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二人目の死
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「いつもフラフラと散歩してる姿を見るんですが、最近全然見かけないんですよね。気味が悪いですよ。この町から出られないはずだから家にいるか、タイミングが合わないだけかもしれないですけど」
「日引さんはどうしてる?「縄」は燃やせたのかい?」
「それが・・・まだ・・」
水島が悪いわけじゃないのに俺にすまなそうに頭を下げながら言った。
川俣が来て二か月が経った時、またしても起こってしまった。
川俣が死んだのだ。
首吊りではなく服毒自殺だった。昼食を一緒に食べ俺がキッチンでゴミを袋に入れてまとめていた時、突然苦しみだしたのだ。
「おい!川俣!どうした!」
「ぐぶぶぶぶぶ」
川俣は口から白い泡を吹き出し喉をかきむしりながら後ろへ倒れた。呆気なかった。白目をむき動かなくなった川俣を見て俺は急いで家の外に飛び出し奴の姿を探した。
いた。
後藤の歩く後ろ姿が草むらの向こうに見えた。俺は迷わず後藤を追いかける。
「おい!後藤!」
後藤に追いつき肩を勢い良く掴む。
後藤は長い首を盛大に使いこちらを振り向いた。
「ああ。田中さんですか。お久しぶりですね。どうしたんですか?そんなに怖い顔して」
「・・・・・・・」
川俣が死んだ事に関して後藤を追及してやろうと思っていたが、俺はある事に気が付き咄嗟に言葉が出なかった。
「田中さん?どうしました?あそうそう、一緒に住んでいる人はどんな方ですか?今度は男の方だそうですね」
「・・・・ああ」
「田中さんも大変ですね。コロコロと色んな人が自分の家に来たりしたら落ち着かないんじゃないですか?もし大変なら遠慮せずいつでも私に声を掛けてくださいね」
愛想よく言うと後藤は歩いて行ってしまった。
その場に残された俺は、その後藤のある部分を信じられない気持ちで見ていた。暫く動けなかったが、直ぐに水島の家に走って行く。
「おい!水島!」
玄関をノックすることなく勢いよく開け、水島を呼ぶ。水島は吞気に部屋の掃除をしていた。
「ど、どうしたんですか?そんなに興奮して」
俺は水島の近くに行き
「どうしたもこうしたも。また死んじまった!川俣が死んだんだよ!」
「え⁉川俣さんが!首吊りですか!」
「違う。首吊りじゃない。泡吹いて倒れてそのまま死んだ」
「そんな・・・昨日、日引さんの子供達から連絡が入ったんです。「縄」を見つけたと。だからもう大丈夫だと思ったんですが」
「見つかったのか!じゃあ何で川俣は死んだんだ?それに・・・」
「それに?」
「俺、後藤の仕業だと思って急いで家を飛び出して探したんだよ。そうしたらいたんだ。追いかけて後藤の肩を掴んだ・・・・・」
「それでどうしたんです?」
「アイツ・・・アイツの首が前より長くなってた」
「首が・・・」
「ああ。初めて会った時も、首が長い奴だなって思っていたんだが絶対前より長くなっている。一体アイツは何なんだ?」
俺は気味が悪くなってきた。
その後、川俣をそのままにはしておけないのでちひろ同様、水島と佐竹が俺の家から運び出し持って行った。
その夜。俺は早めに布団に入った。すぐに眠ることは出来ないがやる事がない。それに、今まで川俣と一緒に生活し、話好きの奴の話に耳を傾けていた生活に慣れてきていた俺にとって、この静かな夜は寂しさを感じた。
(これで二人目だ。あの後藤が関わっている事は間違いないが。一体どうやってアイツは人を操っているんだろう。ちひろの時は、俺は家を留守にして側にいてやれなかったから分からなかったが、川俣の場合は目と鼻の先に俺はいた。川俣の本体は樹海で服毒自殺をしようとしたところを日引の子供達に止められたのだろうか・・・後藤はどうやってその続きをさせたのか。近くに来ているという事は分かる。近くに来て何をするのか・・)
