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妖の影、揺れる灯
第20話 新たな疑問
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夜明け前の空が薄紫に染まる頃、私は静かに襖を開けて中庭に足を向けた。古書と曾祖母の手紙を読み終えてから、胸の奥が騒めいて眠ることなどできなかった。頭の中で様々な感情と疑念が渦巻き、整理がつかない。
四季の花が同時に咲く不思議な庭は、夜明けの光を受けて幻想的な美しさを湛えていた。春の桜と秋の紅葉、夏の向日葵と冬の椿が一つの空間に共存する光景は、やはりどこか現実離れしている。
「この庭も、朝霞様の本当の姿と関係があるのかしら……」
鈴凪は小さくつぶやきながら、石灯籠の近くに腰を下ろした。手には慎吾からもらった小さなお守りと、曾祖母から受け継がれている銀の鈴を大切に握りしめている。
古書に書かれていた内容を思い返すと、今でも背筋が寒くなる。九尾の狐、契約結婚、人間の生命力を分けてもらう関係――すべてが自分の置かれた状況と重なって見える。
「でも、朝霞様の優しさは偽物ではなかった」
そう口にした瞬間、私の心にほんのりと温もりが宿った。理玖が自分を見つめる眼差し、そっと頬に触れる指先の温もり、何気ない会話の中で見せる微笑み。それらすべてに嘘があったとは思えない。
「たとえ契約だったとしても、朝霞様の気持ちは本物だと信じたい」
私は空を見上げた。朝の光が雲の隙間から差し込み、庭の花々を優しく照らしている。慎吾の警告についても、改めて考えてみる必要があった。朧月会という組織が妖から人を守っているのだとすれば、私は確かに『守られるべき人間』の立場にいる。けれど、果たして理玖は本当に危険な存在なのだろうか。
「慎吾さんは私を心配してくれたのでしょうけれど、私には私の想いがある……」
私は胸に手を当てた。そこには、理玖への愛おしさが確かに芽生えている。契約結婚だと分かっていても、彼との時間は幸せだった。もしも妖と人との間に越えられない壁があるのだとしても、それでも今の気持ちは嘘ではない。
手紙の最後の部分、『もし愛してしまったなら、それは美しくも哀しい運命』という言葉が心に深く刺さった。それでも私に『鈴を大切にしなさい』と遺してくれた。
「私は真実を知りたい。朝霞様がどのような方であっても、そのうえで自分の気持ちに向き合いたいのです」
私は何度もそう思う。もう無知なままでいることはできない。理玖が何を隠していても、私の意志でその答えを受け止めよう。
そのとき、足音が聞こえた。振り返ると、理玖が縁側から庭に降りてくるところだった。普段よりも早い時間だが、いつものように端正な装いを整えている。
「鈴凪さん、こんな早くに起きていたのですか」
理玖の声には心配そうな響きがあった。私の元に歩み寄りながら、顔色を確かめるように見つめてきた。
「朝霞様こそ、早いのですね」
私は慌てて手に持っていた鈴と手紙を袖に隠した。理玖には、まだこれらの存在を明かしたくない。
「鈴凪さんの気配を感じて、気になったので」
理玖は私の隣に腰を下ろした。いつものように穏やかな微笑みを浮かべているが、どこか探るような視線も感じられる。
「眠れなかったのですか?」
「少し、考え事をしていまして」
私は視線を庭の花に向けた。理玖の存在を身近に感じながらも、今朝は何だか距離があるような気がする。
「何か悩み事があるのですか? もしよろしければ、話してみませんか」
理玖の声は優しかったが、私には彼もまた、私の何かを探ろうとしているように感じられた。お互いに腹の内を探り合っているような、微妙な緊張感が漂っている。
「朝霞様は、私に隠していることはありませんか?」
思い切ってそう口にした。理玖の表情が一瞬、わずかに強張ったのを見逃さなかった。
「隠し事、ですか」
理玖は少し考えるような仕草を見せてから、苦笑いを浮かべた。
「隠し事のない人間など、この世にいるのでしょうか。鈴凪さんだって、今朝は何かを隠しているように見えますが」
私は胸がどきりとした。確かに私も、慎吾との出会いや古書のことを隠している。
「それでも、大切なことは教えてほしいのです」
私は理玖を真っ直ぐ見つめた。その瞳には、真実を求める強い意志が宿っている。
