【1話完結】5分で人の怖さにゾッとする話

風上すちこ

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昔話

「そのへんばうろんころんすんなよ!」

これ、うちの祖父の口癖でした。

うろんころんって、九州地方の方言で、あちこち動き回るって意味です。うろんころんって、なんだかお菓子みたいですよね。

そんな祖父も、私が中学生になったあたりで亡くなってしまいましたが。

久々に“うろんころん”を耳にして、急に祖父の口癖を思い出したんです。
そして、不思議に思いました。
なんで祖父は、その辺を動きまわってほしくなかったんでしょうか。
祖父母の家は九州の田舎で、家族と帰省するときは東京から何時間もかけて行っていました。飛行機にも乗らなきゃ行けませんでしたし、レンタカーで山道をひらすら行って、やっと到着です。そんな田舎なので、当然何もありません。
そこまで柄の悪い人もいなかったですし。
むしろ、近所の人達はみんな仲が良く、野菜のお裾分けなんかもらったりもしてました。

祖父が「うろんころんすんな」と言うのは朝昼晩いつでも関係ありません。外に出ようとすると必ず、祖父も着いてこようとします。「危なか、危なか…」とか呟きながら。
少し、ボケていたんだと思います。


そこで、私はその地で生まれ育った母に尋ねてみることにしたんです。
「ねぇ、おじいちゃんってなんでうろんころんすんな!が口癖だったの?」

母は少し悩んだあと、「なんでだろうねぇ…」と言い、それっきり黙ってしまいました。きっと、はぐらかされたんだと思います。母らしくないはぐらかし方だったので妙に気になってしまい、祖父母が住んでいた地域について少し調べてみることにしました。

しかし、田舎なこともあってかそれらしい記事はありませんでした。
まぁ、当たり前ですよね。
祖父がうろんころんすんなって口癖になるくらいの何かがあると思ったんですけど…。
すみません、実はホラー好きなんです。何かあったら面白いなぁと思っちゃって。

あ…そういえば、20年くらい前に野焼きで行方不明事件が起きたっていうニュースが全国で放送されてました。
その地域で話題になっていたのはそれくらいです。

田舎なので、野焼きはしょっちゅうやってましたし…
事件ではなく事故として処理されたみたいです。

なーんか腑に落ちないこともあるんですが、気にしないことにします。

感想 1

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