呪われた少年の生きる道

大神 火龍

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夕飯を済ませ、僕達2人は自室のベランダで椅子に座りながら赤ワインを啜っていた。
「なんか...不思議な気分。今まで1人だったのに、クリスに出会ってからたくさんの人と関われた。」
人と関わるって案外簡単だったのかな。呪いを喰らってから人を避けるように生きてきた。でも、クリスに出会ってからはたくさんの人と関わるようになった。
「俺のおかげだな。ヘヘッ。俺も、ヨシュアと出会えてよかった...出会えてなかったら、毎日が平凡な日々だった。」
平凡ね...どんなふうに変わったんだろうな。
「ねぇ、聞きたいことがあったんだけど...いいかな?」
「なんだ?」
「その...僕って...クリスの番、なの?」
違うと言われたら悲しいがずっと気になっていたことで心に残っていたから聞いてみた。
「そうなる...のかなぁ。実は俺もあんましわかんなくて。男を番にしても子供は出来ないだろ?でも、お前の匂いは大好きだ。しかも、触れるだろ?」
確かにそうだ...クリスは僕が呪いを受けて一番最初に僕の体を触れた相手だ。じゃあ、そうなるのかな。
「まあ、俺は番とか関係無しにお前を愛するけどな。」
僕が番でないなら...
「ねぇ、もし僕が番じゃないなら...その、本当の番にあったら僕は捨てられる...という事なの?」
今にも泣きそうな声で、震える声で、相手に聞こえるギリギリの声で、聞いてみた。
「そんなことを聞くな。俺までつらくなる。お前が本当の番じゃなかったら、俺が本当の番を見つけたとか、そういうのはやめろ...」
聞きたいのは、そういう返事じゃないんだよ...
「ねぇ、ホントのことを言ってよ。わかんないよ。」
良い話をしていたはずなのに、いつの間にかこの夜空のように空気が...重くなって行った...
「わかった...ちゃんと言う。お前は番だ。俺の番。絶対に。」
「ありがとう。」
嬉しいけど、心の中でやはり思う。クリスに本当の番ができたら...僕はどうなるのだろうか...
「ごめんクリス...今日は一人でいたい。ちょっと、夜の街を歩いてくるよ。」
と言い、僕はベランダを下りて扉に向かった時...
ガタン!!
「待てよ...なんだよその言い方。俺と一緒にいたくないみたいな言い方じゃないか!!」
ホントは一緒にいたいんだよ!!気持ちの整理くらい、させろよ!!
「そんな思いで僕が言ってると思ってんの!!頭冷やせよこのバカ!クリスとは...一緒にいたいんだよ。でも、この話をしたら不安なってさ...だから、ごめん。クリスにエンチャント。1時間硬直。」
カキンッ!!...とは言わないがそんな感じにクリスは固まった。硬直をつければ相手は時間が止まる。これが、ロストマジックの理由の1部かな。
僕は固まったクリスの額に軽くキスをし、屋敷をでた。
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