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310話 智風と天音

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2人は手を繋ぎながら、祭りを楽しんでいた。

屋台で焼き鳥、りんご風アメ、タルルのたこ焼きなど、食べ歩きしていた。

「あ~楽しい♪みんなのおかげだね。あのままだったら…私。
ここには~いなかったから。
あそこにいたら、私…あの人に」

天音の様子がおかしくなりそうになったので、智風が「天音」と呼んだ。

その声で正気に戻り、智風を見上げて「ありがとう。助けてくれて。本当にありがとう。」

「天音。こっちに来て。」と
連れてこられた場所には、小さなテントらしきものが、建っていた。

中に入ると天音は、驚いた。
一面に花が咲いていて、空には星が光輝いていた。

「ここは?」
「遠野さんに頼んで、魔法で作ってもらったんだよ。」
「とてもきれいな場所だね。」と智風を見ると、緊張している顔だった。
(どうしたの?なんだか私まで、緊張しちゃうよ。)

「天音。大事な話があるんだ。聞いてほしい。」

「はい。」(なに?)

「俺な。天音の事は、妹だと思っていたんだ。」

(やっぱりそうだよね。)

「でも。天音が攫われたと知った時に、自分の気持ちに気がついたんだ。」

(え。自分の気持ち?)

「望月天音さん。私と結婚して下さい。お願いします。」

「え~結婚?(嬉しいけど)付き合うじゃなくて?」

「そうだ。先に籍だけでも入れよう。本当の夫婦になるのは、成人してからでもいい。天音の気持ちが落ち着くまで、俺は~待つつもりだよ。だけど、戸籍上は夫婦になりたい。もう、あいつから怯える必要もない。
愛している。俺が一生、天音を守る。」

「嬉しい。でも私で良いの?
私が。私があんな風になったから。同情からだったら…私。」

「そうじゃない。同情じゃない。俺は天音を愛している。誰にも渡したくないし、他の男と親しくしている姿も見たくないほど。できれば閉じ込めてしまいたいほどだ。」

(あれ?途中からやばい感じだけど~)

「天音。返事がほしい。」

「はい。私も智風にぃが好きです。これからも一生にいたい。そばに、ずっといて。」(泣)

天音を抱きしめながら
「ありがとう。ずっと一緒にいよう。もう離さないよ。」

「うん。うん。」

「さっそく。お互いの両親に話しに行こう。」 「うん。」

2人はテントから出て、両親が待つ場所に向かった。


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