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鍋と妹
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「ふー、疲れた。でもスキルをいっぱい手に入れたしよかったよ」
メランさんと別れたあと、掃除用具を買い足したりしてログアウトした。
晩ごはんの時間なのでリビングにむかう。
「ん、姉々おはよ」
「おはよー、夜だけど。お母さんとお父さんは?」
桜木彩音、私の実の妹。名前の割に感情表現はあまり豊かではないのが少々残念。しかし、姉たる私には普通に喋ってるかのように理解できている。…………はずっ!
「今日は二人とも残業だって」
「そう、晩ごはんはどうするの」
「鍋やる」
「なら買い物に行かなくてよさそうね。じゃあやりましょうか」
実はお母さんがいない時の料理の担当は彩音だったりする。私も料理は一応できるけど味付けやセンスは彩音のほうがずっといいから私が掃除に割り振られている。ただ、私は身長が低いとはいえ年齢の平均となんとかいえるくらいに対して、彩音は2、3歳下にみられるくらい結構小柄なので材料を切ったり鍋を運んだりなどの力のいる作業は私がやっている。その分こっちの仕事も手伝ってもらったりしているのでバランスはとれている。
「できた。あるものだけでやったけどいい感じだと思う」
「美味しそうね。じゃあいただきます」
「いただきます」
うん、やっぱり美味しいね。
私たちが2人だけでのご飯の時間ではあまり会話が起きない。正確には彩音のほうからの話題が滅多にない。とはいえ、もとからあまり口数が多くないと知っているし、私からだした会話にはきちんと応えてくれるから私としては困ってはいない。
「姉々、最近なにしてるの」
鍋をつつきあっている最中、珍しく彩音のほうから話しかけられた。
「んー、ゲームだよ。こないだ正式にサービス開始されたVRMMOなんだけどわかる?」
「ん、知ってる。学校でよく話題になってるカラスでしょ」
「んん~、あってる、のかな?KRSっていうの。略称だけどね。カラスっていうのは一部のプレイヤーがふざけてつけた名前って理恵がいってたからあってると思うよ、うん」
「理恵?」
そのとき私は彩音の瞳がアニメのようにキランとひかったような気がした。
「誘われた?どっち」
「そうだよ。理恵のほうだね。翔は後からゲーム内でであったよ」
「む、じゃゲームはどうしたの」
「どうしたってどうやって手に入れたのかってこと?」
「ん、そう」
「懸賞ハガキであてたんだってさー。で、それをわたされた。誘えば私は付き合ってくれるって読んでたみたいでね、一緒にやるっていう返事をしたらその場で段ボールごとわたされたよ。いやーあれは驚いたね。2人はすでに持っていて大丈夫だったみたい。今はそれを使ってあそんでるよ」
「そう、わかった」
「なんか怒ってる?」
「ん、大丈夫」
「そう、なんか怒らせるようなこといってたらちゃんといってね」
「ん、問題ない」
「それにしても珍しく喋るわね。私最近そんな目立つような感じでへんだった?」
「大丈夫だ、問題ない」
「……まさかそれがいいたかったんじゃあないでしょうね」
「う~、痛い。はーなーしーてー」
ちょっとイラっとしたのでほっぺたをひっぱってやった。よくのびる。
本当に珍しいことだったので心配してたのにふざけてかえされるなんて。でもテンポよく返事をしてたしもしかして狙ってた?……まさかね。こういうのってなんだっけ、ミスディレクションっていうんだっけ?思考誘導?どうだろう。
「まだ痛い……。ちょっとしたユーモアじゃない。ひどい。姉々がいじめてくる」
「はいはい、それでどうかしたの?」
「ん、もういいの。知りたいことはわかったから」
「ふーん。ところでこの鍋の出汁ってなんなの?」
「鰹出汁、あとじゃこ」
「なるほど。調べたの?」
「違う、去年家庭科の先生にきいて覚えてた」
すごい。彩音は本当に料理好きみたい。将来の旦那さんがうらやましい。でも以前それをはなしたら「違う、姉々だけ」っていってわね。てれるわー。
食事も終わり、食器を洗ったあと部屋に戻る。そしてゲームを始めようとしたら「ダウンロードしますか?」といわれた。
「んー?なんだろう。緊急アップデートか。まあもちろんやりますとも」
待ってる間にホームページをひらき調べると、どうやら不具合ではなかったようだ。サービス開始に間に合わなかったシステムの追加とのことで、β版のプレイヤーが苦情を運営に報告いたらしい。詳しく読む前にアップデートが終わったので続きは中でみることにしてゲームを始める。
「えーっと、称号システムが追加されたのか。私はこれまでので何かあったかな。あー、ここでみるのか。《清掃人》と《冒険者》だけのようね」
《清掃人》は【清掃】を最大まで育てるともらえるようだ。追加効果として器用が微上昇するらしい。器用は攻撃の命中率や生産スキル使用時の成功率などに関わってくる。
《冒険者》はギルドに入会したらもらえる称号のようで追加効果はない。
現時点で2つ手に入っている。これが多いのか少ないのかはわからないけど、《清掃人》みたいに追加効果でバフをもらえるものはなるべく集めたいね。逆にデバフの場合もありそうだからそこは気をつけよう。
スキルと称号は自分のこれまでの行動や戦術がバレる危険があるから内緒とする。
そのあと、ラビット狩りとスキル上げと採取をし、【採取】スキルを手に入れ、メランさんのもとで錬金について教わって今日の活動を終了とした。
メランさんと別れたあと、掃除用具を買い足したりしてログアウトした。
晩ごはんの時間なのでリビングにむかう。
「ん、姉々おはよ」
「おはよー、夜だけど。お母さんとお父さんは?」
桜木彩音、私の実の妹。名前の割に感情表現はあまり豊かではないのが少々残念。しかし、姉たる私には普通に喋ってるかのように理解できている。…………はずっ!
