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11章
11-9
*
森の入口にサンセベリアを残し、ソフォラたちは森の奥へと進んでいく。
以前と変わらぬ景色――のはずだった。
だが、どこか違う。
木々の隙間から差し込む光が、以前よりも強すぎる。
森を覆っていた深い影は薄れ、湿った苔も明らかに減っていた。
静かで穏やかだった空気が、どこか乾いている。
ソフォラは胸騒ぎを覚えながら、レイブンの後を追った。
やがて辿り着いたのは、ワーウルフたちの住処――そして主神スジチョウの石像の前だった。
「……っ」
ヘンリーは石像を見上げ、感嘆の息を漏らす。
荘厳で、神秘的で。
まるで森そのものが神を守る神殿のようだった。
だがソフォラは、目を見開いたまま声を失っていた。
「そんな……」
石像が変わっていた。
以前は、傍らで眠るワーウルフへ優しく手を差し伸べていたはずの腕が、今は朽ちて地面へ落ちている。
台座に刻まれていた文字も擦り切れ、名前すら読めなくなっていた。
ソフォラは震える手で、崩れ落ちた石の腕を拾い上げる。
その瞬間、周囲のワーウルフたちが集まり始めた。
「キュウ……キュウ……」
悲しげな声。
まるで、“主に何かあった”と訴えるように。
「どうしたんだ、ソフォラ?」
異様な空気を察したヘンリーが近づいた瞬間、一匹のワーウルフが牙を剥いて吠えた。
それを合図にしたように、他のワーウルフたちも一斉に唸り始める。
「どうしたの、みんな!? ヘンリーは何もしてないよ!」
ソフォラは慌てて宥めようとするが、ワーウルフたちは興奮したまま止まらない。
レイブンはヘンリーの前へ立ち、仲間たちへ吠えて制止する。
だが収まる気配はなかった。
まるで“光”を拒絶しているようだった。
「ヘンリーは戻そうとしてくれてるんだよ! 一緒に頑張ってくれてるの!」
ソフォラの声は、荒々しい咆哮にかき消される。
――その時だった。
チリン……
澄んだ鈴の音が、森に響いた。
チリン、チリン……
不思議な音色に、吠えていたワーウルフたちがぴたりと静まる。
そして一匹残らず、その場へ伏せた。
「……どういうことだ?」
困惑するヘンリー。
だがソフォラも同じだった。
鈴の音はゆっくりと近づいてくる。
周囲を見渡しても、誰もいない。
だが次第に、黒い靄の奥で橙色の灯りが揺れ始めた。
蛍だった。
幾つもの蛍が舞う中、ひとりの男が姿を現す。
「怖かっただろう。ヘンルーダの眷属よ。我が子たちがすまなかった」
地面まで届く黒髪。
肩から腰へ流れる苔色の布。
頭には白いネモフィラの花冠。
その姿は、石像そのものだった。
蛍たちは彼の周囲を漂い、まるで神を慰めるように光っている。
「我が子よ、よく頑張ったな」
男は柔らかく笑い、ソフォラを抱きしめた。
「ソナタが瘴気を濾過してくれたおかげで、我はまだ息をしている」
冷たいはずの腕は、不思議と森の土のように温かかった。
「もしあれが無ければ、我は既に消えていた。眷属たちも理性を失い、暴れる獣となっていただろう」
ソフォラは震える声で問いかける。
「あなたは……スジチョウ様、ですか?」
男はきょとんと目を丸くし――ふっと破顔した。
「いかにも。我がそうだ」
どこか嬉しそうに目を細める。
「……そうか。まだ我の名を知る者がいたのか」
「ソフォラ! 誰と話してるんだ!?」
ヘンリーの声が飛ぶ。
彼には見えていないのか、ただソフォラが虚空へ話しかけているようにしか見えないらしい。
「動けねぇ……なんだこれ……!」
ヘンリーは見えない力に押さえつけられ、その場から動けずにいた。
スジチョウは申し訳なさそうに眉を下げる。
「すまぬな。我が子よ。ここは我の神域、我が眷属以外には動くことすら難しい。なので少しだけ、彼には待っていてもらっている」
そして静かに真顔へ戻った。
「時間がない。聞きたいことを聞くがいい」
ソフォラは息を飲み、問いかける。
「……なぜ、あなたが主神なのに、皆は光の神ばかりを崇めるんですか?」
