も前の8歳の誕生日に渡すはずだった品物だからだ。
セティのプレゼントは細長く杖のようであった。
「これはね、【世界樹(ユグドラシル)の杖】といってね、世界樹の添え木から作られた杖だよ。今は赤ちゃんのようなものでな。フローラの成長とともにこの杖も成長するから大事に使ってあげてくれ」と言われ、セティからフローラに受け渡される。
フローラは大事そうにぎゅうっと両手に抱きしめる。
そんな愛娘を慈しむように母サシャは見つめる。
「とうさま、ありがとうね」
というと今度は母サシャも
「これはわたしからの、フローラ」
といいプレゼントの入った箱を丸テーブルのフローラの前まで差し出す。
中には古龍種の鱗を溶解し糸に練り込んだ深紅のワンピースとその糸が大人1人分の服が作れる分入っていた。
フローラは
「かあさま、すてき!かわいいっ」
ときゃっきゃっとはしゃいでいる。
「着てみるかい?」
と父セティが声を掛けると
「かあさま、このワンピース着てもいい?」
ときらきらと目を輝かせた。
「ふふっ、それじゃあ、お着替えしましょうか」
とサシャは椅子から立ち上がり、【龍鱗(ドラリア)ドレス】着替えるためにフローラの私室に促すため手を差し出す。
気を利かせた2匹のスライムはそっとフローラから離れる。
フローラはサシャの手を破顔して握り、手を繋いで部屋へと向かった。
母子2人の背中を眺める父セティの顔は沈鬱そうに歪み、尻尾は何故か項垂れていた。
なぜ遅れたのか。
そう、2ヶ月前の誕生日前日どうしても可愛い娘を手放したくない父セティが渋りに渋ったためである。この話はまた今度書き記そう。
部屋から出てきたフローラの姿に父セティは一転笑顔になる。
可愛い愛娘の戦闘着(ワンピース)は質素な作りながらも、何倍も気品よくフローラを可愛く見せた。
もちろん、このワンピースがフローラにとっても戦闘着などという認識はない。
たったっと、走ってきてくるっと一回転してみせたフローラは「どう?とうさま」と上目遣いで尋ねてくるその姿は親でなくても可愛い。と絶賛しただろう。
娘を絶賛し、本題にいこうとしない獣人のセティにエルフのサシャはそろそろ話さなくてはだめよ。と目配せする。
父セティはフローラの前で片膝をつき、泣く泣くフローラに話を始める決心をつける。父の顔は緊張に帯び、真剣な声音で、でも穏やかに優しく話し始めた。
「フローラ、世界を見てみたくはないかい?きっとパパやママのように優しくしてくれる人ばかりじゃないかもしれない。でも僕達が出会ったのは外の世界で旅をし、いろんな経験、出会いから結ばれたんだ。フローラも8歳になった。2ヶ月前のことだけどね。パパやママも同じ年に世界を見て回ったんだよ。だけど無理強いはしないよ、よければ少し外に出てみないか?それにフローラには僕達があげたゆきじとあかちゃがずっとお供してくれるから。」
フローラはだまって聞いていた。両足首にちょこんと蒼雪色のスライムゆきじと紅色のあかちゃが寄り添う。
優しい人ばかりじゃない。っていうのは少し気になったけどパパやママみたいになりたい!っていう思いが強かったフローラは
「うん、わかった。わたしパパとママみたいになれる人を世界を回って見つけてくる!」
と旅に出る支度を始めるのであった。
斜め掛けのバッグにプレゼントの糸をしまい、日持ちのするチーズを挟んだパンを3食とお金を100金貨入れた袋を持たせた。お供には2匹のスライムを連れ元気良く、シグムンド大陸の南東深くにある霊峰山を父と主従関係にある古龍のバハムート種ことアイゼンとともにセティ・フローラ・サシャの順に古龍に乗り、下るのであった。
ちなみに1金貨=100銀貨、1銀貨=100銅貨、1銅貨=10銭
という、内訳だ。市場で売られているパン、野菜、肉はだいたい1-10銭。つまり1銅貨あればだいたい1食分は満たされる、ということだけ書き記しておく。
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