ティーンエイジ

安恒 亮

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傷。

それは目に見えない傷。


10代の頃できた深い傷。



僕は夜空に助けを求めた。



応答はなかった。



あの日、僕は泣いたんだ。


ナイフを持つ前に、涙を流してグッと堪えたんだ。



聞いたこともないような雑音混じりの音楽を聴いてみたいと思ったこともある。



抑えきれない衝動と葛藤が入り混じった頭の中。雑念と憎悪を抱きながら、


日々を過ごした。



今も、あの深い傷は治らない。




ただ、その傷は僕を強くした。



君は弱くなんかない。


あの深い傷を負った君は
今どんな奴らよりも、強くて勇ましい。


そしてきっと輝いているに違いない。
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