「誰が世界を壊そうとしているんですか?」
スジチョウは静かに目を伏せた。
「ヘンルーダの眷属は、“導く力”を持つ」
その声音は、遠い昔を懐かしむようだった。
「その力は強ければ強いほど光となり、人々を惹きつける。皆、眩いものへ手を伸ばすのだ」
ふっと寂しげに笑う。
「……だが、光が強すぎれば、周囲は見えなくなる」
スジチョウの身体が、わずかに透け始めていた。
「世界を壊そうとしているのは――我が番だ」
ソフォラは目を見開く。
スジチョウはヘンリーへ視線を向けた。
愛しむように。
恋しがるように。
「眷属たちが力を持つほど、彼もまた強くなる」
「だが強くなりすぎた光は、自らすら見失う」
長い年月を思わせる瞳だった。
「……何百年、会えておらぬのだろうな」
ぽつりと零れた声は、酷く静かだった。
「数えることすら、やめてしまった」
それでも、その瞳は優しかった。
「だからこそ、彼の眷属を見たかった」
「彼が、今も存在しているのだと知りたかった」
ソフォラは胸が締め付けられる。
神でありながら、会うことすら許されない。
ただ互いを想い続けるだけの存在。
スジチョウの身体はさらに薄れていく。
「我が番を止めてくれ」
そう言って、苔むした小さな石をソフォラへ手渡した。
「我の力が戻れば、彼を止められる」
「……彼の神域へ行くのだ」
消えかけた指先が、そっとソフォラの手を包む。
「伝えてくれ。我も、今なお彼を想っていると」
次の瞬間。
蛍の光と共に、スジチョウの姿は静かに消えた。
「ソフォラ!」
拘束が解けたヘンリーが駆け寄ってくる。
「誰と話してた!? 何もされてないか!?」
肩を掴み、必死に覗き込んでくるヘンリーに、ソフォラは手の中の石を大切に抱き締めた。
「……光の神の神域へ行かないと」
震える声で、けれど真っ直ぐに告げる。
「主神を正さないとダメなんだ」
「止められるのは、あの人だけだから」
そしてソフォラは、スジチョウから聞いた全てをヘンリーへ語り始めた。
森の入口にサンセベリアを残し、ソフォラたちは森の奥へと進んでいく。
以前と変わらぬ景色――のはずだった。
だが、どこか違う。
木々の隙間から差し込む光が、以前よりも強すぎる。
森を覆っていた深い影は薄れ、湿った苔も明らかに減っていた。
静かで穏やかだった空気が、どこか乾いている。
ソフォラは胸騒ぎを覚えながら、レイブンの後を追った。
やがて辿り着いたのは、ワーウルフたちの住処――そして主神スジチョウの石像の前だった。
「……っ」
ヘンリーは石像を見上げ、感嘆の息を漏らす。
荘厳で、神秘的で。
まるで森そのものが神を守る神殿のようだった。
だがソフォラは、目を見開いたまま声を失っていた。
「そんな……」
石像が変わっていた。
以前は、傍らで眠るワーウルフへ優しく手を差し伸べていたはずの腕が、今は朽ちて地面へ落ちている。
台座に刻まれていた文字も擦り切れ、名前すら読めなくなっていた。
ソフォラは震える手で、崩れ落ちた石の腕を拾い上げる。
その瞬間、周囲のワーウルフたちが集まり始めた。
「キュウ……キュウ……」
悲しげな声。
まるで、“主に何かあった”と訴えるように。
「どうしたんだ、ソフォラ?」
異様な空気を察したヘンリーが近づいた瞬間、一匹のワーウルフが牙を剥いて吠えた。
それを合図にしたように、他のワーウルフたちも一斉に唸り始める。
「どうしたの、みんな!? ヘンリーは何もしてないよ!」
ソフォラは慌てて宥めようとするが、ワーウルフたちは興奮したまま止まらない。
レイブンはヘンリーの前へ立ち、仲間たちへ吠えて制止する。
だが収まる気配はなかった。
まるで“光”を拒絶しているようだった。
「ヘンリーは戻そうとしてくれてるんだよ! 一緒に頑張ってくれてるの!」
ソフォラの声は、荒々しい咆哮にかき消される。
――その時だった。
チリン……
澄んだ鈴の音が、森に響いた。
チリン、チリン……
不思議な音色に、吠えていたワーウルフたちがぴたりと静まる。