「今日は二人とも残業だって」
「そう、晩ごはんはどうするの」
「鍋やる」
「なら買い物に行かなくてよさそうね。じゃあやりましょうか」
実はお母さんがいない時の料理の担当は彩音だったりする。私も料理は一応できるけど味付けやセンスは彩音のほうがずっといいから私が掃除に割り振られている。ただ、私は身長が低いとはいえ年齢の平均となんとかいえるくらいに対して、彩音は2、3歳下にみられるくらい結構小柄なので材料を切ったり鍋を運んだりなどの力のいる作業は私がやっている。その分こっちの仕事も手伝ってもらったりしているのでバランスはとれている。
「できた。あるものだけでやったけどいい感じだと思う」
「美味しそうね。じゃあいただきます」
「いただきます」
うん、やっぱり美味しいね。
私たちが2人だけでのご飯の時間ではあまり会話が起きない。正確には彩音のほうからの話題が滅多にない。とはいえ、もとからあまり口数が多くないと知っているし、私からだした会話にはきちんと応えてくれるから私としては困ってはいない。
「姉々、最近なにしてるの」
鍋をつつきあっている最中、珍しく彩音のほうから話しかけられた。
「んー、ゲームだよ。こないだ正式にサービス開始されたVRMMOなんだけどわかる?」
「ん、知ってる。学校でよく話題になってるカラスでしょ」
「んん~、あってる、のかな?KRSっていうの。略称だけどね。カラスっていうのは一部のプレイヤーがふざけてつけた名前って理恵がいってたからあってると思うよ、うん」
「理恵?」
そのとき私は彩音の瞳がアニメのようにキランとひかったような気がした。
「誘われた?どっち」
「そうだよ。理恵のほうだね。翔は後からゲーム内でであったよ」
「む、じゃゲームはどうしたの」
「どうしたってどうやって手に入れたのかってこと?」
「ん、そう」
「懸賞ハガキであてたんだってさー。で、それをわたされた。誘えば私は付き合ってくれるって読んでたみたいでね、一緒にやるっていう返事をしたらその場で段ボールごとわたされたよ。いやーあれは驚いたね。2人はすでに持っていて大丈夫だったみたい。今はそれを使ってあそんでるよ」
「そう、わかった」
「なんか怒ってる?」
「ん、大丈夫」
「そう、なんか怒らせるようなこといってたらちゃんといってね」
「ん、問題ない」
「それにしても珍しく喋るわね。私最近そんな目立つような感じでへんだった?」
「大丈夫だ、問題ない」
「……まさかそれがいいたかったんじゃあないでしょうね」
「う~、痛い。はーなーしーてー」
ちょっとイラっとしたのでほっぺたをひっぱってやった。よくのびる。
本当に珍しいことだったので心配してたのにふざけてかえされるなんて。でもテンポよく返事をしてたしもしかして狙ってた?……まさかね。こういうのってなんだっけ、ミスディレクションっていうんだっけ?思考誘導?どうだろう。
「まだ痛い……。ちょっとしたユーモアじゃない。ひどい。姉々がいじめてくる」
「はいはい、それでどうかしたの?」
「ん、もういいの。知りたいことはわかったから」
「ふーん。ところでこの鍋の出汁ってなんなの?」
「鰹出汁、あとじゃこ」
「なるほど。調べたの?」
「違う、去年家庭科の先生にきいて覚えてた」
すごい。彩音は本当に料理好きみたい。将来の旦那さんがうらやましい。でも以前それをはなしたら「違う、姉々だけ」っていってわね。てれるわー。
食事も終わり、食器を洗ったあと部屋に戻る。そしてゲームを始めようとしたら「ダウンロードしますか?」といわれた。
「んー?なんだろう。緊急アップデートか。まあもちろんやりますとも」
待ってる間にホームページをひらき調べると、どうやら不具合ではなかったようだ。サービス開始に間に合わなかったシステムの追加とのことで、β版のプレイヤーが苦情を運営に報告いたらしい。詳しく読む前にアップデートが終わったので続きは中でみることにしてゲームを始める。
「えーっと、称号システムが追加されたのか。私はこれまでので何かあったかな。あー、ここでみるのか。《清掃人》と《冒険者》だけのようね」
《清掃人》は【清掃】を最大まで育てるともらえるようだ。追加効果として器用が微上昇するらしい。器用は攻撃の命中率や生産スキル使用時の成功率などに関わってくる。
《冒険者》はギルドに入会したらもらえる称号のようで追加効果はない。
現時点で2つ手に入っている。これが多いのか少ないのかはわからないけど、《清掃人》みたいに追加効果でバフをもらえるものはなるべく集めたいね。逆にデバフの場合もありそうだからそこは気をつけよう。
スキルと称号は自分のこれまでの行動や戦術がバレる危険があるから内緒とする。
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