得体のしれない物に対して、常識的な考えが当てはまらない事も分かっているが考えないではいられない。布団の中であれこれと考えていたが
「よし」
俺は布団から出るとランタンを持って家の外に出た。
(川俣が死んだ時もちひろが死んだ時もアイツは近くにいたはずだ。何かその痕跡でもあれば)
家の周りはある程度草を刈っているので綺麗になっているが、その他は背丈ほどもある草が生い茂っている。俺は家の縁から順に範囲を広げていきながら、地面を這いつくばるようにその痕跡を探し始める。
草はしっとりと冷たい夜露に濡れている。それを踏みしめながらランタンを照らし根気強く探していく。どうやら草を刈った場所には何もないようだ。
次に背丈ほどもある草の中に入り慎重に探していく。夏じゃなくて良かった。俺は虫が苦手なのだ。ガサガサと音をたてながらゆっくりと草をかき分け探す。
何もない。ゴミ一つ落ちていない。
「ふぅ~」
俺は痛む腰を気遣い思い切り伸ばした。
「ん?」
少し離れた所の木の枝に何かがあるのが見える。俺はその木に近づきその何かをランタンで照らした。
「これは・・・」
木の枝にぶらりとソレは垂れさがっていた。
俺は急いで水島の家へと走った。
水島の家からは明かりが漏れていない。もう寝てしまったのか。
鍵のかかっていない玄関を開け中に入ると
「水島!おい水島!」
真っ暗な部屋をランタンの灯りを動かしながら水島を探す。
「ん・・田中さん?」
寝ぼけたような声が部屋の隅から聞こえてきた。
「おい大変だ。分かったぞ!」
「え?何が分かったんです?ちょ、ちょっと待ってください」
ガサゴソと絹連れの音が聞こえたと、ポッとランタンの明かりが点いた。
「見つけたんだ。俺の家の側の木にアレがあった」
「アレ?アレってなんです?」
「蔓に括りつけられたアルミホイルがぶら下がってた」
「アルミホイル?なんでそんな物が?」
「分からん。でも、後藤がそのアルミホイルを使って二人の自殺を続行させた事は間違いない。日引さんに早く連絡を取って、アレを見てもらえばハッキリとしたことが分かるかもしれん」
「そうですね。ただ・・連絡を取りたいのはやまやまなんですが」
「いつもどうやって連絡取ってるんだよ」
「連絡と言うか・・・日引さんの子供達が知らせてくれるんですよ」
「知らせるって、どうやって?」
水島は引き出しから何かを取り出すと、テーブルにばらばらと置いた。見るとそれはドングリだった。
「何だこれ?ドングリ?これが連絡と何か関係あるのか?」
「はい。烏がこのドングリを家の屋根に落とすんです。その落とした音の回数で日引さんが来るか、何があったのかを知ることが出来るんです」
「原始的な方法だな。しかし、烏までも言う事を聞くのか。日引さんって何者なんだ?」
「霊能者ですよ」
「霊能者?俺はその辺りは良く知らないが霊能者って言うのは何でもできるんだな」
「何でもは出来ないみたいですよ。それに・・・結構あの人怖いんですから」
「そうなのか?」
「はい。前に用事があって自宅に伺った時「人の家に来るのに手ぶらで来る奴があるか!気を効かせて大福でも買ってきな」なんて怒鳴られたのには驚きましたよ」
ため息を付きながら話す水島を見て少し気の毒に思った。
「そうか・・・お前も大変なんだな・・お互い色々あるよな・・・って、違う違う!そんな事じゃないんだよ。という事はだ。その烏が日引さんの子供達って言う事か?」
「そうです。烏の行動力は凄いですよ。陸と空、両方移動できますし頭もいいですからね」
「じゃあ・・・ドングリ待ちか」
