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それぞれの始まり
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「ついに死んだか」
病院の地下にある遺体安置室。電気はついているのに暗く寒々しく感じる部屋で、俺は目の前で横たわるお袋の顔を見ながら呟いた。人が亡くなったのに、そんな風に思う人は少ないだろう。ましてや死んだのが自分の親なのに。
お袋は事故で死んだ。
車を運転していて前の車を追い越した時に、ハンドル操作を誤ったのか反対車線に飛び出し木にぶつかって死んだのだ。巻き込まれた人がいなかったのが救いだった。88歳での運転自体危険のような気がするが、それ以上に危険なのはお袋という人間だ。
かなり短気な性格で何に対してもすぐにかっとなる性格だった。
野菜が高ければスーパーの店員に文句を言う。隣の家の木の葉が少しでもうちの庭に入ってくれば文句を言う。車の運転をすれば目的地までずっと文句を言う。とにかく、あのお袋が笑ったり、優しいことを言っているのを小さい頃から見た事がない。
事故の連絡は、警察から昼頃仕事先にあった。初めは驚き心配なったが、病院に向かっている間にそんな気持ちもなくなっていた。病院に着いた時、意識はなかったがまだ死んではいなかった。
「なんだ。まだ死んでないのか」
医者の説明を聞いた後、周りに誰もいないのを確認して俺はボソッと呟いた。
手術室で医者が懸命に処置をしているらしいが、俺としてはどのくらいで終わるのかと、急いでもいないのに時間を気にしていた。
仕方なく自販機やテーブル、椅子があるフロアに行った。そのフロアには、ぼんやりと外を眺めている入院患者や、やたら香水の匂いがきつい派手なおばさんが、大きな果物かごを入院している人に渡してたり、それぞれが自由に利用していた。俺は、そんな人たちを眺めながら手術が終わるのを待っていた。
暫くすると、看護師が医者の説明があるという事で呼びに来た。
看護師の後について行くと、第二診察室と書かれた部屋に通された。中では医者が難しい顔して椅子に座っている。
「残念ですが」
とお袋が死んだという事を知らされ体の状況説明を受ける。医者の説明が終わり、お袋の遺体が一旦霊安室の方に移される。俺は、この後どうするのか分からなかったが、取り敢えず斎場の方に連絡をした。遺体を取りに来るという事なので、お袋がいる霊安室の方へ向かった。寒々しい部屋でお袋の遺体を前にこれからの事を考えていた。
俺は結婚はしておらず彼女もいない。お袋と二人暮らし。親父は俺が小さい頃に死んだ。これまで、女手一つで育ててくれたお袋に感謝しなくちゃいけないのだろうが、不思議と何の感情も湧いてこなかった。それで出てきた言葉が「ついに死んだか」である。
自嘲気味にフッと笑いが出た。
「失礼します」
と、黒いスーツを着た男が入ってきた。斎場の人だろう。挨拶が終わると手際よく遺体を運ぶ。その後、通夜、告別式と行わなくてはいけないが、親父は死んでいるし兄弟もいない。という事は、俺が喪主になってやらなくてはいけない。面倒だったが親戚はいるので一応連絡をした。しかし連絡を受けた親戚は、俺の予想通り
「そう亡くなったの」
それだけのそっけない返事ばかりだった。ひどいのになると、名前を言っただけで電話を切られた。お袋がどれだけ嫌われていたのかが分かる。
そして通夜当日、これまた俺の予想通り、親戚、隣人、友達、誰一人来なかった。
斎場の人はすごく驚いていた。だがこれでやるしかない。
坊さんと俺一人の通夜と告別式が始まる。
ここまで人に嫌われる人間っているんだな。坊さんのお経を聞きながら改めて思った。焼香も俺一人なので、多分日本で一番早い通夜、告別式だったんじゃないかと思う。
しかし、ここまでスムーズにいってたものが、火葬場で問題が起きる。
火葬炉に入れ焼け終わるのを部屋で一人待っていた時、火葬場の職員が来た。
「申し訳ありません。もう少しお時間がかかるのですが・・・・・・」
「ああいいですよ」
特にその時は深く考えなかった。
しかし、その後1時間経った頃にもう一度同じ職員が来た。凄く恐縮した様子で、
「申し訳ありません。少しトラブルがあったようでまだ、時間がかかるみたいでして」
「トラブル?」
「はあ。なんでも、火葬炉の調子が悪いとか・・・・・・」
「そうですか」
「本当に申し訳ございません。もう少しお待ちください」
「・・・・・・わかりました」
文句を言っても仕方がない。
また、一人になりタバコをふかしながら
