~春の国~片足の不自由な王妃様

ローズマリー絶望と偽りの幸せの始まり

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私は今現在。
春の国の王太子妃として。
今日の主役である花嫁の姉として。夫であるこの春の国の王太子ジークと一緒に参列…いえ。
近くに行く事を危険だからと許されずに。(なにが危険なの？)
遠くからかろうじて見える位置に、王家の紋が着いた馬車を停めた。馬車の周りには、騎士団長及び選び抜かれた騎士達が、私達の馬車を守りようにいた。(守る？いえ違うわね。私を逃がさないためね。)
更には。
危険だからと外に出る事もできずに、窓から眺めていた。

フフ。でも遠くて良かったかもしれないわ。「おめでとう。」と言えるか…わからない。

結婚式の会場であるローバー侯爵家の庭では～白い花嫁衣裳を身に着けたマリーナ=ローバーと。新郎アルト=バードナ改め今日からは、アルト=ローバーとなる二人はみんなの祝福を受けていた。

遠くからでもよく見ると。
マリーナのお腹は、膨らんでいた。マリーナは現在、妊娠６か月。新しい命が宿っていた。
あの事件の時に、出来た子だ。

あの時。初めて愛し合って出来たのか？それとも～以前から何度も私に隠れて、愛し合っていたかも知れない。

本当の事は…今になってはわからない。今更。どうにもならない。城に来てから、両親や二人と会って話す事もできなかった。

ジークから、その後どうなったか聞いた。

あれから両家で話し合ったそうだ。このまま。二人を結婚させる事に。二人は散々言い訳をしていたそうだが。あの場面を見た者が大勢いたので、隠せないと。それでも二人は～関係を否定していたそうだ。誰かの陰謀とかな。しかし。事態が急変したのは～マリーナの妊娠がわかったからだよ。流石に二人は、認めたのかな。予定通りに。
結婚する事にしたんだよ。

あ。もしこれが二人が結ばれるための演技なら(ニヤリ)凄いね。

その話の途中から。ジークが何を言っていたのか～理解できなかったけど。

最終的には…アルトはローバー侯爵家に、マリーナの夫として婿入りした。