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エピローグ_外野視点
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夏の湿気でむんむんとした電車を急いで降り、俺は即、LINEの「MKP」グループにメッセージを打った。
「進展アリ!!!!」
宮野チャンから即レスが来た。
「緊急会議ですね、中村さん」
事が始まったのは3月。
漫才コンビの相方(笑)の宮野チャンから「可及かつ重要な議案がある」と持ち掛けられ、会社の昼休みにオフィス内の会議室を予約した。宮野チャン指定で、一番奥の。
会議室に入ると、上座の席に、普段の「キラキラ女子」からは想像できないほど真剣な面持ちで宮野チャンが座っていた。俺はいつもの明るいノリで
「宮野チャン、何々、告白!?チョー嬉しいけど、俺、彼女いるんだよね」
「中村さん。座ってください。」
机に肘をついてあごの下で両指を組み、宙の一点を見つめながらそう静かに宮野チャンが言った。
「ちなみに私も、彼氏いますから。」
俺は気迫に押され、そっと扉を閉めると黙って着席した。
「中村さん、気づいてます?」
「な、何を?」
「松山さんと、金目先輩、です」
「あの二人?まあまあ仲良いんじゃないの、たぶん。えっ何かあった?」
宮野チャンの鋭い目だけがこちらへ向いた。
「あの二人、お互いに好きあってますよ。」
「ンンンマジで!?!?」
俺は衝撃のあまり大声で飛び上がりながら返事をし、会議室外の通路を歩いていた他の社員数人をガラス越しにビビらせてしまった。
「やっぱり気づいてなかったんですね。営業のくせに、2年間も何見てたんですか。」
そんなこと言われて、俺、涙目。
「まだお互い、自分の気持ちにすら気付いてません。このままあの二人を放っておいたら100年経っても進展しません。誰かが背中を押さないと。そのために、中村さんを呼んだんですよ。」
画して、「M(松山)K(金目)P(プロジェクト)」が発足した。
それから宮野チャン指示のもと、俺は松山さんが自分の気持ちに気付けるようさりげなくアシストした。
俺だって営業という仕事柄、お客様を乗せるのはお手の物だ。まぁ、宮野チャンの言うように、二人でオフィスに残っているくらいじゃ何も起こらなかったけど。
あの7月の金曜日、俺は夜に取引先との接待があった。
帰りの電車、会社の最寄り駅を通ったところで偶然、松山さんと金目チャンが二人で同じ車両に乗ってきた。ちょっとイイ感じになりそうだったから、俺は声をかけずに遠くから静観していたわけ。そしたらまさかの展開!宮野チャンとおだてた『金目チャン誕生日だよアピール作戦』の効果があったのかもしれないと、ちょっと胸熱だったね。
研修旅行の幹事に立候補したのも、もちろん、宮野チャンアシストイベントの展示会デートからなかなか進展しないあの二人を一気に畳みかけるため。旅館の間取り図を見ながら、俺たちは作戦を練りに練った。念のために施工会社に発注しておいた「ハルニレ」と「クスノキ」のドアプレートそっくりのダミーは、思いのほか高くついた(俺の営業トークでなんとかまけてもらえて助かった)。
懇親会中にうまくくっつけられれば良かったんだけど、松山さんが退席してしまったので、慌てた俺たちは急遽強硬手段の『プランB』に切り替えた。
松山さんが風呂に行っている隙に俺は急いで自分の荷物を引き上げた。ついでに、松山さんが部屋に入ったタイミングでドアプレートをこっそり付け替えた。
一方で、女子たちが風呂に入っている間に、宮野チャンが金目チャンと俺のカードキーをすり替え。
で、俺が暴漢のフリして金目チャンを追いかける……これちょっと宮野チャン、ドラマの見すぎだろ!ついおだてられてノリで引き受けたけど、宮野チャン、俺が警察に捕まったらどうするつもりだったんだろ。怖いから聞かないどくけど。
宮野チャンには金目チャンから『交際スタート』報告があったらしいけど、研修旅行後であの2人の様子に変わりがないように見えた。本当に付き合ってんの?って何回か突っ込もうかと思ったくらい。
けどある時、俺、松山さん、金目チャンの3人で打ち合わせをしていたら「なぁ杏里、この図面、、、」って松山さんがホント、うっかりーって感じで下の名前で呼んじゃったんだよね。あの時、松山さんは指で眉間を押さえてうつむいちゃうし、金目チャンは見たこともないほど顔真っ赤にしてたわ。俺は、ほんわかムードに耐え切れず、黙ったまま、いつものお返しで松山さんを軽く拳で小突いた。
俺チョイスのあのカップル(笑)最大の山場は、お互いの家族と『交際の挨拶』をした時の話。