「ったく。さっさと終わらないかな」
と呟いた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「もう!なんだってとろとろ走ってるんだろうね!」
私は、イライラしながらハンドルを握っていた。後ろから見えるシルエットから判断すると前の車は女が運転する車だと分かる。
「これだから年寄りは嫌なんだよ!」
自分も年寄りのくせに、年寄りかどうかも分からない女に悪態をつく。前のめりにハンドルを握りながら、私はイライラがピークに来ていた。
「ここは50キロだよ!なんで40キロで走ってるんだい!10キロも遅い」
私は前の車を抜こうと決めた。
これがいけなかった。
前の車を抜いた時、運転手を見てやろうと思い睨みつけたまでは良かったが、顔を前に戻した時、自分の車の前に猫が飛び出してきたのだ。それを慌てて避けたらそのまま・・・・・・
「ん?ここはどこだい?」
私は暗い所に寝ていた。起き上がり周りを見渡してみても灯り一つない。
「なんだいここは。真っ暗だよ。ったく」
真っ暗な事にイライラしながら、私は闇雲に歩き出した。いずれどこかに出ると思ったのだ。すると、遠くの方に小さな小さな灯りがあるのに気がついた。
「なんだい、あそこが出口なんだね。大分遠いね。面倒くさい!」
ブツブツ言いながら、その明かりに向かって歩いていく。徐々にその明かりは大きくなりその中に私は入っていった。一瞬、目がくらんだが薄目を開けて周りを確認する。
「なんだい?!」
自分の見ているものが信じられなかった。空だ。後ろを振り返ると、丸く暗い穴のようなものがある。私は空に浮いていた。よく見ると、丸くて暗い穴は煙突のようなものだと分かった。頭上には青い空、ぽかりぽかりと雲が浮いてゆっくりと動いている。
「どういうことだい・・・・・・」
自分自身を見ると、黒のニットに黄色いズボンだ。さっきまで来てた服。しかし、靴は履いておらず裸足である。
「靴はどこ行ったんだい!あれ結構高かったのに」
年金を少しづつためながら買ったお気に入りの靴だったので、自分が履いていないことにショックを受けた。
「靴を探さなきゃいけないね」
私は、自分の状況よりも靴の事で頭がいっぱいになり、自分の家に向かって飛んで行った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「大変お待たせしまして申し訳ございません」
ようやく終わったらしい。さっき来た職員が申し訳なさそうに部屋に入りペコペコ頭を下げながら言った。
「終わったんですね」
「はい。ご案内いたしますのでこちらへ」
俺は、その職員と二人で火葬炉へと向かった。今日は俺だけなのか建物の中はしんと静まり返っている。
案内された火葬炉の場所では、燃えて骨になったお袋が寝ている形で横たわっていた。
「失礼します」
と案内してくれた男は丁寧にお辞儀をすると部屋から出て行った。骨になったお袋がいる台の隣には、別の職員が一人姿勢よく立っており
「お待たせしました。では、骨上げにはいります。よろしくお願いします」
と恭しく頭を下げたので、俺も慌てて頭を下げた。職員は、一つ一つの骨の部位を説明していく。俺にとってはどうでもいいことだったが、俺一人しかいないので仕方なく相槌を打ちながら聞く。その後、通常なら、二人で長い箸を持ち同じ骨を骨壺に入れなくてはいけないが、俺一人なので、まるで罰ゲームのように数多い骨を箸で骨壺に入れていった。
ようやく最後の一つになった時、俺は聞いた。
「確か、これ喉仏ですよね」
「ええそうです。それは真ん中に来るように入れてください」
仏様の形に見えるので喉仏というという事は知っていたが、見るのは初めてだった。成る程、仏様が座っているように見えなくもない。俺が喉仏を骨壺にいれようとした時
「ここまで綺麗な形で喉仏が残っている方は珍しいですよ。高齢の方の骨は少ししか残らないものですし、現に他の骨は少ないですからね」
と職員は言った。
(ふ~ん)
こういう事に詳しくない俺は適当に相槌を打ちながら骨壺に納めた。
その後は墓に納骨をしなくてはいけないが、うちには墓も仏壇もない。父親が死んだ時はお袋が父親の実家の方に骨を持って行き、親父の身内の許可なくそこの墓に無理やり入れてしまったらしい。位牌も墓の隣に置いてきたと言うからこの母親の性格がわかるだろう。
後日、俺は父の実家の方からの怒りの電話の応対に辟易する。本当なら、長男の俺が墓を建てるのだろうがまだ先の事と思っていたので建てていなかった。
坊さんにも墓への納骨の説明を受けていたが、墓がないので早急に用意してからお願いするという事で、納得してもらった。
