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4章
サイドストーリー
ヘンリーから見たソフォラ、そして葛藤
「遠いところから来てくれてありがとう、ヘンリー。我が家のお菓子、とっても美味しいんだ。食べてみて」
あれほど逃げたいと言っていた場所を、“我が家”――帰る場所として受け入れていることに、ヘンリーは驚いた。
同時に、その変化が嬉しくてたまらなかった。
「うん、美味しい。ソフォラが好きなの、わかるかも」
味もそうだが、それ以上に、この屋敷に満ちる温もりが心地いいのだと、すぐに理解した。
(良かったな、ソフォラ)
「ふふ、喜んでもらえてよかった」
頬を染めて笑うソフォラから、どうしても目が離せない。
(この顔が見たくて、急いだんだ)
―――
ウァーマス辺境伯邸へ来るまで、ヘンリーは荒れに荒れていた。
ソフォラたちを見送った直後、父エバに食い下がった。
「父様、ソフォラが会いに来てくれって言ってくれたんです! 早く手紙を出してください!」
「えー!? 今見送ったばかりだよ!? ほら、まだ馬車見えるじゃん!」
遠ざかる馬車を指さされても、ヘンリーは引かなかった。
「ソフォラに頼まれたんです! 届いた頃に読めるように出せば、すぐに行けるじゃないですか!」
強く言い募るが、エバは首を縦に振らない。
「会ったばかりだからね。向こうも落ち着いていないだろうし……来月にしよう」
軽く肩を叩かれ、そのまま戻られてしまった。
(連れて行ってくれないなら――一人で行けるようになればいい)
それからのヘンリーは、授業と稽古以外の時間をすべて裏山で過ごした。
ブラインドリー公爵領から辺境伯領までは一日弱。
その間には魔獣も野盗もいる。
――無事に辿り着くために。
「ミーティア!」
速度魔法の精度を上げ、山を一周するまでの時間を縮める。
さらに、魔獣に対抗するため攻撃・防御魔法も鍛えた。
危険と分かっていながら魔獣の生息域へ踏み込み、小型の個体から倒していく。
「レイド・ザ・ヘブン!」
やがて、あの時ソフォラを襲ったワーウルフすら倒せるようになった。
――その頃にはもう、止められないところまで来ていた。
そんな中、エバがようやく手紙を出すと言った。
だが出発は数日後。
それを聞いた瞬間、ヘンリーの中で何かが弾けた。
無意識に雷が落ち、裏山へと駆け込む。
魔獣を倒し、魔石を取り出していると――
「うわー……マジかー」
呆れた声とともにエバが現れた。
「……何しに来たんですか」
睨みつけるヘンリーに、エバは苦笑する。
「討伐隊から泣きつかれてね。魔獣は減ったけど、山が焼け野原になるって」
焼け焦げた草を摘み、肩を落とす。
「それにこの道……一周できるようになってるし。速度魔法、どれだけ使ったの?」
ため息混じりの問いに、ヘンリーは迷わず頷いた。
「一人で行けるように、準備してました」
しばしの沈黙のあと、エバが顔を上げる。
「……じゃあ、勝負しようか」
「勝てたら今日出発。負けたら諦める。いいね?」
ヘンリーは力強く頷いた。
「今の発言、撤回はなしですよ。約束として受け取りましたから」
「いや本当に、どこでそんな言葉覚えたの……」
苦笑しつつ、エバは距離を取る。
戦いは、すぐに始まった。
地を蹴った瞬間、ヘンリーの姿が掻き消える。
一直線に距離を詰め、迷いなく木刀を叩き込む。
「――ルミナス・ウォール」
澄んだ声と同時に、光の障壁が展開された。
鈍い衝撃が弾ける。
だが――砕けない。
(やっぱり硬い……!)
