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亮ちゃん
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『!!…ちゃん!りょーちゃーん!!』
『…?』
『真昼間から授業サボってお昼寝ですかー』
『夾か。おはよう』
こいつは小学校の時のサッカークラブの後輩で
2つ下の守谷夾。
『てか大丈夫?なんか魘されてたけど』
『あぁ、大丈夫。それより今何時だ』
『1時半。もう5限始まってるよ』
『そうか。ならもう俺は帰るわ』
『えぇー!そんなー!』
『あっ!!亮!!お前授業サボるな!!』
遠くから体育中の蓮の声が聞こえてきた。
『サボりじゃねーよ。体調不良で早退ー』
『平気で嘘ついてんじゃねー!!!』
俺は和樹の件以来志望校を変え
地元から逃げるように離れた高校に入学した。
そんな俺を見兼ねて蓮は推薦を蹴ってまで
俺について来てくれた。
正直蓮には感謝しかない
あの件以来の俺は荒れ乱れて
その度に蓮が俺を止めてくれていた。
本当に頭が上がらない存在だ。
『ねー。蓮先輩ー!』
『んー?』
『さっき亮ちゃん寝ながら泣いてた』
『…』
『やっぱりまだあの件』
『この時期の亮はどうしても乱れるんだ
毎年決まってこの時期に』
『うん。』
俺が唯一尊敬する先輩
それが亮ちゃんだった。
サッカーがうまくて優しくてかっこよくて
いつも俺を弟みたいに可愛がってくれた
本当に誰よりも憧れの人だった
中学に上がりサッカー部に入部したが
そこには亮ちゃんの姿はなかった。
事情は風の噂程度で聞いていたけど
正直目も当てられないくらい
亮ちゃんは荒れてやつれて一目見ただけでも
昔の亮ちゃんとは全く違うと感じた。
そんな亮ちゃんを蓮先輩は嫌な顔をせず
いつも側で支えていた。
そして次に高校で再開した時には
亮ちゃんは本当に少しだけ元に戻っていた。
けどもう半分以上が偽りの亮ちゃんに見える。
『蓮先輩』
『なにー』
『蓮先輩はあの頃の亮ちゃんの事なんで
見捨てずにずっと支えられたの?』
『友達だから』
『え?』
『友達だからだよ。俺達はずっと
亮は和樹が自分のせいで死んだとずっと
自分を責めてるんだ。』
『…』
『でもそれは違う。俺も和樹の自殺を
止めてやれなかったんだから
亮と和樹は確かに付き合ってた
けどそれ以前に俺らは友達だ
俺も和樹が自殺する程苦しんでるって
気付いてやれなかったんだよ』
『そっか』
『それにいつまでも亮があんなんじゃ
和樹は心配で天国に行けないだろ笑』
『それもそうだね笑』
(なぁ、そーだろ?和樹
『…?』
『真昼間から授業サボってお昼寝ですかー』
『夾か。おはよう』
こいつは小学校の時のサッカークラブの後輩で
2つ下の守谷夾。
『てか大丈夫?なんか魘されてたけど』
『あぁ、大丈夫。それより今何時だ』
『1時半。もう5限始まってるよ』
『そうか。ならもう俺は帰るわ』
『えぇー!そんなー!』
『あっ!!亮!!お前授業サボるな!!』
遠くから体育中の蓮の声が聞こえてきた。
『サボりじゃねーよ。体調不良で早退ー』
『平気で嘘ついてんじゃねー!!!』
俺は和樹の件以来志望校を変え
地元から逃げるように離れた高校に入学した。
そんな俺を見兼ねて蓮は推薦を蹴ってまで
俺について来てくれた。
正直蓮には感謝しかない
あの件以来の俺は荒れ乱れて
その度に蓮が俺を止めてくれていた。
本当に頭が上がらない存在だ。
『ねー。蓮先輩ー!』
『んー?』
『さっき亮ちゃん寝ながら泣いてた』
『…』
『やっぱりまだあの件』
『この時期の亮はどうしても乱れるんだ
毎年決まってこの時期に』
『うん。』
俺が唯一尊敬する先輩
それが亮ちゃんだった。
サッカーがうまくて優しくてかっこよくて
いつも俺を弟みたいに可愛がってくれた
本当に誰よりも憧れの人だった
中学に上がりサッカー部に入部したが
そこには亮ちゃんの姿はなかった。
事情は風の噂程度で聞いていたけど
正直目も当てられないくらい
亮ちゃんは荒れてやつれて一目見ただけでも
昔の亮ちゃんとは全く違うと感じた。
そんな亮ちゃんを蓮先輩は嫌な顔をせず
いつも側で支えていた。
そして次に高校で再開した時には
亮ちゃんは本当に少しだけ元に戻っていた。
けどもう半分以上が偽りの亮ちゃんに見える。
『蓮先輩』
『なにー』
『蓮先輩はあの頃の亮ちゃんの事なんで
見捨てずにずっと支えられたの?』
『友達だから』
『え?』
『友達だからだよ。俺達はずっと
亮は和樹が自分のせいで死んだとずっと
自分を責めてるんだ。』
『…』
『でもそれは違う。俺も和樹の自殺を
止めてやれなかったんだから
亮と和樹は確かに付き合ってた
けどそれ以前に俺らは友達だ
俺も和樹が自殺する程苦しんでるって
気付いてやれなかったんだよ』
『そっか』
『それにいつまでも亮があんなんじゃ
和樹は心配で天国に行けないだろ笑』
『それもそうだね笑』
(なぁ、そーだろ?和樹
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