梟(フクロウ)の山

玉城真紀

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いなくなった梅二

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利一と一緒に山に入った梅二がいつまで経っても帰ってこないのだ。利一だけが夕食前に一人で帰ってきたが、待てども待てども梅二は帰ってこない。心配した父親が、利一と共に灯りを持って山に探しに行く事に。
「私も行く」
心配で仕方がないおいちは、灯りの用意をしている父親に言った。勿論父親は、「夜の山は危ないから家にいなさい」と言い反対したが、家族思いのおいちの事。何を言っても無駄だと思ったのか、最後は渋々一緒に行くことを許してくれた。
母親とあめを家に残し、三人は夜の山に入って行った。
利一を先頭に、父親においちと続いて歩いて行く。
おいちは夜に山に入るのは初めてだった。ひんやりとした空気の中、普段見慣れている木々や草花が異形なものに見えてしまう。
(昼と夜でこんなにも変わるなんて)
梅二を探さなくてはいけないのに、いつの間にか夜の山の中を歩くので精一杯になっていた。
「おい、利一。梅二はどの辺りで取ってたんだ?」
「確か・・・この辺りで別れたんだけど・・・梅二はあっちの方へ行ったな」
「よし。行って見よう」
父親と利一は、梅二が向かって行った方へと歩いて行った。おいちもついて行くが歩いて行くにつれある事に気がつく。
(確かこっちは、秘密の場所がある方・・もしかしてあの子・・・)
おいちは不安になった。
もし、考えている事が正しければきっと梅二は秘密の場所にいる。しかし、その場所は、父親と利一に知られてはいけない。三人だけの秘密なのだから。
二人の後に続きながら、おいちは必死になって考えた。考えた挙句
「あ、あれ?」
「ん?どうしたおいち」
「あ・・あっちの方で灯りが見えたような・・」
「本当か!」
「・・・・・・」
「よし、梅二かも知れん。行って見よう」
おいちは産まれて初めて父親に嘘を言った。
心臓がどきどきする。二人が、おいちの言った事を疑わずに進んで行くのを見て心が痛む。しかし、あの秘密の場所を守るためには仕方がない。
おいちは、別の場所に向かう二人の背中に謝りながら自分は秘密の場所の方へと急いだ。
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