エバの魔法は圧倒的だ。
同じ光属性でも、長年鍛え上げられたそれは厚みが違う。
「いいね、その速さ。詠唱なしでそこまで使えるようになったんだ」
軽く言いながらも、エバの障壁はびくともしない。
ヘンリーは一度距離を取り、すぐに踏み込む。
再び加速。
今度は角度を変え、連続で打ち込む。
だが結果は同じ。
すべて、光の壁に阻まれる。
(足りない……)
歯を食いしばる。
技術では通じない。
なら――
(魔力量で押し切る)
ヘンリーの魔力は、エバよりも“量”だけなら上だ。
薄いハニーブロンドの髪が、それを証明している。
空気が変わった。
「……ちょっと待って、ヘンリー何する気?本気のやつでしょ?」
エバの声に、僅かな焦りが混じる。
構わず、ヘンリーは魔力を引き上げる。
「レイド・ザ・ヘブン!!」
空に光が集束し、雷が形を成す。
轟音と共に、雷が叩き落とされた。
「ルミナス・ウォール!!」
咄嗟に強化された障壁が受け止める。
だが――
軋む。
ひびが走る。
(押せる……!)
さらに魔力を注ぎ込む。
落雷が重なり、光が爆ぜる。
「ちょ、待ってヘンリー! 魔力量おかしいって!」
エバの声が悲鳴に変わる。
障壁が、耐えきれず――砕けた。
閃光が地面を抉り、衝撃が周囲を薙ぎ払う。
煙が晴れた時、そこに立っていたのは――肩で息をするエバだった。
「……降参! このままじゃ山が消える!」
その一言で決着がついた。
――そうして、ようやく来られたのだ。
なのに。
ただ見ていただけで、ティペスに睨まれた。
(……結婚するまでに、あの人より強くならないと)
――――
「もしよかったら……僕の部屋に来ない?」
その一言で、思考が止まった。
(え……いいのか!?)
嬉しさと戸惑いが一気に押し寄せる。
(でもソフォラが見せたがってるし……俺も見たいし……いやでも――)
顔が一気に熱くなる。
「ヘンリー……大丈夫?」
「だ、大丈夫!! 行こう!」
慌てて立ち上がり、膝をぶつけながらも誤魔化した。
――部屋に入った瞬間、息を呑む。
落ち着いた色合い。整えられた家具。
そして――ベッド。
(……ここで、寝てるのか)
一気に顔が熱くなる。
(いや違う! 変な意味じゃない!!)
「……どこか変かな?」
「だ、大丈夫!」
必死に平静を装う。
――そして最大の問題。
座る場所。
視線がふらふらと彷徨う。ソフォラの隣、空いたスペース。そこに座る自分を想像して
(無理だろ、落ち着けるわけがない)
ぐっと拳を握る。
「ヘンリー、座らないの?」
不思議そうに見上げられ、心臓が大きく跳ねた。
「へっ!? ……え、えっと、座る! 座る!!」
そう言ったものの、足は一歩も動かない。
(どっちだ……いや普通は向かいだろ……でも……)
再びソファとソフォラを見比べる。
「旦那様もティペス様も、しばらくは来ませんよー」
その一言に、サンセベリアとスピノーサの拳がアデニウムの頭に落ちる。
だが――
(来ない……のか)
ピタリ、とヘンリーの動きが止まった。
数秒の沈黙。
そして、ぐっと何かを決めたように顔を上げる。
「――よし」
勢いよく歩き出し、そのまま迷いなくソフォラの隣へ座った。
(……来てしまった)
内心はぐちゃぐちゃなのに、表情だけ取り繕う。
――それでも。
ソフォラが嬉しそうに話してくれるだけで、全部どうでもよくなった。
(……こうして、また会える理由が欲しい)
「じゃあ、今度俺が摘んでこようか?」
花の話を聞きながら、自然に口実を作る。
絵を受け取り、じっと見る。
(……これ、花か?)
