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更に1年後。私と夏海は付き合って2年目を迎えた。
夏海は大学を卒業して、この春から社会人となった。
半同棲だったのもあり、忙しい間は私の家に夏海が来る回数は格段に少なくなっていた。現に、今日も既に1ヶ月くらいは会ってない。ただ、メッセージのやり取りだけはしっかりとお互いに取っている。また、1件夏海から届く。
「今日そっち行くね。」
それをみた私は「オッケー。」と返信をし、携帯を閉じる。久しぶりに会うからか、妙に緊張してしまう。2年経ってても急な事には慣れないようだ。
4月も終わりかけの今日は少しだけ暑い。
喉が乾いた。そう思って、私は冷凍庫からお茶を取り出してコップに注ぎ、氷を2個入れる。それを一気に飲み干して、もう一度同じコップにお茶を注ぎ、氷を1つだけ入れる。
それを手に持ちキッチンから部屋へと戻る。
机にコップを置いた時にカランと氷が鳴って、少しだけ涼しい気持ちになる。風鈴と同じ効果がこの氷の音にもきっとあるのだろう。
椅子に座り、テレビを付ける。今日は土曜日なので、14時の今でも何か良さげな番組はあるかと思ったが、特にめぼしいものはなかった。惰性で付けっぱなしのまま、私は携帯で時間を使うことにした。
暫くすると、夏海からメッセージが届く。内容を確認すると、もう着くとの事。呼び鈴を鳴らせばいいのに、まぁいいか。と玄関の鍵を開けに行く。
鍵を開けてから数分で、玄関から音がして、夏海の声で、
「まちかーー」
と聞こえてきた。私は、はい、と声を返す。
そうして、部屋の扉が開き、夏海が来た。
「今日早いね、暇だった?」
「外暑いーー。暇だったよーー。土曜日だからねーー。」
「これ飲みな。」
1時間ほど前に入れたコップのお茶を渡す。氷は溶けているがまだ冷たさは残ってるようだ。ありがとう、と夏海は一気に飲み干す。そして、空いたコップを私は受け取り、もう一度お茶と氷を注ぎに行く。
1時間ほど談笑していると、夏海が席を立ちトイレへ行った。部屋の窓から外を見ると綺麗な夕焼けが見える。夕焼けはこんなに綺麗なのに、どうしてか、悲しい気持ちを彷彿させる。記憶に、夕方が悲しかったことなど無いはずなのに。その夕焼けが今日はやけに眩しくて、少しはやいけどカーテンを閉めるかと立ち上がった時に夏海は戻ってきた。
「眩しいから閉めるね、電気付けて。」
夏海は何も言わずに、電気を付けて椅子に座る。
カーテンを締め切り、振り返ると夏海が言い出す。
「まちか、大事な話しがあるんだ。」
何故かそのセリフが聞きたくなくて、ドキッとしてしまった。
「なに?」
私は、そんな事を言われたくなかった。
「あのね、別れよう。」
そんな事言われるなんて、思わなかった。
だから、私だけがこの瞬間時が止まったように感じた。
夏海と合わせてた目線を少し下ろすと、お茶の入ったコップから水滴が上から下へと落ちていた。
夏海は大学を卒業して、この春から社会人となった。
半同棲だったのもあり、忙しい間は私の家に夏海が来る回数は格段に少なくなっていた。現に、今日も既に1ヶ月くらいは会ってない。ただ、メッセージのやり取りだけはしっかりとお互いに取っている。また、1件夏海から届く。
「今日そっち行くね。」
それをみた私は「オッケー。」と返信をし、携帯を閉じる。久しぶりに会うからか、妙に緊張してしまう。2年経ってても急な事には慣れないようだ。
4月も終わりかけの今日は少しだけ暑い。
喉が乾いた。そう思って、私は冷凍庫からお茶を取り出してコップに注ぎ、氷を2個入れる。それを一気に飲み干して、もう一度同じコップにお茶を注ぎ、氷を1つだけ入れる。
それを手に持ちキッチンから部屋へと戻る。
机にコップを置いた時にカランと氷が鳴って、少しだけ涼しい気持ちになる。風鈴と同じ効果がこの氷の音にもきっとあるのだろう。
椅子に座り、テレビを付ける。今日は土曜日なので、14時の今でも何か良さげな番組はあるかと思ったが、特にめぼしいものはなかった。惰性で付けっぱなしのまま、私は携帯で時間を使うことにした。
暫くすると、夏海からメッセージが届く。内容を確認すると、もう着くとの事。呼び鈴を鳴らせばいいのに、まぁいいか。と玄関の鍵を開けに行く。
鍵を開けてから数分で、玄関から音がして、夏海の声で、
「まちかーー」
と聞こえてきた。私は、はい、と声を返す。
そうして、部屋の扉が開き、夏海が来た。
「今日早いね、暇だった?」
「外暑いーー。暇だったよーー。土曜日だからねーー。」
「これ飲みな。」
1時間ほど前に入れたコップのお茶を渡す。氷は溶けているがまだ冷たさは残ってるようだ。ありがとう、と夏海は一気に飲み干す。そして、空いたコップを私は受け取り、もう一度お茶と氷を注ぎに行く。
1時間ほど談笑していると、夏海が席を立ちトイレへ行った。部屋の窓から外を見ると綺麗な夕焼けが見える。夕焼けはこんなに綺麗なのに、どうしてか、悲しい気持ちを彷彿させる。記憶に、夕方が悲しかったことなど無いはずなのに。その夕焼けが今日はやけに眩しくて、少しはやいけどカーテンを閉めるかと立ち上がった時に夏海は戻ってきた。
「眩しいから閉めるね、電気付けて。」
夏海は何も言わずに、電気を付けて椅子に座る。
カーテンを締め切り、振り返ると夏海が言い出す。
「まちか、大事な話しがあるんだ。」
何故かそのセリフが聞きたくなくて、ドキッとしてしまった。
「なに?」
私は、そんな事を言われたくなかった。
「あのね、別れよう。」
そんな事言われるなんて、思わなかった。
だから、私だけがこの瞬間時が止まったように感じた。
夏海と合わせてた目線を少し下ろすと、お茶の入ったコップから水滴が上から下へと落ちていた。
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