金目チャンの弟クン、松山さんとこの娘チャンが可愛すぎて速攻メロメロになったらしいんだけど、いざあの二人の交際の話題になると、昭和の頑固親父と化してなかなか首を縦に振らなかったらしい。まあそれだけ、弟クンが金目チャンのことを大事に思ってたってことだろうけど。
それで、娘チャンの提案で、松山さんと弟クンが腕相撲で交際OKの決着をつけることになったって。保育園で流行ってるらしい。二人とも本気出してめっちゃいい勝負になったけど、最終的にはなんとか松山さんが勝利して、弟クンが泣きながら2人のことを認めたってことだった。弟クンが心から金目チャンを送り出せるようになれたから良かったけど、久しぶりに腕が筋肉痛でパンパンになったって、後々松山さんが笑いながら話してくれた。ホント見たかったわぁ、そんな面白い展開。
宮野チャンの見立てでは「あの二人ですから、松山さんの娘さんが小学校に上がる再来年の3月のタイミングで結婚、ってところですかねぇ」ってことだった。俺は、金目チャンが奥手そうだからもっと時間がかかるんじゃないかと思っていた。
ところが、俺たちの予想は裏切られた。良い意味で。
二人が付き合いだした11月のあの研修旅行の“次の年の”3月末。松山さんが会社の皆の前で堂々と入籍の報告をした。
ホント今更だけど、松山さんと金目チャン、一緒に並んでいるのがすごく自然でお似合いの2人だった。
突然の発表に皆が驚きつつも惜しみない拍手をする中、宮野チャンは化粧が落ちるのもはばからず本気の嬉し泣きをして金目チャンを慌てさせてたっけ。
なんでそんなにあの二人を応援するのか宮野チャンに聞いたことがある。
「私、この見た目と性格だから、特に女子から妬まれたり敬遠されたり、色々人間関係の構築が大変なんですよぉ。でも、金目先輩は私のこと色眼鏡ナシで最初からニュートラルに接してくれたんです。今までそんな人いなかったので、すごく新鮮でした。社会人になってから友人が出来るって思ってなくて、本当に嬉しかったんです。そういう人に限って、自分のことは後回しなんですよねぇ。幸せになって欲しいに決まってるじゃないですか」と意外にも真面目な答えが返ってきた。
宮野チャンのナイスプレーと、金目チャンをかっさらっていった松山さんの男気に、俺もちょっと感動して危うく泣くとこだった。
もちろん、この2人の結婚パーティーの幹事は、俺と宮野チャンが責任を持って務めさせていただきます!!
「進展アリ!!!!」
宮野チャンから即レスが来た。
「緊急会議ですね、中村さん」
事が始まったのは3月。
漫才コンビの相方(笑)の宮野チャンから「可及かつ重要な議案がある」と持ち掛けられ、会社の昼休みにオフィス内の会議室を予約した。宮野チャン指定で、一番奥の。
会議室に入ると、上座の席に、普段の「キラキラ女子」からは想像できないほど真剣な面持ちで宮野チャンが座っていた。俺はいつもの明るいノリで
「宮野チャン、何々、告白!?チョー嬉しいけど、俺、彼女いるんだよね」
「中村さん。座ってください。」
机に肘をついてあごの下で両指を組み、宙の一点を見つめながらそう静かに宮野チャンが言った。
「ちなみに私も、彼氏いますから。」
俺は気迫に押され、そっと扉を閉めると黙って着席した。
「中村さん、気づいてます?」
「な、何を?」
「松山さんと、金目先輩、です」
「あの二人?まあまあ仲良いんじゃないの、たぶん。えっ何かあった?」
宮野チャンの鋭い目だけがこちらへ向いた。
「あの二人、お互いに好きあってますよ。」
「ンンンマジで!?!?」
俺は衝撃のあまり大声で飛び上がりながら返事をし、会議室外の通路を歩いていた他の社員数人をガラス越しにビビらせてしまった。
「やっぱり気づいてなかったんですね。営業のくせに、2年間も何見てたんですか。」
そんなこと言われて、俺、涙目。
「まだお互い、自分の気持ちにすら気付いてません。このままあの二人を放っておいたら100年経っても進展しません。誰かが背中を押さないと。そのために、中村さんを呼んだんですよ。」
画して、「M(松山)K(金目)P(プロジェクト)」が発足した。
それから宮野チャン指示のもと、俺は松山さんが自分の気持ちに気付けるようさりげなくアシストした。
俺だって営業という仕事柄、お客様を乗せるのはお手の物だ。まぁ、宮野チャンの言うように、二人でオフィスに残っているくらいじゃ何も起こらなかったけど。
あの7月の金曜日、俺は夜に取引先との接待があった。
