ティーンエイジ

安恒 亮

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記憶

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公園のブランコが揺れる。



懐かしい匂いと10代の頃の思い出。




ポケットに夢と希望を入れた少年。




今や空かナイフか。




公園の砂地に突っ立っている俺。




公園のお花畑に母がいる。



久しぶりに会うな。




もう何年も会っていなかった。





ポロリと涙を流す。
汚れた心が何か癒されるような気がした。




母は笑っている。





でも俺はもう母には近づけない。





記憶が薄れる。




耳鳴りが響く。





ザワザワザワザワ。





東京、ど真ん中の交差点。




ハッと息を飲み込む。



もう少しで俺は赤信号の中、渡ろうとしていた。





青信号に切り替わる。





横断歩道は雨に濡れ、青信号の光が
綺麗に反射していた。




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