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先行投資・俺だけの人。
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*
ピンポン。
チャイムを鳴らす。
「ただいま、」
胸がいっぱいになる。
自然と笑みが浮かぶ。
「おかえりなさい」
樹は、私を見て、泣きそうな声でそういうと、私に抱きついた。
ぎゅっと、私を抱きしめて、首筋に顔を埋めて。
今まで離れていたぶんを、補うかのようにきつく抱擁を交わした。
*電話で告白し、病院を退院し、家に帰ってから。
樹は片時も私を離そうとしない。
あれだけ、夜どこかへ行っていたのに。
私が退院してからは一回も家から出ていないような気がする。
今だって、私を自分の膝に座らせて、私の腹に腕を回し抱きしめている…。
恥ずかしい。
「そもそも、だ。樹は進藤君とどういう関係なんだ…」
「どういう…?友達…かな…」
「ただの…友達…か…?」
「ん…?」
「スッゴク女々しいけど…聞きたいんだ…。その、本当に進藤君とは、どんな関係なのか・・・。樹の傍にいられる彼に嫉妬してしまうから…」
「嫉妬…、」
「だって、彼は樹と年も近いし、話だって合うんだろう。だから…、その、気になってしまうんだ…」
そう、聞けばよかったんだ。こうやって、最初から。
「妬いたの…」
「…ああ…」
「溟に、妬いたの?公久さんが…?」
「…そうだっていってる…」
ふ、と、後ろで笑う気配がした。
それから、私の腹に回していた腕をしめ
「嬉しい、すっごく、嬉しい。俺ばっかりが、妬いたり独占欲強いものだと思っていたから…」
樹は私の首筋に顔を寄せた。
樹の吐息が首筋にかかり、ゾクゾクする。
ヤバい…またしてしまいそうだ…。
話を聞く前に、流されてしまう…
流されまいと、樹の腕の中、もがく。
「で、進藤君とは、」
鼻息荒く、そう問えば。樹は至って平然に口を開く。
「あのね、溟のうちでね、俺バイトしてたの」
「は?」
「溟の家ね、親がホスト店の経営してて、俺もそこで働かせてもらったの」
ほ、ホスト?バイト…?
バイトを、していた…?
だから、夜遅かった…?
ホストの仕事をしていたから、あんな香水の匂いがしていたの…か…?
でも、よりにもよって、ホストだなんて…。
「でも、なんで…ホストなんて…。欲しいものでも、あったのか…彼女でも、できたとか…」
「俺の彼女は公久さん」
「いつき…」
すりすり、と頬を寄せて甘える樹。いや、はっきり言われて嬉しい、けれども…。
ホスト、だなんて。
やっぱり嫌だ。樹が他の人に愛を囁いているなんて。
それに、進藤君が近くにいるのも、いやだ。
「樹…。バイトはしてもいいけど…もうホストは辞めてほしい…。私以外に好きだとか、言わないでほしい」
「うん。ごめんなさい…
でもほんとに溟とはなんでもないよ。だって家に泊まった時も叔父さんいたし…、叔父さんは普通の人だし…」
「でも、なんでホスト?
急にお金でも必要になったのか…?」
誕生日も近かったから、少しくらいだったら、私もあげたのに。
こうやって、こじれる原因になるくらいだったら…。
「ずっと、前に公久さん、いったよね。誕生日、欲しいものは、って」
「あ、ああ」
確か、聞いた気がする。その時返ってきた答えが…『彼女…』
「あれね、俺、『公久さんを彼女にする権利が欲しい』って言おうとしたの」
「は、はぁ?」
私を彼女にする権利―?な、あれだけ悩んでいたのに…。
私を彼女にする権利、だと?
「私を彼女に?わ、私はお前よりも年上だぞ。樹だって今まで私を散々年上扱いしたのに…」
「おじさん扱いすると、しゅん、とする公久さんが可愛くて。」
「…な…」
「大好きだよ」
えへへ、と可愛らしく微笑まれれば…もうなんだか怒る気も失せた。肩の力も抜ける。
なんだろう。随分、この一か月、二人で遠回りをしていた気がする。
話せば、こんなに簡単な事だったのに。
「公久さんは…、」「…ん?」
「あの医者に、惚れてないよね…?」
「惚れていて、ほしいのか?」
「まさか!やだよ、捨てちゃ。俺…」
「馬鹿」
捨てるわけ、ないのに。
小牧医師が言っていたな。今が幸せだから不安になってしまうって。
なら、樹は…。
私と一緒にいられて、幸せ、なのだろう。
私を失ってしまうと思ったから、あんな手錠をかけてまで、家に留めさせたのだろう。
それだけ私が、好き。
そう考えれば、樹がしたあの日の事を許せる。もうしてほしいとは思わないけれど…。
樹は、ごめん、ちょっと、っといい、膝の上に座っていた私を退かせる。
なんだ…?今日はずっと公久さんを膝の上にのせていちゃいちゃしたいーっていっていたのに。
仕方なく、立ち上がる。
樹は、部屋にかかっていたスーツに近寄り…なにかごそごそとポケットを探った後、またいそいそと私の元へ戻ってきた。
手には小さな青い箱を持って。
その箱は…手のひらサイズの小さな箱で…、指輪とかピアスとか入れる、箱にうり二つ。
それを樹は私に差しだし、
「あのね…これ…、」
「え…、」
「開けてみて、」
そういって、私の手に箱を置く。
開けてもいいんだろうか…
これって中に入っているのは指輪だったりピアスだったり、大切な人にあげるものなんじゃないか…
言われたまま箱を開けば、そこには…
「ゆびわ…、」
案の定、指輪が入っていた。
白い、真ん中に小さな宝石が入った、可愛い指輪。
これを、私に…?