「でも、「縄」が見つかったという連絡があったばかりですからもうそろそろ次の連絡があると思いますよ」
「そうか」
何とも気が長い話である。これじゃあ、何人の人達が後藤の犠牲になるか分からない。他に連絡を取る手段はないものか。
「日引さんはどうしてる?「縄」は燃やせたのかい?」
「それが・・・まだ・・」
水島が悪いわけじゃないのに俺にすまなそうに頭を下げながら言った。
川俣が来て二か月が経った時、またしても起こってしまった。
川俣が死んだのだ。
首吊りではなく服毒自殺だった。昼食を一緒に食べ俺がキッチンでゴミを袋に入れてまとめていた時、突然苦しみだしたのだ。
「おい!川俣!どうした!」
「ぐぶぶぶぶぶ」
川俣は口から白い泡を吹き出し喉をかきむしりながら後ろへ倒れた。呆気なかった。白目をむき動かなくなった川俣を見て俺は急いで家の外に飛び出し奴の姿を探した。
いた。
後藤の歩く後ろ姿が草むらの向こうに見えた。俺は迷わず後藤を追いかける。
「おい!後藤!」
後藤に追いつき肩を勢い良く掴む。
後藤は長い首を盛大に使いこちらを振り向いた。
「ああ。田中さんですか。お久しぶりですね。どうしたんですか?そんなに怖い顔して」
「・・・・・・・」
川俣が死んだ事に関して後藤を追及してやろうと思っていたが、俺はある事に気が付き咄嗟に言葉が出なかった。
「田中さん?どうしました?あそうそう、一緒に住んでいる人はどんな方ですか?今度は男の方だそうですね」
「・・・・ああ」
「田中さんも大変ですね。コロコロと色んな人が自分の家に来たりしたら落ち着かないんじゃないですか?もし大変なら遠慮せずいつでも私に声を掛けてくださいね」
愛想よく言うと後藤は歩いて行ってしまった。
その場に残された俺は、その後藤のある部分を信じられない気持ちで見ていた。暫く動けなかったが、直ぐに水島の家に走って行く。
「おい!水島!」
玄関をノックすることなく勢いよく開け、水島を呼ぶ。水島は吞気に部屋の掃除をしていた。
「ど、どうしたんですか?そんなに興奮して」
俺は水島の近くに行き
「どうしたもこうしたも。また死んじまった!川俣が死んだんだよ!」
「え⁉川俣さんが!首吊りですか!」
「違う。首吊りじゃない。泡吹いて倒れてそのまま死んだ」
「そんな・・・昨日、日引さんの子供達から連絡が入ったんです。「縄」を見つけたと。だからもう大丈夫だと思ったんですが」
「見つかったのか!じゃあ何で川俣は死んだんだ?それに・・・」
「それに?」
「俺、後藤の仕業だと思って急いで家を飛び出して探したんだよ。そうしたらいたんだ。追いかけて後藤の肩を掴んだ・・・・・」
「それでどうしたんです?」
「アイツ・・・アイツの首が前より長くなってた」
「首が・・・」
「ああ。初めて会った時も、首が長い奴だなって思っていたんだが絶対前より長くなっている。一体アイツは何なんだ?」
俺は気味が悪くなってきた。
その後、川俣をそのままにはしておけないのでちひろ同様、水島と佐竹が俺の家から運び出し持って行った。
その夜。俺は早めに布団に入った。すぐに眠ることは出来ないがやる事がない。それに、今まで川俣と一緒に生活し、話好きの奴の話に耳を傾けていた生活に慣れてきていた俺にとって、この静かな夜は寂しさを感じた。
(これで二人目だ。あの後藤が関わっている事は間違いないが。一体どうやってアイツは人を操っているんだろう。ちひろの時は、俺は家を留守にして側にいてやれなかったから分からなかったが、川俣の場合は目と鼻の先に俺はいた。川俣の本体は樹海で服毒自殺をしようとしたところを日引の子供達に止められたのだろうか・・・後藤はどうやってその続きをさせたのか。近くに来ているという事は分かる。近くに来て何をするのか・・)