「私たちの結婚について、そして朝霞様ご自身について、私には、本当に知るべきことがあるのではありませんか?」
理玖の表情が複雑に変化した。驚き、戸惑い、そして何か深い苦悩のようなものが入り混じっている。
「鈴凪……」
理玖の声が少しかすれた。彼の瞳を見つめていると、理玖もまた苦しんでいることが分かった。何かを隠すことで、彼自身も傷ついているのかもしれない。
「あなたを傷つけたくない、と思っているのです」
理玖は庭の桜を見上げながら言った。
「ですが、あなたには知る権利がある。それも理解しています」
「では、なぜ教えてくださらないのですか?」
私の声に、つい、もどかしさが滲んでしまう。
「時が来れば、必ず話します。ですが今はまだ、その時ではないのです」
理玖は私の方を向き直った。その瞳には深い愛情と、同時に言い知れぬ哀しみが宿っている。
「ただ一つ言えるのは……あなたを大切に思う気持ちに偽りはないということ。それだけは信じてほしい」
私の胸が熱くなった。理玖の言葉には真実の響きがある。しかし、それでも完全に安心することはできない。
「私は朝霞様を信じたい。でも、真実も知りたいのです」
私は袖の中の鈴を握りしめた。曾祖母の遺した手紙を思い出し、自分なりの答えを探す決意を新たにする。
「真実を知った上で、私なりにしっかりと考えたいのです」
私がそう言うと、理玖は静かに頷いた。
「あなたの意志は尊重します。それでも今は待ってほしいのです」
理玖の表情は真剣だけれど、その瞳には迷いの色が浮かんでいるように見える。私はそれ以上、追及するのを躊躇ってしまった。
言葉を継げずにいると、理玖が先に口を開いた。
「それから……もしも何か危険を感じたときは、必ず私に知らせてください」
「危険、ですか?」
鈴凪は理玖の表情を見つめた。彼の瞳に一瞬、鋭い光が宿ったのを見逃さなかった。
「この世には、あなたのような純粋な人間を狙う者たちがいます。特に最近は、この辺りにも不穏な気配を感じているのです」
朧月会のことを言っているのだろうか。私は内心で思ったが、それを口にすることはしなかった。
「朝霞様が守ってくださるなら、私は安心です」
私は微笑んだ。それは本心からの言葉だった。たとえ理玖の正体が何であっても、理玖が私を大切に想ってくれていることだけは確信できる。
「ありがとう、鈴凪さん」
理玖も安堵したような表情を見せた。ただ、その表情の奥に、まだ言葉にできない複雑な感情が隠されていることを、私は感じ取っていた。
二人が庭で言葉を交わしている間にも、屋敷の周囲では見えない緊張が高まっていた。表門の向かいにある古い蔵の影に、数人の人影が潜んでいる。朧月会のメンバーたちだった。
その中には慎吾の姿もある。彼らは屋敷の様子を注意深く観察し、何らかの行動を起こす機会を待っているようだった。
「九尾の狐……奴が、また無垢な人間を騙している」
一人が小さく舌打ちをした。
「鈴凪さんを一刻も早く救い出さなければ」
慎吾の声にも、焦りが滲んでいる。
一方で、屋敷の中では華が廊下を静かに歩いていた。外部からの敵意を敏感に察知している彼女の表情は、いつになく厳しい。
「旦那様」
華は中庭に向かって小さく声をかけた。理玖は振り返り、華の表情を見て僅かに頷いた。
「分かった。警戒を怠るな」
理玖の声は低く、威厳に満ちていた。九尾の狐としての本性が、ほんの一瞬、垣間見えた。
私は二人の短いやり取りを聞いていたが、その意味を完全には理解できなかった。それでも、何か重大なことが起ころうとしていることだけは感じ取れた。
「朝霞様、何が……」
私が何かあるのか問おうとすると、理玖の手がそっと肩に触れた。
「今日は屋敷の中にいてください。外出は控えた方がよいでしょう」
その言葉には、有無を言わせない強さがあった。私は頷いたが、結局、何も聞けないままで胸の奥に不安が膨らんでいく。
朝の光が庭を明るく照らしているにも関わらず、屋敷全体に重苦しい空気が漂い始めていた。私は袖の中の鈴を握りしめながら、これから起こるだろう出来事に対する覚悟を決めた。
真実を知ることで失うものがあっても、このまま何も知らずにいることはもうできない。理玖への想いを抱えながら、自分自身の意志で道を選ぶのだ。