私にくれる…のか…
「いつき…これ…は…」
「公久さんに…。
俺、絶対20歳になったら言おうと思って。
本当は18歳になったらでもよかったんだけど、公久さんからしたら、俺はまだ子供だったから。
だから、成人する二十歳まで待ってたんだ。
公久さんの子供から、一人前の大人になるまで、待っていたんだ…
ごめんね、思ったより指輪って高くて。
お金溜めようと思ったのも遅かったから…、」
「…、」
「受け取って、くれる…?」
小首を傾げ、不安に瞳揺らす、樹。
感極まって、何も言えない私。
そんな私に近づき、抱きしめて。
「ね、公久さん…、」
「いつ…き…」
「俺は…、公久さんを、ずっと好きでいてもいいですか?貴方を…貴方、だけを、ずっと好きでいても、いいですか…?」
始まりの言葉を言う。
「俺と、結婚するっていう意味で、もう子供じゃなくて、一人の大人として俺をみて、隣で歩いてくれますか?
貴方を、俺は、ずっと好きでいます、から…、だから…一緒にいてください。お願いします…」
駄目…ですか?
私を抱きしめながら、まるで捨てられでもする犬のような頼りない瞳をする樹。
断られるとでも思っているんだろうか。
不安そうな瞳は、私を捉えユラユラと揺れていた
馬鹿だなぁ…。
私の答えなんてきまっているのに
「いいに…きまってる」
声が、震える。年上らしく、余裕を持っていたいのに。余裕なんか、もう、ない。
嬉しい。ただ、嬉しい。樹のその言葉が。樹の、気持ちが…。
「私だって、一緒にいたい…。樹は…であった時から、私だけの、天使なんだから…」
「腹黒で、時々意地悪しちゃう天使でもいいの?」
「いい」
「甘えて、ずっとそばにいる天使でもいいの?」
「いい…。」
どんな、樹でも。怒っても、泣いても、無理やり抱いても。
「樹が樹なら、いい。…だから、だから、お前も…、」
つ、と視線を上げて、上目目線で樹に視線を合わせる。
「私だけの、天使でいてほしい」
私だけの、私しか愛さない天使でいてほしい。
そうしたら、私たち二人だけの世界じゃなくても生きていける。
私たち二人だけの世界に生きたいとも思わない。
樹が、私だけの天使でいてくれれば。
「俺は、ずっと、公久さんのものだよ。公久さんも、〝俺だけの人〟」
樹はそういって、私の唇に何度もキスをした。
*
指輪を貰い、お互い気が高まった私たちは…、そのままベッドへ。
まるでもつれ合うように、ベッドに行き、どちらともないキスを繰り返す。
「ん…」
「公久さん…」
優しいキスに、優しい眼差し。優しい愛撫。
もう何度も抱かれているのに、丁寧な其れはまるで、初夜みたいだ。
初夜…か…。
「プロポーズに…これは、指輪か…。もしかして、樹の中では結婚したのか、私たちは…」
「うん…。結婚式あげてないけど…形として。ほんとは、俺の誕生日に渡したかったんだけど、」
「ごめん…」
「いいよ…、それより…」
さわさわと、私のペニスを撫でて、口づけを与える樹。
どうやら、早く抱き合いたいらしい。
性急なその仕草に、クスリと笑んでしまう。
「ねぇ、公久さん…」
「ん?」
「捨てないで…」
真剣な表情で、小さく呟く樹。
「俺を愛して…」
その声は、聴いていてとても切なく、胸が痛んだ。
だから、私はそれに答えるかのように口を開く。
「捨てないよ…」
捨てない、いや、
「捨てられるはずがない」
だって、こんなにも、捕らわれている。
こんなにも、樹が好きなのだから…。
「愛してる…、」
樹、お前とこうして恋ができて、よかった。
お前を愛せて良かった。
ピンポン。
チャイムを鳴らす。
「ただいま、」
胸がいっぱいになる。
自然と笑みが浮かぶ。
「おかえりなさい」
樹は、私を見て、泣きそうな声でそういうと、私に抱きついた。
ぎゅっと、私を抱きしめて、首筋に顔を埋めて。
今まで離れていたぶんを、補うかのようにきつく抱擁を交わした。
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樹は片時も私を離そうとしない。
あれだけ、夜どこかへ行っていたのに。
私が退院してからは一回も家から出ていないような気がする。
今だって、私を自分の膝に座らせて、私の腹に腕を回し抱きしめている…。
恥ずかしい。
「そもそも、だ。樹は進藤君とどういう関係なんだ…」
「どういう…?友達…かな…」
「ただの…友達…か…?」
「ん…?」