正直、分からない。
でも。
不安そうにこちらを見るソフォラを見て――
「……わかった。任せろ」
「いや、絶対わかってないじゃん」
即座にツッコミが入る。
同時に、アデニウムの頭に拳が落ちた。
ーーー
帰りの馬車の中で、ヘンリーは父エバに告げた。
「ソフォラに頼まれたことがあるので、来週も会いに行きます」
「えぇえええ!?」
すでに疲れた顔をしているエバが、さらに声を上げる。
その反応に構わず、ヘンリーは畳みかけた。
「それと、婚約式も行いますので、日取りや場所については辺境伯様とご相談ください」
にこやかな笑顔で言い切る。
エバは何か言い返そうと口を開き――そのまま頭を抱えた。
「遠いところから来てくれてありがとう、ヘンリー。我が家のお菓子、とっても美味しいんだ。食べてみて」
あれほど逃げたいと言っていた場所を、“我が家”――帰る場所として受け入れていることに、ヘンリーは驚いた。
同時に、その変化が嬉しくてたまらなかった。
「うん、美味しい。ソフォラが好きなの、わかるかも」
味もそうだが、それ以上に、この屋敷に満ちる温もりが心地いいのだと、すぐに理解した。
(良かったな、ソフォラ)
「ふふ、喜んでもらえてよかった」
頬を染めて笑うソフォラから、どうしても目が離せない。
(この顔が見たくて、急いだんだ)
―――
ウァーマス辺境伯邸へ来るまで、ヘンリーは荒れに荒れていた。
ソフォラたちを見送った直後、父エバに食い下がった。
「父様、ソフォラが会いに来てくれって言ってくれたんです! 早く手紙を出してください!」
「えー!? 今見送ったばかりだよ!? ほら、まだ馬車見えるじゃん!」
遠ざかる馬車を指さされても、ヘンリーは引かなかった。
「ソフォラに頼まれたんです! 届いた頃に読めるように出せば、すぐに行けるじゃないですか!」
強く言い募るが、エバは首を縦に振らない。
「会ったばかりだからね。向こうも落ち着いていないだろうし……来月にしよう」
軽く肩を叩かれ、そのまま戻られてしまった。
(連れて行ってくれないなら――一人で行けるようになればいい)
それからのヘンリーは、授業と稽古以外の時間をすべて裏山で過ごした。
ブラインドリー公爵領から辺境伯領までは一日弱。
その間には魔獣も野盗もいる。
――無事に辿り着くために。
「ミーティア!」
速度魔法の精度を上げ、山を一周するまでの時間を縮める。
さらに、魔獣に対抗するため攻撃・防御魔法も鍛えた。
危険と分かっていながら魔獣の生息域へ踏み込み、小型の個体から倒していく。
「レイド・ザ・ヘブン!」
やがて、あの時ソフォラを襲ったワーウルフすら倒せるようになった。
――その頃にはもう、止められないところまで来ていた。
そんな中、エバがようやく手紙を出すと言った。
だが出発は数日後。
それを聞いた瞬間、ヘンリーの中で何かが弾けた。
無意識に雷が落ち、裏山へと駆け込む。
魔獣を倒し、魔石を取り出していると――
「うわー……マジかー」
呆れた声とともにエバが現れた。
「……何しに来たんですか」
睨みつけるヘンリーに、エバは苦笑する。
「討伐隊から泣きつかれてね。魔獣は減ったけど、山が焼け野原になるって」
焼け焦げた草を摘み、肩を落とす。
「それにこの道……一周できるようになってるし。速度魔法、どれだけ使ったの?」
ため息混じりの問いに、ヘンリーは迷わず頷いた。
「一人で行けるように、準備してました」
しばしの沈黙のあと、エバが顔を上げる。
「……じゃあ、勝負しようか」
「勝てたら今日出発。負けたら諦める。いいね?」
ヘンリーは力強く頷いた。
「今の発言、撤回はなしですよ。約束として受け取りましたから」
「いや本当に、どこでそんな言葉覚えたの……」
苦笑しつつ、エバは距離を取る。
戦いは、すぐに始まった。
地を蹴った瞬間、ヘンリーの姿が掻き消える。
一直線に距離を詰め、迷いなく木刀を叩き込む。
「――ルミナス・ウォール」
澄んだ声と同時に、光の障壁が展開された。
鈍い衝撃が弾ける。
だが――砕けない。
(やっぱり硬い……!)
