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1年生編
第2話「転校生は、中二病。」
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朝。鳥のさえずりで目が覚める。窓の外は、まるで絵に描いたような春の青空。
「ん~……ふわぁ。今日もいい天気……!」
制服に着替えて鏡を見ると、少し寝ぐせがついていて、急いで直す。
玄関を出ると、すぐ隣の家からつかさが顔を出す。
「おはよう、ゆい。今日もギリギリ?」
「ギリギリセーフだよっ! 今日もよろしくね、つかさ!」
「ほんと、毎日元気ね……。じゃあ、行こっか」
坂道を下ってたんぽぽの丘学園へと向かう。入学してから一週間が過ぎて、少しずつ学校の雰囲気にも慣れてきたころ。
校門をくぐると、すでに門の前で待っていた松岡りんが、全力で手を振っていた。
「おーっす! ゆいちゃん、つかさちゃん、おっはよー!」
「おはよ、りん。今日も元気いっぱいだね」
「えへへ~。それよりさ、今ちょっとだけ職員室の前を通ったんだけどね、先生たちがなんか話してたの!『今日転校生来るらしいけど、特別扱いはしないって方針で』って!」
「えっ、転校生? このタイミングで?」
「先生同士の会話、偶然聞いちゃった感じなのね……。でも、“特別扱いしない”って、なんか微妙な言い回し……」
そんな話をしながら1年A組の教室に入ると、なぜか妙な緊張感が漂っていた。ざわざわと落ち着かない空気。
席に着いてしばらくすると、教室のドアが開く。
「静かにしろー、朝礼始めるぞー」
そう言って入ってきたのは、黒田先生。やる気なさそうに髪をかき上げながら、教卓へと歩く。
「……あー、そうそう。今日から転校生来る。……といっても、別に気にしなくていいから。普通に過ごして」
それだけ言うと、椅子に座って出席簿をパラパラとめくり始めた。黒板に名前を書くことも、呼び入れる素振りもなし。
「……って、どうやって登場するの!?」と、クラス中がざわつく。
すると、教室の扉が「ガラッ」と開いた。
「その名を呼ばれずとも、我が魂は応えよう……この世界の“歪み”を正すために、我はここに来た!」
現れたのは、銀髪に黒のロングコート(制服の上から羽織ってる)という妙な出で立ちの少年。
右手にはなぜか水晶玉のついた杖のような棒を持ち、左目には赤いカラコン(多分)。
「……な、何あれ?」
教室内が静まり返る中、少年は私の方をじっと見つめ、真剣な表情で指をさした。
「君だ……君が、この世界の“鍵”!」
「へ?」
えっ、何? わたし? 世界の鍵って何? いやいやいや、何事!?
「ちょ、ちょっと待って!? 私、ただの一般女子高生なんだけど!?」
動揺する私を尻目に、黒田先生は書類に目を落としたまま、ぼそっとつぶやく。
「……あー、こいつが転校生。鏡音レイ。席は花咲の後ろな。はい、次、出席とるよー」
「それだけ!?」と、思わず教室全体から総ツッコミが入る。
結局、レイくんは自分で席を見つけ、堂々と着席。私のすぐ後ろで、何やら魔法陣のようなものをノートに描き始めている。なんか……すっごく嫌な予感がするんだけど。
──そして、そんな予感は、昼前には現実となった。
休み時間。レイくんが突然私の席の前に現れ、謎の木箱を置いた。
「これは我が手で作り上げた、“運命診断機”……君の魂の属性を解析して、運命の行方を教えてくれる」
「へぇ、すご……いや、動いてる!なんか動いてるんだけどこの箱!?」
ガタガタガタガタ……!!と揺れ始めた箱が突然パカッと開いて、中から煙と紙吹雪が吹き出した。
「きゃあああああっ!?」
「やばい!火災報知器鳴るやつだってば!!」
あわてて教室中が窓を開けたり、箱を持って走ったりの大騒ぎ。結局、黒田先生が「放っとけばそのうち止まる」と言って事態を収束させた。
「……だ、大丈夫かな、私の高校生活……」
そんなこんなで、転校初日から騒動を巻き起こした鏡音レイくん。これからどうなることやら。
放課後。
いつもの三人、つかさ・りん・私で、近くのファミレスへ。
「いやぁ、今日の転校生、すごかったね~!なんかアニメのキャラみたいだった!」
「“みたい”じゃなくて“そのまんま”でしょ。あれ、本気なのかな?」
「たぶん……本気だと思うよ……(遠い目)」
ファミレスの窓の外には、夕焼けに染まるたんぽぽの丘。みんなで笑いながらご飯を食べてるこの時間が、なんだかすごく大切に思えた。
夜。家でご飯とお風呂を済ませ、ベッドに入ると、今日はさすがに疲れがどっと出た。
「明日も……何か起きるのかなぁ……」