得体のしれない物に対して、常識的な考えが当てはまらない事も分かっているが考えないではいられない。布団の中であれこれと考えていたが
「よし」
俺は布団から出るとランタンを持って家の外に出た。
(川俣が死んだ時もちひろが死んだ時もアイツは近くにいたはずだ。何かその痕跡でもあれば)
家の周りはある程度草を刈っているので綺麗になっているが、その他は背丈ほどもある草が生い茂っている。俺は家の縁から順に範囲を広げていきながら、地面を這いつくばるようにその痕跡を探し始める。
草はしっとりと冷たい夜露に濡れている。それを踏みしめながらランタンを照らし根気強く探していく。どうやら草を刈った場所には何もないようだ。
次に背丈ほどもある草の中に入り慎重に探していく。夏じゃなくて良かった。俺は虫が苦手なのだ。ガサガサと音をたてながらゆっくりと草をかき分け探す。
何もない。ゴミ一つ落ちていない。
「ふぅ~」
俺は痛む腰を気遣い思い切り伸ばした。
「ん?」
少し離れた所の木の枝に何かがあるのが見える。俺はその木に近づきその何かをランタンで照らした。
「これは・・・」
木の枝にぶらりとソレは垂れさがっていた。
俺は急いで水島の家へと走った。
水島の家からは明かりが漏れていない。もう寝てしまったのか。
鍵のかかっていない玄関を開け中に入ると
「水島!おい水島!」
真っ暗な部屋をランタンの灯りを動かしながら水島を探す。
「ん・・田中さん?」
寝ぼけたような声が部屋の隅から聞こえてきた。
「おい大変だ。分かったぞ!」
「え?何が分かったんです?ちょ、ちょっと待ってください」
ガサゴソと絹連れの音が聞こえたと、ポッとランタンの明かりが点いた。
「見つけたんだ。俺の家の側の木にアレがあった」
「アレ?アレってなんです?」
「蔓に括りつけられたアルミホイルがぶら下がってた」
「アルミホイル?なんでそんな物が?」
「分からん。でも、後藤がそのアルミホイルを使って二人の自殺を続行させた事は間違いない。日引さんに早く連絡を取って、アレを見てもらえばハッキリとしたことが分かるかもしれん」
「そうですね。ただ・・連絡を取りたいのはやまやまなんですが」
「いつもどうやって連絡取ってるんだよ」
「連絡と言うか・・・日引さんの子供達が知らせてくれるんですよ」
「知らせるって、どうやって?」
水島は引き出しから何かを取り出すと、テーブルにばらばらと置いた。見るとそれはドングリだった。
「何だこれ?ドングリ?これが連絡と何か関係あるのか?」
「はい。烏がこのドングリを家の屋根に落とすんです。その落とした音の回数で日引さんが来るか、何があったのかを知ることが出来るんです」
「原始的な方法だな。しかし、烏までも言う事を聞くのか。日引さんって何者なんだ?」
「霊能者ですよ」
「霊能者?俺はその辺りは良く知らないが霊能者って言うのは何でもできるんだな」
「何でもは出来ないみたいですよ。それに・・・結構あの人怖いんですから」
「そうなのか?」
「はい。前に用事があって自宅に伺った時「人の家に来るのに手ぶらで来る奴があるか!気を効かせて大福でも買ってきな」なんて怒鳴られたのには驚きましたよ」
ため息を付きながら話す水島を見て少し気の毒に思った。
「そうか・・・お前も大変なんだな・・お互い色々あるよな・・・って、違う違う!そんな事じゃないんだよ。という事はだ。その烏が日引さんの子供達って言う事か?」
「そうです。烏の行動力は凄いですよ。陸と空、両方移動できますし頭もいいですからね」
「じゃあ・・・ドングリ待ちか」
「でも、「縄」が見つかったという連絡があったばかりですからもうそろそろ次の連絡があると思いますよ」
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