「スッゴク女々しいけど…聞きたいんだ…。その、本当に進藤君とは、どんな関係なのか・・・。樹の傍にいられる彼に嫉妬してしまうから…」
「嫉妬…、」
「だって、彼は樹と年も近いし、話だって合うんだろう。だから…、その、気になってしまうんだ…」
そう、聞けばよかったんだ。こうやって、最初から。
「妬いたの…」
「…ああ…」
「溟に、妬いたの?公久さんが…?」
「…そうだっていってる…」
ふ、と、後ろで笑う気配がした。
それから、私の腹に回していた腕をしめ
「嬉しい、すっごく、嬉しい。俺ばっかりが、妬いたり独占欲強いものだと思っていたから…」
樹は私の首筋に顔を寄せた。
樹の吐息が首筋にかかり、ゾクゾクする。
ヤバい…またしてしまいそうだ…。
話を聞く前に、流されてしまう…
流されまいと、樹の腕の中、もがく。
「で、進藤君とは、」
鼻息荒く、そう問えば。樹は至って平然に口を開く。
「あのね、溟のうちでね、俺バイトしてたの」
「は?」
「溟の家ね、親がホスト店の経営してて、俺もそこで働かせてもらったの」
ほ、ホスト?バイト…?
バイトを、していた…?
だから、夜遅かった…?
ホストの仕事をしていたから、あんな香水の匂いがしていたの…か…?
でも、よりにもよって、ホストだなんて…。
「でも、なんで…ホストなんて…。欲しいものでも、あったのか…彼女でも、できたとか…」
「俺の彼女は公久さん」
「いつき…」
すりすり、と頬を寄せて甘える樹。いや、はっきり言われて嬉しい、けれども…。
ホスト、だなんて。
やっぱり嫌だ。樹が他の人に愛を囁いているなんて。
それに、進藤君が近くにいるのも、いやだ。
「樹…。バイトはしてもいいけど…もうホストは辞めてほしい…。私以外に好きだとか、言わないでほしい」
「うん。ごめんなさい…
でもほんとに溟とはなんでもないよ。だって家に泊まった時も叔父さんいたし…、叔父さんは普通の人だし…」
「でも、なんでホスト?
急にお金でも必要になったのか…?」
誕生日も近かったから、少しくらいだったら、私もあげたのに。
こうやって、こじれる原因になるくらいだったら…。
「ずっと、前に公久さん、いったよね。誕生日、欲しいものは、って」
「あ、ああ」
確か、聞いた気がする。その時返ってきた答えが…『彼女…』
「あれね、俺、『公久さんを彼女にする権利が欲しい』って言おうとしたの」
「は、はぁ?」
私を彼女にする権利―?な、あれだけ悩んでいたのに…。
私を彼女にする権利、だと?
「私を彼女に?わ、私はお前よりも年上だぞ。樹だって今まで私を散々年上扱いしたのに…」
「おじさん扱いすると、しゅん、とする公久さんが可愛くて。」
「…な…」
「大好きだよ」
えへへ、と可愛らしく微笑まれれば…もうなんだか怒る気も失せた。肩の力も抜ける。
なんだろう。随分、この一か月、二人で遠回りをしていた気がする。
話せば、こんなに簡単な事だったのに。
「公久さんは…、」「…ん?」
「あの医者に、惚れてないよね…?」
「惚れていて、ほしいのか?」
「まさか!やだよ、捨てちゃ。俺…」
「馬鹿」
捨てるわけ、ないのに。
小牧医師が言っていたな。今が幸せだから不安になってしまうって。
なら、樹は…。
私と一緒にいられて、幸せ、なのだろう。
私を失ってしまうと思ったから、あんな手錠をかけてまで、家に留めさせたのだろう。
それだけ私が、好き。
そう考えれば、樹がしたあの日の事を許せる。もうしてほしいとは思わないけれど…。
樹は、ごめん、ちょっと、っといい、膝の上に座っていた私を退かせる。
なんだ…?今日はずっと公久さんを膝の上にのせていちゃいちゃしたいーっていっていたのに。
仕方なく、立ち上がる。
樹は、部屋にかかっていたスーツに近寄り…なにかごそごそとポケットを探った後、またいそいそと私の元へ戻ってきた。
手には小さな青い箱を持って。
その箱は…手のひらサイズの小さな箱で…、指輪とかピアスとか入れる、箱にうり二つ。
それを樹は私に差しだし、
「あのね…これ…、」
「え…、」
「開けてみて、」
そういって、私の手に箱を置く。
開けてもいいんだろうか…
これって中に入っているのは指輪だったりピアスだったり、大切な人にあげるものなんじゃないか…
言われたまま箱を開けば、そこには…
「ゆびわ…、」
案の定、指輪が入っていた。
白い、真ん中に小さな宝石が入った、可愛い指輪。
これを、私に…?
