転移先では望みのままに〜神族を助け異世界へ 従魔と歩む異世界生活〜 

荘助

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第51話 緊急招集

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 ギルドの重厚な扉を開ける。

 時間はそろそろ18鐘になるが、その扉の先は冒険者で溢れていた。

「そうだった。この時間はみんなが依頼から帰ってくる時間か」

 そう呟くと同時に、依頼報告の窓口にむかう。
 3つある窓口はどれも混んでおり、あわよくば男性職員の空いている所で。というタカヤの考えは消えていた。

 窓口の職員も確認できない程にごった返すギルドの、なんとなく列に見えなくもない列の後ろに並ぶと、隣の列の前の方に見覚えのあるパーティが並んでいた。

 Dランクパーティ【オーガの鉄槌】だ。
 昨日タカヤを誘ったパーティは別の誰かを入れるでもなく、4人で活動していた。

 少々の気まずさを感じながら列に並んでいると、【オーガの鉄槌】リーダーのジルがこちらに気づく。

 目が合い緊張度合いが増すが、ジルはこちらに目を合わせたまま、挨拶がわりに右手を一度挙げただけだった。

 こちらも反射的に右手を挙げるが、恐らく顔は少々引きつっていただろう。

 続いてパーティメンバーもこちらに気づくが、ジル同様手を振り挨拶を交わす程度であった。

『よかった。断って急に飛び出しちゃったから、少し気まずかったんんだよね』

『はい。マスター。とても良いパーティのようですね。あまり気にしていないようですし』

 念話でポシルと会話を楽しんでいると、しばらくして順番が回ってきた。

「お疲れ様でした。依頼完了報告ですね。承ります。ギルドカードと討伐依頼でしたら討伐証明をお出しください」

 少し色の白い肌にパッチリとした目元、優しげに微笑みを浮かべるお嬢様風の女性。
 特徴的な胸は、冒険者達の視線を集めるには十分な大きさだった。

 そして一番の特徴は、髪型だろう。
 濃紺色の長い髪で三つ編みを作りそれを後ろで纏め上げ、お団子を作っている。

 この世界は、結構おしゃれな髪型をちらほら見かけるが、ここまで手の込んだ髪型はなかなか見られない。

 言われた通りギルドカードを渡し、次々と討伐証明部位を鞄から出していく。

 一応分けやすいように、各魔物毎に布袋に入れてあるが、ゴブリン約180個の右耳が入った袋を置いた時、他とは違う大きさに一瞬その表情が疑問を持った表情に変わった気がした。

「タカヤ様、それでは確認させて頂き……ま ひゃく  はち じゅ!」
 停まった。ギルドカードを見ながら受付嬢さんが停まった。

「タカヤさま?」

 なんか呼び方の感じが違うが

「はい、何でしょうか?」

「お一人ですか?」

「はい。一応」
 ポシルはいるけどね。

「今日一日ですか?」

「今日の分として反映してますよね」

 このやり取りミーネさんとしたような気がする。毎回やるのかこれ。

「してますね。はい。してます。少々お待ち下さい。一度討伐証明をしまって頂き、そして2階の会議室にお越しください」

 顔面蒼白になり、フラリと受付嬢さんが立ち上がり、ヒュッと奥に消えていく。

 ここにいてもしょうがないので、言われた通り証明部位をしまい、商人のピフサさんと面談した部屋に向う。

 ダイナム?そんな〈もの〉は知らない。

 前回同様に、8畳程の部屋の中央にあるソファーに座り、受付嬢さんを待っていると乱暴なノック音が響く。

 この乱暴なノックには聞き覚えがあると思った瞬間、予想通りギルドマスターのスイデンがドアを雑に開けて入ってきた。

 その後方にはなぜか先程の受付嬢さんではなく、セリナさんがそこにはいた。

 スイデンは、ドスンと対面のソファーに腰掛け、こちらに鋭い視線を投げる。

「またタカヤか。早速だがゴブリンの討伐証明と俺にもギルドカードを見せてくれ」

 鋭い視線からため息を一つつき、手を伸ばす。

 渡されたギルドカードと、全種類のゴブリンの討伐証明部位を見ながら、その表情は険しくなっていく。

「タカヤ。討伐場所はどこだ。ゴブリンキングが出たのか?」

「いえ。少なくともキングはいませんでした。集落は南の森を入り、ゴーバのアジトから更に1鐘くらい歩いた所ですね。そして、その集落を統括していたのはゴブリンシャーマンです」

 ゴブリンキングではなくまとめていたのが、ゴブリンシャーマンと聞いた所で、スイデンと後ろに控えるセリナさんの顔が少しだけ緩まる。

「180以上の集落のボスがゴブリンシャーマンだったんだな」

「はい。ただゴブリン1体1体は非常に弱く。ただ一族内で数だけ増やしていたって感じでした。わらわらと統率や連携もなく、いつまでも襲ってきましたよ。あっシャーマンは頭良かったですね。他のゴブリンを利用してましたし」

 ゴブリンメイジなんてフレンドリーファイアしてたしな。統率どころか仲間意識も薄かったような。

 危うくその時の事を思い出し、吹き出しそうになるがスイデンの真剣な眼差しに、不謹慎であると我慢する。

「そうか。集落はこれで全滅か?」

「はい。人間の捕虜も他の魔物もいませんでした。殲滅したと思います」

 スイデンとセリナは一度顔を見合わせ、スイデンが頷いた後セリナは一礼して部屋退室していった。

「タカヤ。お前さんはわかってないようだがな50以上の集落で統率者がいないなんて稀なケースなんだよ。特に180なんてゴブリンキングが生まれていてもおかしくない。そうなれば、統率されたゴブリン軍団は、他の集落を吸収して一気に膨れ上がり千や万単位で、街に攻めてくる」

 わかるな?っとスイデンに念押しされようやく事の重大さに気付く。

 タカヤは、よくゲームや小説にあるゴブリンキングの存在の大きさを忘れていた。

 確かに今回のゴブリンシャーマンは、統率や連携のスキルを持っていなかった。

 それどころか集落全体を見ても統率のスキル持ちはいなかった。

 今回の集落が非常に弱かったのは、ゴブリンシャーマン含め、統率者不在のためゴブリンがただの烏合の集であり、本来は50を超えるとゴブリンリーダーやジェネラルそしてキングが生まれ部族を統率するとの事だった。

 その為、180を超える討伐数を見た三つ編み団子の受付嬢は顔面蒼白になり、緊急招集も覚悟してギルマスに報告をしていた。

 その後すぐにセリナによって、緊急招集と緊急依頼の準備が開始されていた。

 この場にセリナが立ち会ったのは、まさにギルドマスターからの緊急依頼発注のGOサインを最短で受ける為であった。

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