帰りの電車、会社の最寄り駅を通ったところで偶然、松山さんと金目チャンが二人で同じ車両に乗ってきた。ちょっとイイ感じになりそうだったから、俺は声をかけずに遠くから静観していたわけ。そしたらまさかの展開!宮野チャンとおだてた『金目チャン誕生日だよアピール作戦』の効果があったのかもしれないと、ちょっと胸熱だったね。
研修旅行の幹事に立候補したのも、もちろん、宮野チャンアシストイベントの展示会デートからなかなか進展しないあの二人を一気に畳みかけるため。旅館の間取り図を見ながら、俺たちは作戦を練りに練った。念のために施工会社に発注しておいた「ハルニレ」と「クスノキ」のドアプレートそっくりのダミーは、思いのほか高くついた(俺の営業トークでなんとかまけてもらえて助かった)。
懇親会中にうまくくっつけられれば良かったんだけど、松山さんが退席してしまったので、慌てた俺たちは急遽強硬手段の『プランB』に切り替えた。
松山さんが風呂に行っている隙に俺は急いで自分の荷物を引き上げた。ついでに、松山さんが部屋に入ったタイミングでドアプレートをこっそり付け替えた。
一方で、女子たちが風呂に入っている間に、宮野チャンが金目チャンと俺のカードキーをすり替え。
で、俺が暴漢のフリして金目チャンを追いかける……これちょっと宮野チャン、ドラマの見すぎだろ!ついおだてられてノリで引き受けたけど、宮野チャン、俺が警察に捕まったらどうするつもりだったんだろ。怖いから聞かないどくけど。
宮野チャンには金目チャンから『交際スタート』報告があったらしいけど、研修旅行後であの2人の様子に変わりがないように見えた。本当に付き合ってんの?って何回か突っ込もうかと思ったくらい。
けどある時、俺、松山さん、金目チャンの3人で打ち合わせをしていたら「なぁ杏里、この図面、、、」って松山さんがホント、うっかりーって感じで下の名前で呼んじゃったんだよね。あの時、松山さんは指で眉間を押さえてうつむいちゃうし、金目チャンは見たこともないほど顔真っ赤にしてたわ。俺は、ほんわかムードに耐え切れず、黙ったまま、いつものお返しで松山さんを軽く拳で小突いた。
俺チョイスのあのカップル(笑)最大の山場は、お互いの家族と『交際の挨拶』をした時の話。
金目チャンの弟クン、松山さんとこの娘チャンが可愛すぎて速攻メロメロになったらしいんだけど、いざあの二人の交際の話題になると、昭和の頑固親父と化してなかなか首を縦に振らなかったらしい。まあそれだけ、弟クンが金目チャンのことを大事に思ってたってことだろうけど。
それで、娘チャンの提案で、松山さんと弟クンが腕相撲で交際OKの決着をつけることになったって。保育園で流行ってるらしい。二人とも本気出してめっちゃいい勝負になったけど、最終的にはなんとか松山さんが勝利して、弟クンが泣きながら2人のことを認めたってことだった。弟クンが心から金目チャンを送り出せるようになれたから良かったけど、久しぶりに腕が筋肉痛でパンパンになったって、後々松山さんが笑いながら話してくれた。ホント見たかったわぁ、そんな面白い展開。
宮野チャンの見立てでは「あの二人ですから、松山さんの娘さんが小学校に上がる再来年の3月のタイミングで結婚、ってところですかねぇ」ってことだった。俺は、金目チャンが奥手そうだからもっと時間がかかるんじゃないかと思っていた。
ところが、俺たちの予想は裏切られた。良い意味で。
二人が付き合いだした11月のあの研修旅行の“次の年の”3月末。松山さんが会社の皆の前で堂々と入籍の報告をした。
ホント今更だけど、松山さんと金目チャン、一緒に並んでいるのがすごく自然でお似合いの2人だった。
突然の発表に皆が驚きつつも惜しみない拍手をする中、宮野チャンは化粧が落ちるのもはばからず本気の嬉し泣きをして金目チャンを慌てさせてたっけ。
なんでそんなにあの二人を応援するのか宮野チャンに聞いたことがある。
「私、この見た目と性格だから、特に女子から妬まれたり敬遠されたり、色々人間関係の構築が大変なんですよぉ。でも、金目先輩は私のこと色眼鏡ナシで最初からニュートラルに接してくれたんです。今までそんな人いなかったので、すごく新鮮でした。社会人になってから友人が出来るって思ってなくて、本当に嬉しかったんです。そういう人に限って、自分のことは後回しなんですよねぇ。幸せになって欲しいに決まってるじゃないですか」と意外にも真面目な答えが返ってきた。
宮野チャンのナイスプレーと、金目チャンをかっさらっていった松山さんの男気に、俺もちょっと感動して危うく泣くとこだった。
もちろん、この2人の結婚パーティーの幹事は、俺と宮野チャンが責任を持って務めさせていただきます!!
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