そして一匹残らず、その場へ伏せた。
「……どういうことだ?」
困惑するヘンリー。
だがソフォラも同じだった。
鈴の音はゆっくりと近づいてくる。
周囲を見渡しても、誰もいない。
だが次第に、黒い靄の奥で橙色の灯りが揺れ始めた。
蛍だった。
幾つもの蛍が舞う中、ひとりの男が姿を現す。
「怖かっただろう。ヘンルーダの眷属よ。我が子たちがすまなかった」
地面まで届く黒髪。
肩から腰へ流れる苔色の布。
頭には白いネモフィラの花冠。
その姿は、石像そのものだった。
蛍たちは彼の周囲を漂い、まるで神を慰めるように光っている。
「我が子よ、よく頑張ったな」
男は柔らかく笑い、ソフォラを抱きしめた。
「ソナタが瘴気を濾過してくれたおかげで、我はまだ息をしている」
冷たいはずの腕は、不思議と森の土のように温かかった。
「もしあれが無ければ、我は既に消えていた。眷属たちも理性を失い、暴れる獣となっていただろう」
ソフォラは震える声で問いかける。
「あなたは……スジチョウ様、ですか?」
男はきょとんと目を丸くし――ふっと破顔した。
「いかにも。我がそうだ」
どこか嬉しそうに目を細める。
「……そうか。まだ我の名を知る者がいたのか」
「ソフォラ! 誰と話してるんだ!?」
ヘンリーの声が飛ぶ。
彼には見えていないのか、ただソフォラが虚空へ話しかけているようにしか見えないらしい。
「動けねぇ……なんだこれ……!」
ヘンリーは見えない力に押さえつけられ、その場から動けずにいた。
スジチョウは申し訳なさそうに眉を下げる。
「すまぬな。我が子よ。ここは我の神域、我が眷属以外には動くことすら難しい。なので少しだけ、彼には待っていてもらっている」
そして静かに真顔へ戻った。
「時間がない。聞きたいことを聞くがいい」
ソフォラは息を飲み、問いかける。
「……なぜ、あなたが主神なのに、皆は光の神ばかりを崇めるんですか?」
「誰が世界を壊そうとしているんですか?」
スジチョウは静かに目を伏せた。
「ヘンルーダの眷属は、“導く力”を持つ」
その声音は、遠い昔を懐かしむようだった。
「その力は強ければ強いほど光となり、人々を惹きつける。皆、眩いものへ手を伸ばすのだ」
ふっと寂しげに笑う。
「……だが、光が強すぎれば、周囲は見えなくなる」
スジチョウの身体が、わずかに透け始めていた。
「世界を壊そうとしているのは――我が番だ」
ソフォラは目を見開く。
スジチョウはヘンリーへ視線を向けた。
愛しむように。
恋しがるように。
「眷属たちが力を持つほど、彼もまた強くなる」
「だが強くなりすぎた光は、自らすら見失う」
長い年月を思わせる瞳だった。
「……何百年、会えておらぬのだろうな」
ぽつりと零れた声は、酷く静かだった。
「数えることすら、やめてしまった」
それでも、その瞳は優しかった。
「だからこそ、彼の眷属を見たかった」
「彼が、今も存在しているのだと知りたかった」
ソフォラは胸が締め付けられる。
神でありながら、会うことすら許されない。
ただ互いを想い続けるだけの存在。
スジチョウの身体はさらに薄れていく。
「我が番を止めてくれ」
そう言って、苔むした小さな石をソフォラへ手渡した。
「我の力が戻れば、彼を止められる」
「……彼の神域へ行くのだ」
消えかけた指先が、そっとソフォラの手を包む。
「伝えてくれ。我も、今なお彼を想っていると」
次の瞬間。
蛍の光と共に、スジチョウの姿は静かに消えた。
「ソフォラ!」
拘束が解けたヘンリーが駆け寄ってくる。
「誰と話してた!? 何もされてないか!?」
肩を掴み、必死に覗き込んでくるヘンリーに、ソフォラは手の中の石を大切に抱き締めた。
「……光の神の神域へ行かないと」
震える声で、けれど真っ直ぐに告げる。
「主神を正さないとダメなんだ」
「止められるのは、あの人だけだから」
そしてソフォラは、スジチョウから聞いた全てをヘンリーへ語り始めた。
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