「やっと終わった」
俺は、骨壺を持ち車に乗り込むと火葬場を出た。
病院の地下にある遺体安置室。電気はついているのに暗く寒々しく感じる部屋で、俺は目の前で横たわるお袋の顔を見ながら呟いた。人が亡くなったのに、そんな風に思う人は少ないだろう。ましてや死んだのが自分の親なのに。
お袋は事故で死んだ。
車を運転していて前の車を追い越した時に、ハンドル操作を誤ったのか反対車線に飛び出し木にぶつかって死んだのだ。巻き込まれた人がいなかったのが救いだった。88歳での運転自体危険のような気がするが、それ以上に危険なのはお袋という人間だ。
かなり短気な性格で何に対してもすぐにかっとなる性格だった。
野菜が高ければスーパーの店員に文句を言う。隣の家の木の葉が少しでもうちの庭に入ってくれば文句を言う。車の運転をすれば目的地までずっと文句を言う。とにかく、あのお袋が笑ったり、優しいことを言っているのを小さい頃から見た事がない。
事故の連絡は、警察から昼頃仕事先にあった。初めは驚き心配なったが、病院に向かっている間にそんな気持ちもなくなっていた。病院に着いた時、意識はなかったがまだ死んではいなかった。
「なんだ。まだ死んでないのか」
医者の説明を聞いた後、周りに誰もいないのを確認して俺はボソッと呟いた。
手術室で医者が懸命に処置をしているらしいが、俺としてはどのくらいで終わるのかと、急いでもいないのに時間を気にしていた。
仕方なく自販機やテーブル、椅子があるフロアに行った。そのフロアには、ぼんやりと外を眺めている入院患者や、やたら香水の匂いがきつい派手なおばさんが、大きな果物かごを入院している人に渡してたり、それぞれが自由に利用していた。俺は、そんな人たちを眺めながら手術が終わるのを待っていた。
暫くすると、看護師が医者の説明があるという事で呼びに来た。
看護師の後について行くと、第二診察室と書かれた部屋に通された。中では医者が難しい顔して椅子に座っている。
「残念ですが」
とお袋が死んだという事を知らされ体の状況説明を受ける。医者の説明が終わり、お袋の遺体が一旦霊安室の方に移される。俺は、この後どうするのか分からなかったが、取り敢えず斎場の方に連絡をした。遺体を取りに来るという事なので、お袋がいる霊安室の方へ向かった。寒々しい部屋でお袋の遺体を前にこれからの事を考えていた。
俺は結婚はしておらず彼女もいない。お袋と二人暮らし。親父は俺が小さい頃に死んだ。これまで、女手一つで育ててくれたお袋に感謝しなくちゃいけないのだろうが、不思議と何の感情も湧いてこなかった。それで出てきた言葉が「ついに死んだか」である。
自嘲気味にフッと笑いが出た。
「失礼します」
と、黒いスーツを着た男が入ってきた。斎場の人だろう。挨拶が終わると手際よく遺体を運ぶ。その後、通夜、告別式と行わなくてはいけないが、親父は死んでいるし兄弟もいない。という事は、俺が喪主になってやらなくてはいけない。面倒だったが親戚はいるので一応連絡をした。しかし連絡を受けた親戚は、俺の予想通り
「そう亡くなったの」
それだけのそっけない返事ばかりだった。ひどいのになると、名前を言っただけで電話を切られた。お袋がどれだけ嫌われていたのかが分かる。
そして通夜当日、これまた俺の予想通り、親戚、隣人、友達、誰一人来なかった。
斎場の人はすごく驚いていた。だがこれでやるしかない。
坊さんと俺一人の通夜と告別式が始まる。
ここまで人に嫌われる人間っているんだな。坊さんのお経を聞きながら改めて思った。焼香も俺一人なので、多分日本で一番早い通夜、告別式だったんじゃないかと思う。
しかし、ここまでスムーズにいってたものが、火葬場で問題が起きる。
火葬炉に入れ焼け終わるのを部屋で一人待っていた時、火葬場の職員が来た。
「申し訳ありません。もう少しお時間がかかるのですが・・・・・・」
「ああいいですよ」
特にその時は深く考えなかった。
しかし、その後1時間経った頃にもう一度同じ職員が来た。凄く恐縮した様子で、
「申し訳ありません。少しトラブルがあったようでまだ、時間がかかるみたいでして」
「トラブル?」
「はあ。なんでも、火葬炉の調子が悪いとか・・・・・・」
「そうですか」
「本当に申し訳ございません。もう少しお待ちください」
「・・・・・・わかりました」
文句を言っても仕方がない。
また、一人になりタバコをふかしながら
「ったく。さっさと終わらないかな」
と呟いた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「もう!なんだってとろとろ走ってるんだろうね!」