曾祖母から受け継いだ血の中に眠る『妖を見分ける力』が、うっすらと目覚め始めているのを、鈴凪自身もまだ気づいてはいなかった。しかし、その力はやがて、彼女の運命を大きく変えることになるだろう。
庭の四季の花々が風に揺れ、まるで来るべき嵐を予感しているかのようだった。
四季の花が同時に咲く不思議な庭は、夜明けの光を受けて幻想的な美しさを湛えていた。春の桜と秋の紅葉、夏の向日葵と冬の椿が一つの空間に共存する光景は、やはりどこか現実離れしている。
「この庭も、朝霞様の本当の姿と関係があるのかしら……」
鈴凪は小さくつぶやきながら、石灯籠の近くに腰を下ろした。手には慎吾からもらった小さなお守りと、曾祖母から受け継がれている銀の鈴を大切に握りしめている。
古書に書かれていた内容を思い返すと、今でも背筋が寒くなる。九尾の狐、契約結婚、人間の生命力を分けてもらう関係――すべてが自分の置かれた状況と重なって見える。
「でも、朝霞様の優しさは偽物ではなかった」
そう口にした瞬間、私の心にほんのりと温もりが宿った。理玖が自分を見つめる眼差し、そっと頬に触れる指先の温もり、何気ない会話の中で見せる微笑み。それらすべてに嘘があったとは思えない。
「たとえ契約だったとしても、朝霞様の気持ちは本物だと信じたい」
私は空を見上げた。朝の光が雲の隙間から差し込み、庭の花々を優しく照らしている。慎吾の警告についても、改めて考えてみる必要があった。朧月会という組織が妖から人を守っているのだとすれば、私は確かに『守られるべき人間』の立場にいる。けれど、果たして理玖は本当に危険な存在なのだろうか。
「慎吾さんは私を心配してくれたのでしょうけれど、私には私の想いがある……」
私は胸に手を当てた。そこには、理玖への愛おしさが確かに芽生えている。契約結婚だと分かっていても、彼との時間は幸せだった。もしも妖と人との間に越えられない壁があるのだとしても、それでも今の気持ちは嘘ではない。
手紙の最後の部分、『もし愛してしまったなら、それは美しくも哀しい運命』という言葉が心に深く刺さった。それでも私に『鈴を大切にしなさい』と遺してくれた。
「私は真実を知りたい。朝霞様がどのような方であっても、そのうえで自分の気持ちに向き合いたいのです」
私は何度もそう思う。もう無知なままでいることはできない。理玖が何を隠していても、私の意志でその答えを受け止めよう。
そのとき、足音が聞こえた。振り返ると、理玖が縁側から庭に降りてくるところだった。普段よりも早い時間だが、いつものように端正な装いを整えている。
「鈴凪さん、こんな早くに起きていたのですか」
理玖の声には心配そうな響きがあった。私の元に歩み寄りながら、顔色を確かめるように見つめてきた。
「朝霞様こそ、早いのですね」
私は慌てて手に持っていた鈴と手紙を袖に隠した。理玖には、まだこれらの存在を明かしたくない。
「鈴凪さんの気配を感じて、気になったので」
理玖は私の隣に腰を下ろした。いつものように穏やかな微笑みを浮かべているが、どこか探るような視線も感じられる。
「眠れなかったのですか?」
「少し、考え事をしていまして」
私は視線を庭の花に向けた。理玖の存在を身近に感じながらも、今朝は何だか距離があるような気がする。
「何か悩み事があるのですか? もしよろしければ、話してみませんか」
理玖の声は優しかったが、私には彼もまた、私の何かを探ろうとしているように感じられた。お互いに腹の内を探り合っているような、微妙な緊張感が漂っている。
「朝霞様は、私に隠していることはありませんか?」
思い切ってそう口にした。理玖の表情が一瞬、わずかに強張ったのを見逃さなかった。
「隠し事、ですか」
理玖は少し考えるような仕草を見せてから、苦笑いを浮かべた。
「隠し事のない人間など、この世にいるのでしょうか。鈴凪さんだって、今朝は何かを隠しているように見えますが」
私は胸がどきりとした。確かに私も、慎吾との出会いや古書のことを隠している。
「それでも、大切なことは教えてほしいのです」
私は理玖を真っ直ぐ見つめた。その瞳には、真実を求める強い意志が宿っている。
「私たちの結婚について、そして朝霞様ご自身について、私には、本当に知るべきことがあるのではありませんか?」
理玖の表情が複雑に変化した。驚き、戸惑い、そして何か深い苦悩のようなものが入り混じっている。
「鈴凪……」
