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第30話 女子三人でランチ
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学園の食堂は相変わらず多くの生徒で賑わっていた。
俺たちは空いているテーブルを確保する。
「さて、何にしようかしら」
俺はメニュー表を眺める。
昨日も思ったが、大きな学園だからかメニューは豊富だ。
名前が魔物だらけだが……
昨日クエスト報酬で貰ったお金はほとんど持っていかれたが、まだ手元に残りはある。
とりあえず今日は借金せずに済みそうだ。
さて、前回はオーク肉を食べたが今回も肉にするか?
オーク肉は豚肉みたいな味だったし他の肉も似たようなものなのかな。
ミノタウロスのステーキ……牛肉みたいなものか?
コカトリスの唐揚げってのは鶏肉の唐揚げのようなものだろうか。
そういえばサフィアは何を食べるんだろう。
エルフの食生活が気になる。
「サフィアは何になさいますの? やはりエルフなのでサラダとか……?」
俺は勝手なイメージで尋ねてみる。
エルフといえば森の民。
肉や魚よりは、草や木の実などを主食にしているイメージがある。
「うん。決まってる」
サフィアはメニュー表を一瞥もしないで告げる。
「ミノタウロスのステーキ、特大サイズ。あと骨付きコカトリス肉のグリル」
「えっ」
え、今なんて? ミノタウロス? しかも特大?
さらに骨付き肉まで追加したぞ?
「お、お待たせしました……」
ドンッ! とトレイに乗せられて出てきたのは、茶色一色のわんぱくセットだった。
牛ステーキのようなものとローストチキンのようなものが並んでいる。まさに肉の山だ。
「……サフィア? それ、本当におひとりで食べますの?」
「うん。足りないかも」
「えぇ……」
俺たちのテーブルは、異様な光景になっていた。
俺もサフィアと同じミノタウロスのステーキにした。特大ではないので、量はサフィアよりは全然少ないが。
リリィはやはり小食なのか、前回と同じように薬草サラダと小さなパンのみ。
そしてサフィアの前には、肉の要塞がそびえ立っている。
とてもじゃないが、女子三人の食事風景とは思えない。
リリィが逆に浮いているみたいな光景だ。
「いただきます」
サフィアは豪快に肉にかぶりついた。
上品な顔立ちからは想像もできない食べっぷりだ。
「あ、あの……サフィアはエルフ……なんですわよね?」
「うん」
「エルフの方って、その……あまりお肉は召し上がらないイメージがあったのですが……それに量が多すぎません……?」
俺が恐る恐る聞くと、サフィアは口元のソースを紙ナプキンで拭いながら答えた。
「それは偏見。普通に食べる。でも、故郷にいた頃はあまり食べられなかった。だから、その反動かも」
「反動?」
「森の食事、来る日も来る日も草、木の実、キノコばかり。つまらない」
サフィアの目が据わっている。
相当なストレスだったらしい。
それにしても、彼女は食事に対しても好奇心旺盛なのか。
いや、そんな食事をしてたからこうなったのか。
「あんなの食事じゃない。ただの栄養摂取。私は美食がしたい。脂とスパイスに溺れたい」
「……そうですの」
言葉の重みが違う。
どうやら彼女がこの学園に来た理由は、「魔法」だけでなく「食」のウェイトも高そうだ。
「それに比べて、リリィの食事は……」
俺はリリィの手元を見る。
薬草をフォークで突き、小鳥がついばむようにパンを食べている。
「リリィの方がよっぽどエルフっぽい食事ですわね」
「そ、そうですか……? 私、昔からあまり量が食べられなくて……」
「サフィアの十分の一もありませんわよ」
リリィが恥ずかしそうに縮こまる。
その横で、サフィアは骨付き肉を綺麗に平らげていた。
「うん、美味。生き返る」
「……カロリー凄そうですけど、太りませんの?」
「魔法で消費するから問題ない。これだけ食べれば好きなだけ魔法の実験ができる」
サフィアがしれっと恐ろしいことを言う。
一体なにをするつもりなんだ……?
毎日実験とかやってるの……?
「ごちそうさま」
本当に完食した……
あれだけの肉の山を……
このエルフ、出会ってからやること全てがとんでもない。
サフィアは何事もなかったように涼しい顔で食後の茶を啜っている。
「す、すごい……」
その横では、リリィが信じられないものを見るような目で、綺麗に骨だけになった皿を見つめていた。
やがて、昼休みの終わりを告げるチャイムが食堂に鳴り響く。
「で、では行きましょうか」
「うん」
「は、はい……!」
まだ困惑しているが、午後の授業がもう始まってしまう!