私は、イライラしながらハンドルを握っていた。後ろから見えるシルエットから判断すると前の車は女が運転する車だと分かる。
「これだから年寄りは嫌なんだよ!」
自分も年寄りのくせに、年寄りかどうかも分からない女に悪態をつく。前のめりにハンドルを握りながら、私はイライラがピークに来ていた。
「ここは50キロだよ!なんで40キロで走ってるんだい!10キロも遅い」
私は前の車を抜こうと決めた。
これがいけなかった。
前の車を抜いた時、運転手を見てやろうと思い睨みつけたまでは良かったが、顔を前に戻した時、自分の車の前に猫が飛び出してきたのだ。それを慌てて避けたらそのまま・・・・・・
「ん?ここはどこだい?」
私は暗い所に寝ていた。起き上がり周りを見渡してみても灯り一つない。
「なんだいここは。真っ暗だよ。ったく」
真っ暗な事にイライラしながら、私は闇雲に歩き出した。いずれどこかに出ると思ったのだ。すると、遠くの方に小さな小さな灯りがあるのに気がついた。
「なんだい、あそこが出口なんだね。大分遠いね。面倒くさい!」
ブツブツ言いながら、その明かりに向かって歩いていく。徐々にその明かりは大きくなりその中に私は入っていった。一瞬、目がくらんだが薄目を開けて周りを確認する。
「なんだい?!」
自分の見ているものが信じられなかった。空だ。後ろを振り返ると、丸く暗い穴のようなものがある。私は空に浮いていた。よく見ると、丸くて暗い穴は煙突のようなものだと分かった。頭上には青い空、ぽかりぽかりと雲が浮いてゆっくりと動いている。
「どういうことだい・・・・・・」
自分自身を見ると、黒のニットに黄色いズボンだ。さっきまで来てた服。しかし、靴は履いておらず裸足である。
「靴はどこ行ったんだい!あれ結構高かったのに」
年金を少しづつためながら買ったお気に入りの靴だったので、自分が履いていないことにショックを受けた。
「靴を探さなきゃいけないね」
私は、自分の状況よりも靴の事で頭がいっぱいになり、自分の家に向かって飛んで行った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「大変お待たせしまして申し訳ございません」
ようやく終わったらしい。さっき来た職員が申し訳なさそうに部屋に入りペコペコ頭を下げながら言った。
「終わったんですね」
「はい。ご案内いたしますのでこちらへ」
俺は、その職員と二人で火葬炉へと向かった。今日は俺だけなのか建物の中はしんと静まり返っている。
案内された火葬炉の場所では、燃えて骨になったお袋が寝ている形で横たわっていた。
「失礼します」
と案内してくれた男は丁寧にお辞儀をすると部屋から出て行った。骨になったお袋がいる台の隣には、別の職員が一人姿勢よく立っており
「お待たせしました。では、骨上げにはいります。よろしくお願いします」
と恭しく頭を下げたので、俺も慌てて頭を下げた。職員は、一つ一つの骨の部位を説明していく。俺にとってはどうでもいいことだったが、俺一人しかいないので仕方なく相槌を打ちながら聞く。その後、通常なら、二人で長い箸を持ち同じ骨を骨壺に入れなくてはいけないが、俺一人なので、まるで罰ゲームのように数多い骨を箸で骨壺に入れていった。
ようやく最後の一つになった時、俺は聞いた。
「確か、これ喉仏ですよね」
「ええそうです。それは真ん中に来るように入れてください」
仏様の形に見えるので喉仏というという事は知っていたが、見るのは初めてだった。成る程、仏様が座っているように見えなくもない。俺が喉仏を骨壺にいれようとした時
「ここまで綺麗な形で喉仏が残っている方は珍しいですよ。高齢の方の骨は少ししか残らないものですし、現に他の骨は少ないですからね」
と職員は言った。
(ふ~ん)
こういう事に詳しくない俺は適当に相槌を打ちながら骨壺に納めた。
その後は墓に納骨をしなくてはいけないが、うちには墓も仏壇もない。父親が死んだ時はお袋が父親の実家の方に骨を持って行き、親父の身内の許可なくそこの墓に無理やり入れてしまったらしい。位牌も墓の隣に置いてきたと言うからこの母親の性格がわかるだろう。
後日、俺は父の実家の方からの怒りの電話の応対に辟易する。本当なら、長男の俺が墓を建てるのだろうがまだ先の事と思っていたので建てていなかった。
坊さんにも墓への納骨の説明を受けていたが、墓がないので早急に用意してからお願いするという事で、納得してもらった。
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