たんぽぽ学園は、今日も平和(じゃない)です。

kuro.

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1年生編

第13話「メイドでいこう!文化祭準備大作戦。」

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 文化祭まであと二週間。 朝のHRが終わったあと、教室の前方に張り出された「文化祭 出し物リスト」を囲んで、クラスメイトたちがあれこれ意見を出し合っていた。

「たこ焼き屋とかどう?香りでお客さん呼べそうじゃない?」

「逆に今どきは映えるやつの方がいいよ~!写真撮ってもらってSNSで宣伝とかさ~」

 その中で、ゆい・つかさ・りんの3人は自分たちの意見をひそひそ相談中。

「やっぱりさ~、メイド喫茶ってちょっとやってみたくない?」

「えっ、メイド喫茶!?ゆい、意外とノリノリじゃん…」

「だって、制服とか可愛いし…それに、りんちゃん絶対似合うと思うの!」

「えへへっ、わたしも似合うかな~?つかさちゃんも、絶対お客様にモテるよ~?」

「む、無理無理っ、絶対恥ずかしいって……」

 そんな中、委員長が「決定、そろそろ締め切るよー!」と声を上げ、挙手で多数決をとることに。

「メイド喫茶、やってみたい人ー!」

  ゆいが勢いよく手を上げると、つられてりんもぱっと手を上げる。 つかさは目を逸らしながらも、ゆいとりんの視線に押されてそっと手を挙げた。

 結果、多数決でメイド喫茶に決定!その瞬間、教室は一気に盛り上がった。

「わ、私たちがメイドさん……?」

 つかさが目をぱちぱちさせて戸惑う中、りんが両手を挙げて元気よく言った。

「いいじゃんいいじゃん!面白そう!ドレス着て『ご主人さまっ♡』とか言うんでしょ?」

「うぅ……恥ずかしい……」

 顔を真っ赤にするつかさと対照的に、ゆいはぽわわんとした顔でにこにこしていた。

「お、お給仕って、紅茶こぼさないかなぁ……」

「絶対こぼすなこれ!」

 りんが突っ込むと、ゆいは照れ笑い。

「だ、大丈夫!気持ちを込めておもてなしすれば……きっとなんとかなる!」

 その場にいた全員が(なんとかなるのか……?)という表情を浮かべた。

 とはいえ、出し物はクラスで決定したからには、準備を進めなくちゃいけない。

 メイド服の手配、内装の飾り付け、メニューの決定に、接客練習。

「よしっ、じゃあグループで役割分担して、衣装も準備しよう!」

「メニューとか、何にする?ドリンクと軽食でいけるかな?」



 そして始まる怒涛の準備期間――

 放課後の教室。机を寄せて、内装やメニュー、衣装の案を出し合う生徒たち。

「ここはやっぱり赤チェックのテーブルクロスだよね!」

 「いらっしゃいませご主人様~♪の練習もいるよね!」

「にゃ、にゃんで言ってみるとか?『おかえりにゃさいませ、ごしゅじんにゃま~』とか!?」

「ゆい、それはやりすぎ!」

 廊下ですれ違う他クラスの生徒たちにくすくす笑われながらも、放課後の教室では試行錯誤が続く。

 つかさはというと、試着したメイド服の裾をぎゅっと握りしめ、顔を真っ赤にしていた。

「うう……どうして、私まで……」

「だってつかさ、背が高いから、メイド服映えるよ!絶対似合うって~♪」

「そ、そんなこと言われても……」

 ゆいの無邪気な褒め言葉に、つかさはさらに照れながらうつむいた。

 一方、りんは鏡の前でポーズを決めて満足気。

「へへっ、任せて!『おかえりなさ~い、ごしゅじんさまっ♪』って言うの得意かも!」

「ほんとに才能あるよね、りんちゃん……」

 全員が個性豊かすぎて、まとまるかどうかは若干不安だけど……。



 それぞれにコンセプトを持たせるのも面白そうという話になり、ゆいはドジっ娘メイド役に立候補。小道具のティーカップを持って、お辞儀の練習中にカップをひっくり返してしまい、「わわっ、ごめんなさいご主人様ぁっ!」と見事な(?)演技を披露。

「な、なんかすごく自然だった……」

「というか、普段通りだった……」

 つかさはというと、鏡の前で真っ赤になって俯いてしまう。

「やっぱり…無理かも……」

「つかさちゃん、めっちゃ似合ってるよ!むしろお客さんの方が照れちゃうかも!」

とりんが励まし、つかさも少しずつ心を決めていく。

 りんは明るく元気な接客係。すでに口上の練習にも余念がない。

「いらっしゃいませ~!今日もご主人様に最高の一日をお届けしますっ♪」

「……りんちゃん、やけにノリノリじゃない?」

「うん!こういうの、楽しまなきゃ損だよー!」

 準備はトラブルもあれど、少しずつ形になっていく。 衣装の手配に手間取ったり、内装の資材が足りなかったり、メニューの試作で教室がスイーツの香りに包まれたり。

「うわっ、これ甘すぎ!?」

「逆にこの紅茶、苦っ!?」

「バランスが命なんだよね~」

 それでも、みんなで過ごす放課後はどこか楽しくて、笑顔が絶えなかった。

 こうして、文化祭当日までの準備は、ドキドキとワクワク、そしてちょっぴりのドタバタとともに進んでいくのだった。

 ……果たして、無事に当日を迎えられるのか!?
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