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ジーク 出会いと永遠の別れ
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しおりを挟むあれから何度も、ローバー侯爵に接触を試みた。
なぜだか。二人になると、タイミングよく邪魔が入る。
呼び出そうとするが、ちょうど時間が合わない。
仕方がないので、ローバー侯爵家を調べる事にした。私の手の者(自分用の影を育てている)を、使用人として入り込んでいる。
新たな情報が入ってきた。
親しく交流をしているバードナ侯爵夫人と息子二人も、一緒に隣国に行っている事が判明した。それも。ローバー侯爵夫人の実家に一緒に住んでいると。
(私がその報告を聞いた時の顔が、今でも思い出すと震えるほどに恐ろしかったと。数年後。立派に成長した影に聞いた。)
私は焦った。4歳差なら、婚約を打診しても良いだろう。身分も問題ないし、嫁にほしいと言っていたくらいだからな。婚約者を早く決めるようにと言ってるし。両親のもとに行き、話をすると喜んでくれた。
直ぐに婚約の事をローバー侯爵に伝えてもらったが、良い返事はもらえなかった。
母上も残念そうにしていた。
きっと。あいつがいるからだ。
月日が経つにつれ、私に対しての評価があがっていた。王太子の任命式も無事に終わった。
毎日が順調に過ごしているが。ローズマリーについては、忘れるどころかどんどん思いが膨らんでいた。
王太子としての仕事をしなが、頭の中はローズマリーでいっぱいだった。
どうすれば私のになるのかを、毎日考えていた。
そうして。一目惚れから3年が経っていた。
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