私にくれる…のか…
「いつき…これ…は…」
「公久さんに…。
俺、絶対20歳になったら言おうと思って。
本当は18歳になったらでもよかったんだけど、公久さんからしたら、俺はまだ子供だったから。
だから、成人する二十歳まで待ってたんだ。
公久さんの子供から、一人前の大人になるまで、待っていたんだ…
ごめんね、思ったより指輪って高くて。
お金溜めようと思ったのも遅かったから…、」
「…、」
「受け取って、くれる…?」
小首を傾げ、不安に瞳揺らす、樹。
感極まって、何も言えない私。
そんな私に近づき、抱きしめて。
「ね、公久さん…、」
「いつ…き…」
「俺は…、公久さんを、ずっと好きでいてもいいですか?貴方を…貴方、だけを、ずっと好きでいても、いいですか…?」
始まりの言葉を言う。
「俺と、結婚するっていう意味で、もう子供じゃなくて、一人の大人として俺をみて、隣で歩いてくれますか?
貴方を、俺は、ずっと好きでいます、から…、だから…一緒にいてください。お願いします…」
駄目…ですか?
私を抱きしめながら、まるで捨てられでもする犬のような頼りない瞳をする樹。
断られるとでも思っているんだろうか。
不安そうな瞳は、私を捉えユラユラと揺れていた
馬鹿だなぁ…。
私の答えなんてきまっているのに
「いいに…きまってる」
声が、震える。年上らしく、余裕を持っていたいのに。余裕なんか、もう、ない。
嬉しい。ただ、嬉しい。樹のその言葉が。樹の、気持ちが…。
「私だって、一緒にいたい…。樹は…であった時から、私だけの、天使なんだから…」
「腹黒で、時々意地悪しちゃう天使でもいいの?」
「いい」
「甘えて、ずっとそばにいる天使でもいいの?」
「いい…。」
どんな、樹でも。怒っても、泣いても、無理やり抱いても。
「樹が樹なら、いい。…だから、だから、お前も…、」
つ、と視線を上げて、上目目線で樹に視線を合わせる。
「私だけの、天使でいてほしい」
私だけの、私しか愛さない天使でいてほしい。
そうしたら、私たち二人だけの世界じゃなくても生きていける。
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「俺は、ずっと、公久さんのものだよ。公久さんも、〝俺だけの人〟」
樹はそういって、私の唇に何度もキスをした。
*
指輪を貰い、お互い気が高まった私たちは…、そのままベッドへ。
まるでもつれ合うように、ベッドに行き、どちらともないキスを繰り返す。
「ん…」
「公久さん…」
優しいキスに、優しい眼差し。優しい愛撫。
もう何度も抱かれているのに、丁寧な其れはまるで、初夜みたいだ。
初夜…か…。
「プロポーズに…これは、指輪か…。もしかして、樹の中では結婚したのか、私たちは…」
「うん…。結婚式あげてないけど…形として。ほんとは、俺の誕生日に渡したかったんだけど、」
「ごめん…」
「いいよ…、それより…」
さわさわと、私のペニスを撫でて、口づけを与える樹。
どうやら、早く抱き合いたいらしい。
性急なその仕草に、クスリと笑んでしまう。
「ねぇ、公久さん…」
「ん?」
「捨てないで…」
真剣な表情で、小さく呟く樹。
「俺を愛して…」
その声は、聴いていてとても切なく、胸が痛んだ。
だから、私はそれに答えるかのように口を開く。
「捨てないよ…」
捨てない、いや、
「捨てられるはずがない」
だって、こんなにも、捕らわれている。
こんなにも、樹が好きなのだから…。
「愛してる…、」
樹、お前とこうして恋ができて、よかった。
お前を愛せて良かった。
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