ぼんやり天井を見上げながら、私は静かにまぶたを閉じた。
──たんぽぽの丘学園の春は、まだ始まったばかり。
「ん~……ふわぁ。今日もいい天気……!」
制服に着替えて鏡を見ると、少し寝ぐせがついていて、急いで直す。
玄関を出ると、すぐ隣の家からつかさが顔を出す。
「おはよう、ゆい。今日もギリギリ?」
「ギリギリセーフだよっ! 今日もよろしくね、つかさ!」
「ほんと、毎日元気ね……。じゃあ、行こっか」
坂道を下ってたんぽぽの丘学園へと向かう。入学してから一週間が過ぎて、少しずつ学校の雰囲気にも慣れてきたころ。
校門をくぐると、すでに門の前で待っていた松岡りんが、全力で手を振っていた。
「おーっす! ゆいちゃん、つかさちゃん、おっはよー!」
「おはよ、りん。今日も元気いっぱいだね」
「えへへ~。それよりさ、今ちょっとだけ職員室の前を通ったんだけどね、先生たちがなんか話してたの!『今日転校生来るらしいけど、特別扱いはしないって方針で』って!」
「えっ、転校生? このタイミングで?」
「先生同士の会話、偶然聞いちゃった感じなのね……。でも、“特別扱いしない”って、なんか微妙な言い回し……」
そんな話をしながら1年A組の教室に入ると、なぜか妙な緊張感が漂っていた。ざわざわと落ち着かない空気。
席に着いてしばらくすると、教室のドアが開く。
「静かにしろー、朝礼始めるぞー」
そう言って入ってきたのは、黒田先生。やる気なさそうに髪をかき上げながら、教卓へと歩く。
「……あー、そうそう。今日から転校生来る。……といっても、別に気にしなくていいから。普通に過ごして」
それだけ言うと、椅子に座って出席簿をパラパラとめくり始めた。黒板に名前を書くことも、呼び入れる素振りもなし。
「……って、どうやって登場するの!?」と、クラス中がざわつく。
すると、教室の扉が「ガラッ」と開いた。
「その名を呼ばれずとも、我が魂は応えよう……この世界の“歪み”を正すために、我はここに来た!」
現れたのは、銀髪に黒のロングコート(制服の上から羽織ってる)という妙な出で立ちの少年。
右手にはなぜか水晶玉のついた杖のような棒を持ち、左目には赤いカラコン(多分)。
「……な、何あれ?」
教室内が静まり返る中、少年は私の方をじっと見つめ、真剣な表情で指をさした。
「君だ……君が、この世界の“鍵”!」
「へ?」
えっ、何? わたし? 世界の鍵って何? いやいやいや、何事!?
「ちょ、ちょっと待って!? 私、ただの一般女子高生なんだけど!?」
動揺する私を尻目に、黒田先生は書類に目を落としたまま、ぼそっとつぶやく。
「……あー、こいつが転校生。鏡音レイ。席は花咲の後ろな。はい、次、出席とるよー」
「それだけ!?」と、思わず教室全体から総ツッコミが入る。
結局、レイくんは自分で席を見つけ、堂々と着席。私のすぐ後ろで、何やら魔法陣のようなものをノートに描き始めている。なんか……すっごく嫌な予感がするんだけど。
──そして、そんな予感は、昼前には現実となった。
休み時間。レイくんが突然私の席の前に現れ、謎の木箱を置いた。
「これは我が手で作り上げた、“運命診断機”……君の魂の属性を解析して、運命の行方を教えてくれる」
「へぇ、すご……いや、動いてる!なんか動いてるんだけどこの箱!?」
ガタガタガタガタ……!!と揺れ始めた箱が突然パカッと開いて、中から煙と紙吹雪が吹き出した。
「きゃあああああっ!?」
「やばい!火災報知器鳴るやつだってば!!」
あわてて教室中が窓を開けたり、箱を持って走ったりの大騒ぎ。結局、黒田先生が「放っとけばそのうち止まる」と言って事態を収束させた。
「……だ、大丈夫かな、私の高校生活……」
そんなこんなで、転校初日から騒動を巻き起こした鏡音レイくん。これからどうなることやら。
放課後。
いつもの三人、つかさ・りん・私で、近くのファミレスへ。
「いやぁ、今日の転校生、すごかったね~!なんかアニメのキャラみたいだった!」
「“みたい”じゃなくて“そのまんま”でしょ。あれ、本気なのかな?」
「たぶん……本気だと思うよ……(遠い目)」
ファミレスの窓の外には、夕焼けに染まるたんぽぽの丘。みんなで笑いながらご飯を食べてるこの時間が、なんだかすごく大切に思えた。
夜。家でご飯とお風呂を済ませ、ベッドに入ると、今日はさすがに疲れがどっと出た。
「明日も……何か起きるのかなぁ……」
ぼんやり天井を見上げながら、私は静かにまぶたを閉じた。
──たんぽぽの丘学園の春は、まだ始まったばかり。
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