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1年生編
第16話「ゆい、手袋をなくす~小さな冬の大騒動~。」
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「……あれ?」
朝の登校途中、ゆいは立ち止まり、自分の手元を見つめた。
「えっ!? 手袋が片方ないっ!」
冬の寒空の下、右手だけがぽつんと手袋なしで震えていた。
「これ……去年、つかさがくれたやつなのに……!」
慌ててポケットや鞄を探るも見つからない。隣を歩いていたつかさが気づく。
「手袋? いつからなかった?」
「わかんない……昨日の帰りにはあったと思うんだけど……」
そこに、りんが元気よく登校してきた。
「おはよーっ! ……って、ゆいちゃん、どうしたの?」
「手袋が……なくなっちゃって……」
「ええー!?よーし、放課後にでもみんなで探そう! ゆいちゃん、絶対見つけるから任せて! わたしの体力が火を吹くときだーっ!!」
「どこで落としたか、心当たりある?」
心強いふたりの言葉に、ゆいも涙目ながらもほっと笑顔を見せた。
放課後。
3人は校内を捜索することに。
「昨日の放課後って、教室のあと購買寄ったんだよね?」
「うん、それから図書室でちょっと本見て……あ、体育館の裏も通ったかも!」
各所をくまなく探す3人。
その途中、廊下の一角で何やら怪しい機械を設置するレイを発見。
「……何してるの?」
「来たか! この“残留波動探知機”なら、失くした手袋の気配も逃さない!」
「そんなものがあるの!?」
「しかも改良型! 今度は牛乳には反応しない!!」
その時、職員室から怒鳴り声が響いた。
「鏡音ーッ! 廊下にまた変な機械置くなって何度言えば……!」
「これは手袋探知用の特別装置であって、断じて危険物では……!」
黒田先生に腕を掴まれて、抵抗しながら連行されるレイ。
「……いつの間に職員室の前に……」
「黒田先生、ナチュラルに監視してるよね……」
黒田先生は面倒そうに目元を押さえながら、レイの装置を撤去していた。
「……ったく、期末前に何やってんだか」
その目線の先には、そわそわと校舎内を駆け回るゆいたち三人の姿が見える。
(手袋を無くした…ね…)
ふっと苦笑する黒田先生。
捜索は難航。結局その日は見つからず、ゆいはしょんぼり。
「せっかくつかさがくれた手袋だったのに……」
でも、みんなで探した放課後は、ちょっとだけ温かかった。
次の日の昼休み。
校庭のベンチに、ぽつんと置かれた片方の手袋があった。
「……あっ! これ……!」
ゆいが駆け寄り、大事そうに手袋を抱きしめる。
「どうしてここに……?」
周囲には誰もいない。ただ、ベンチの足元にうっすらと白いチョークの粉。そしてほんのり漂うコーヒーの香り。
職員室の窓辺。
黒田先生が、カップを片手にぼんやりと外を見ていた。
「……やれやれ、まったく騒がしいやつらだな」
そうぼやきつつも、彼の口元にはかすかな笑みが浮かんでいた。
下校の時間。
昇降口にいた黒田先生が、ゆいの手袋を見て軽くあくび混じりに言った。
「……ふーん。見つかったのか。よかったな」
「先生も、探してくれてたんですか?」
「何のことだ?」
そう言ってぷいっと顔を背ける黒田先生に、ゆいがにこっと笑う。
「ありがと、黒田先生!」
その言葉を背に職員室に戻っていく黒田先生。
その姿を見送る3人の顔は微笑みで溢れていた。
朝の登校途中、ゆいは立ち止まり、自分の手元を見つめた。
「えっ!? 手袋が片方ないっ!」
冬の寒空の下、右手だけがぽつんと手袋なしで震えていた。
「これ……去年、つかさがくれたやつなのに……!」
慌ててポケットや鞄を探るも見つからない。隣を歩いていたつかさが気づく。
「手袋? いつからなかった?」
「わかんない……昨日の帰りにはあったと思うんだけど……」
そこに、りんが元気よく登校してきた。
「おはよーっ! ……って、ゆいちゃん、どうしたの?」
「手袋が……なくなっちゃって……」
「ええー!?よーし、放課後にでもみんなで探そう! ゆいちゃん、絶対見つけるから任せて! わたしの体力が火を吹くときだーっ!!」
「どこで落としたか、心当たりある?」
心強いふたりの言葉に、ゆいも涙目ながらもほっと笑顔を見せた。
放課後。
3人は校内を捜索することに。
「昨日の放課後って、教室のあと購買寄ったんだよね?」
「うん、それから図書室でちょっと本見て……あ、体育館の裏も通ったかも!」
各所をくまなく探す3人。
その途中、廊下の一角で何やら怪しい機械を設置するレイを発見。
「……何してるの?」
「来たか! この“残留波動探知機”なら、失くした手袋の気配も逃さない!」
「そんなものがあるの!?」
「しかも改良型! 今度は牛乳には反応しない!!」
その時、職員室から怒鳴り声が響いた。
「鏡音ーッ! 廊下にまた変な機械置くなって何度言えば……!」
「これは手袋探知用の特別装置であって、断じて危険物では……!」
黒田先生に腕を掴まれて、抵抗しながら連行されるレイ。
「……いつの間に職員室の前に……」
「黒田先生、ナチュラルに監視してるよね……」
黒田先生は面倒そうに目元を押さえながら、レイの装置を撤去していた。
「……ったく、期末前に何やってんだか」
その目線の先には、そわそわと校舎内を駆け回るゆいたち三人の姿が見える。
(手袋を無くした…ね…)
ふっと苦笑する黒田先生。
捜索は難航。結局その日は見つからず、ゆいはしょんぼり。
「せっかくつかさがくれた手袋だったのに……」
でも、みんなで探した放課後は、ちょっとだけ温かかった。
次の日の昼休み。
校庭のベンチに、ぽつんと置かれた片方の手袋があった。
「……あっ! これ……!」
ゆいが駆け寄り、大事そうに手袋を抱きしめる。
「どうしてここに……?」
周囲には誰もいない。ただ、ベンチの足元にうっすらと白いチョークの粉。そしてほんのり漂うコーヒーの香り。
職員室の窓辺。
黒田先生が、カップを片手にぼんやりと外を見ていた。
「……やれやれ、まったく騒がしいやつらだな」
そうぼやきつつも、彼の口元にはかすかな笑みが浮かんでいた。
下校の時間。
昇降口にいた黒田先生が、ゆいの手袋を見て軽くあくび混じりに言った。
「……ふーん。見つかったのか。よかったな」
「先生も、探してくれてたんですか?」
「何のことだ?」
そう言ってぷいっと顔を背ける黒田先生に、ゆいがにこっと笑う。
「ありがと、黒田先生!」
その言葉を背に職員室に戻っていく黒田先生。
その姿を見送る3人の顔は微笑みで溢れていた。
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