エバの魔法は圧倒的だ。
同じ光属性でも、長年鍛え上げられたそれは厚みが違う。
「いいね、その速さ。詠唱なしでそこまで使えるようになったんだ」
軽く言いながらも、エバの障壁はびくともしない。
ヘンリーは一度距離を取り、すぐに踏み込む。
再び加速。
今度は角度を変え、連続で打ち込む。
だが結果は同じ。
すべて、光の壁に阻まれる。
(足りない……)
歯を食いしばる。
技術では通じない。
なら――
(魔力量で押し切る)
ヘンリーの魔力は、エバよりも“量”だけなら上だ。
薄いハニーブロンドの髪が、それを証明している。
空気が変わった。
「……ちょっと待って、ヘンリー何する気?本気のやつでしょ?」
エバの声に、僅かな焦りが混じる。
構わず、ヘンリーは魔力を引き上げる。
「レイド・ザ・ヘブン!!」
空に光が集束し、雷が形を成す。
轟音と共に、雷が叩き落とされた。
「ルミナス・ウォール!!」
咄嗟に強化された障壁が受け止める。
だが――
軋む。
ひびが走る。
(押せる……!)
さらに魔力を注ぎ込む。
落雷が重なり、光が爆ぜる。
「ちょ、待ってヘンリー! 魔力量おかしいって!」
エバの声が悲鳴に変わる。
障壁が、耐えきれず――砕けた。
閃光が地面を抉り、衝撃が周囲を薙ぎ払う。
煙が晴れた時、そこに立っていたのは――肩で息をするエバだった。
「……降参! このままじゃ山が消える!」
その一言で決着がついた。
――そうして、ようやく来られたのだ。
なのに。
ただ見ていただけで、ティペスに睨まれた。
(……結婚するまでに、あの人より強くならないと)
――――
「もしよかったら……僕の部屋に来ない?」
その一言で、思考が止まった。
(え……いいのか!?)
嬉しさと戸惑いが一気に押し寄せる。
(でもソフォラが見せたがってるし……俺も見たいし……いやでも――)
顔が一気に熱くなる。
「ヘンリー……大丈夫?」
「だ、大丈夫!! 行こう!」
慌てて立ち上がり、膝をぶつけながらも誤魔化した。
――部屋に入った瞬間、息を呑む。
落ち着いた色合い。整えられた家具。
そして――ベッド。
(……ここで、寝てるのか)
一気に顔が熱くなる。
(いや違う! 変な意味じゃない!!)
「……どこか変かな?」
「だ、大丈夫!」
必死に平静を装う。
――そして最大の問題。
座る場所。
視線がふらふらと彷徨う。ソフォラの隣、空いたスペース。そこに座る自分を想像して
(無理だろ、落ち着けるわけがない)
ぐっと拳を握る。
「ヘンリー、座らないの?」
不思議そうに見上げられ、心臓が大きく跳ねた。
「へっ!? ……え、えっと、座る! 座る!!」
そう言ったものの、足は一歩も動かない。
(どっちだ……いや普通は向かいだろ……でも……)
再びソファとソフォラを見比べる。
「旦那様もティペス様も、しばらくは来ませんよー」
その一言に、サンセベリアとスピノーサの拳がアデニウムの頭に落ちる。
だが――
(来ない……のか)
ピタリ、とヘンリーの動きが止まった。
数秒の沈黙。
そして、ぐっと何かを決めたように顔を上げる。
「――よし」
勢いよく歩き出し、そのまま迷いなくソフォラの隣へ座った。
(……来てしまった)
内心はぐちゃぐちゃなのに、表情だけ取り繕う。
――それでも。
ソフォラが嬉しそうに話してくれるだけで、全部どうでもよくなった。
(……こうして、また会える理由が欲しい)
「じゃあ、今度俺が摘んでこようか?」
花の話を聞きながら、自然に口実を作る。
絵を受け取り、じっと見る。
(……これ、花か?)
正直、分からない。
でも。
不安そうにこちらを見るソフォラを見て――
「……わかった。任せろ」
「いや、絶対わかってないじゃん」
即座にツッコミが入る。
同時に、アデニウムの頭に拳が落ちた。
ーーー
帰りの馬車の中で、ヘンリーは父エバに告げた。
「ソフォラに頼まれたことがあるので、来週も会いに行きます」
「えぇえええ!?」
すでに疲れた顔をしているエバが、さらに声を上げる。
その反応に構わず、ヘンリーは畳みかけた。
「それと、婚約式も行いますので、日取りや場所については辺境伯様とご相談ください」
にこやかな笑顔で言い切る。
エバは何か言い返そうと口を開き――そのまま頭を抱えた。
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