こうして俺たちは食堂をあとにしたのだった。
俺たちは空いているテーブルを確保する。
「さて、何にしようかしら」
俺はメニュー表を眺める。
昨日も思ったが、大きな学園だからかメニューは豊富だ。
名前が魔物だらけだが……
昨日クエスト報酬で貰ったお金はほとんど持っていかれたが、まだ手元に残りはある。
とりあえず今日は借金せずに済みそうだ。
さて、前回はオーク肉を食べたが今回も肉にするか?
オーク肉は豚肉みたいな味だったし他の肉も似たようなものなのかな。
ミノタウロスのステーキ……牛肉みたいなものか?
コカトリスの唐揚げってのは鶏肉の唐揚げのようなものだろうか。
そういえばサフィアは何を食べるんだろう。
エルフの食生活が気になる。
「サフィアは何になさいますの? やはりエルフなのでサラダとか……?」
俺は勝手なイメージで尋ねてみる。
エルフといえば森の民。
肉や魚よりは、草や木の実などを主食にしているイメージがある。
「うん。決まってる」
サフィアはメニュー表を一瞥もしないで告げる。
「ミノタウロスのステーキ、特大サイズ。あと骨付きコカトリス肉のグリル」
「えっ」
え、今なんて? ミノタウロス? しかも特大?
さらに骨付き肉まで追加したぞ?
「お、お待たせしました……」
ドンッ! とトレイに乗せられて出てきたのは、茶色一色のわんぱくセットだった。
牛ステーキのようなものとローストチキンのようなものが並んでいる。まさに肉の山だ。
「……サフィア? それ、本当におひとりで食べますの?」
「うん。足りないかも」
「えぇ……」
俺たちのテーブルは、異様な光景になっていた。
俺もサフィアと同じミノタウロスのステーキにした。特大ではないので、量はサフィアよりは全然少ないが。
リリィはやはり小食なのか、前回と同じように薬草サラダと小さなパンのみ。
そしてサフィアの前には、肉の要塞がそびえ立っている。
とてもじゃないが、女子三人の食事風景とは思えない。
リリィが逆に浮いているみたいな光景だ。
「いただきます」
サフィアは豪快に肉にかぶりついた。
上品な顔立ちからは想像もできない食べっぷりだ。
「あ、あの……サフィアはエルフ……なんですわよね?」
「うん」
「エルフの方って、その……あまりお肉は召し上がらないイメージがあったのですが……それに量が多すぎません……?」
俺が恐る恐る聞くと、サフィアは口元のソースを紙ナプキンで拭いながら答えた。
「それは偏見。普通に食べる。でも、故郷にいた頃はあまり食べられなかった。だから、その反動かも」
「反動?」
「森の食事、来る日も来る日も草、木の実、キノコばかり。つまらない」
サフィアの目が据わっている。
相当なストレスだったらしい。
それにしても、彼女は食事に対しても好奇心旺盛なのか。
いや、そんな食事をしてたからこうなったのか。
「あんなの食事じゃない。ただの栄養摂取。私は美食がしたい。脂とスパイスに溺れたい」
「……そうですの」
言葉の重みが違う。
どうやら彼女がこの学園に来た理由は、「魔法」だけでなく「食」のウェイトも高そうだ。
「それに比べて、リリィの食事は……」
俺はリリィの手元を見る。
薬草をフォークで突き、小鳥がついばむようにパンを食べている。
「リリィの方がよっぽどエルフっぽい食事ですわね」
「そ、そうですか……? 私、昔からあまり量が食べられなくて……」
「サフィアの十分の一もありませんわよ」
リリィが恥ずかしそうに縮こまる。
その横で、サフィアは骨付き肉を綺麗に平らげていた。
「うん、美味。生き返る」
「……カロリー凄そうですけど、太りませんの?」
「魔法で消費するから問題ない。これだけ食べれば好きなだけ魔法の実験ができる」
サフィアがしれっと恐ろしいことを言う。
一体なにをするつもりなんだ……?
毎日実験とかやってるの……?
「ごちそうさま」
本当に完食した……
あれだけの肉の山を……
このエルフ、出会ってからやること全てがとんでもない。
サフィアは何事もなかったように涼しい顔で食後の茶を啜っている。
「す、すごい……」
その横では、リリィが信じられないものを見るような目で、綺麗に骨だけになった皿を見つめていた。
やがて、昼休みの終わりを告げるチャイムが食堂に鳴り響く。
「で、では行きましょうか」
「うん」
「は、はい……!」
まだ困惑しているが、午後の授業がもう始まってしまう!
こうして俺たちは食堂をあとにしたのだった。
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