理玖の声が少しかすれた。彼の瞳を見つめていると、理玖もまた苦しんでいることが分かった。何かを隠すことで、彼自身も傷ついているのかもしれない。
「あなたを傷つけたくない、と思っているのです」
理玖は庭の桜を見上げながら言った。
「ですが、あなたには知る権利がある。それも理解しています」
「では、なぜ教えてくださらないのですか?」
私の声に、つい、もどかしさが滲んでしまう。
「時が来れば、必ず話します。ですが今はまだ、その時ではないのです」
理玖は私の方を向き直った。その瞳には深い愛情と、同時に言い知れぬ哀しみが宿っている。
「ただ一つ言えるのは……あなたを大切に思う気持ちに偽りはないということ。それだけは信じてほしい」
私の胸が熱くなった。理玖の言葉には真実の響きがある。しかし、それでも完全に安心することはできない。
「私は朝霞様を信じたい。でも、真実も知りたいのです」
私は袖の中の鈴を握りしめた。曾祖母の遺した手紙を思い出し、自分なりの答えを探す決意を新たにする。
「真実を知った上で、私なりにしっかりと考えたいのです」
私がそう言うと、理玖は静かに頷いた。
「あなたの意志は尊重します。それでも今は待ってほしいのです」
理玖の表情は真剣だけれど、その瞳には迷いの色が浮かんでいるように見える。私はそれ以上、追及するのを躊躇ってしまった。
言葉を継げずにいると、理玖が先に口を開いた。
「それから……もしも何か危険を感じたときは、必ず私に知らせてください」
「危険、ですか?」
鈴凪は理玖の表情を見つめた。彼の瞳に一瞬、鋭い光が宿ったのを見逃さなかった。
「この世には、あなたのような純粋な人間を狙う者たちがいます。特に最近は、この辺りにも不穏な気配を感じているのです」
朧月会のことを言っているのだろうか。私は内心で思ったが、それを口にすることはしなかった。
「朝霞様が守ってくださるなら、私は安心です」
私は微笑んだ。それは本心からの言葉だった。たとえ理玖の正体が何であっても、理玖が私を大切に想ってくれていることだけは確信できる。
「ありがとう、鈴凪さん」
理玖も安堵したような表情を見せた。ただ、その表情の奥に、まだ言葉にできない複雑な感情が隠されていることを、私は感じ取っていた。
二人が庭で言葉を交わしている間にも、屋敷の周囲では見えない緊張が高まっていた。表門の向かいにある古い蔵の影に、数人の人影が潜んでいる。朧月会のメンバーたちだった。
その中には慎吾の姿もある。彼らは屋敷の様子を注意深く観察し、何らかの行動を起こす機会を待っているようだった。
「九尾の狐……奴が、また無垢な人間を騙している」
一人が小さく舌打ちをした。
「鈴凪さんを一刻も早く救い出さなければ」
慎吾の声にも、焦りが滲んでいる。
一方で、屋敷の中では華が廊下を静かに歩いていた。外部からの敵意を敏感に察知している彼女の表情は、いつになく厳しい。
「旦那様」
華は中庭に向かって小さく声をかけた。理玖は振り返り、華の表情を見て僅かに頷いた。
「分かった。警戒を怠るな」
理玖の声は低く、威厳に満ちていた。九尾の狐としての本性が、ほんの一瞬、垣間見えた。
私は二人の短いやり取りを聞いていたが、その意味を完全には理解できなかった。それでも、何か重大なことが起ころうとしていることだけは感じ取れた。
「朝霞様、何が……」
私が何かあるのか問おうとすると、理玖の手がそっと肩に触れた。
「今日は屋敷の中にいてください。外出は控えた方がよいでしょう」
その言葉には、有無を言わせない強さがあった。私は頷いたが、結局、何も聞けないままで胸の奥に不安が膨らんでいく。
朝の光が庭を明るく照らしているにも関わらず、屋敷全体に重苦しい空気が漂い始めていた。私は袖の中の鈴を握りしめながら、これから起こるだろう出来事に対する覚悟を決めた。
真実を知ることで失うものがあっても、このまま何も知らずにいることはもうできない。理玖への想いを抱えながら、自分自身の意志で道を選ぶのだ。
曾祖母から受け継いだ血の中に眠る『妖を見分ける力』が、うっすらと目覚め始めているのを、鈴凪自身もまだ気づいてはいなかった。しかし、その力はやがて、彼女の運命を大きく変えることになるだろう。
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