異世界ツアーしませんか？

０１８ 異世界ツアー２日目です ７

　ここはピレリー山の標高２５００メートル付近です。
　青い花を採取した近くです。
　
　昼食が終わったので、わたしは天幕など全てアイテムボックスに収納しました。

令奈　「今から山頂を目指すの？」
アンナ「はい。山頂は標高２７００メートル、
　　　　ここから歩いて１時間半くらいです」
令奈　「下山は？」
アンナ「もちろん魔法です」
令奈　「わかった」

アンナ「それでは皆さん、山頂に向けて出発します」
四人　「はい」

　私たちは、山頂に向けて登山を開始しました。
　
　　　　　＊

　しばらく歩いていると・・・

アンナ「皆さん、止まってください。体制を低くしてください」（小声）

　わたしは少し離れた茂みを指さします。

アンナ「あそこに鳥がいます」（小声）
秋恵　「いた」（小声）
アンナ「あれはピレリーライチョウです。滅多に見られない鳥です」
奈々子「双眼鏡だと、よく見える」（小声）
美波　「ワタシにも貸して」（小声）

　皆さん、双眼鏡を使って順番に鳥を観察しています。
　しばらくすると、鳥が飛び立ちました。

四人　「あー」（しょんぼり）

アンナ「皆さん、そろそろ行きますよ」
四人　「はーい」

　　　　　＊

　登山は順調に進み、段々と視界がひらけてきました。

アンナ「皆さん、もうすぐ山頂です」

　山頂に到着しました。わたしは持っていた旗を山頂に立てました。

四人　「うわー・・・」

秋恵　「すごい。感動」
令奈　「空がものすごく青い」
菜々子「３６０度、どこを見ても絵になる」
美波　「ワタシ、パノラマ写真撮ろー」
令奈　「あたしも」
菜々子「私も」
秋恵　「うちも」

　皆さんスマホを出して、写真を撮り始めます。
　わたしは皆さんからスマホを受け取り、４人の集合写真を撮りました。

令奈　「アンナさんが山頂に行くって言ったのは、
　　　　この景色を見せるためでしょ」
アンナ「はい。そうです」
美波　「花を採ったのに、まだ登るのって思ったけど、来てよかった」
菜々子「この景色を見ない登山は・・・ありえない」
秋恵　「自販機でお釣りを取って、ジュースを忘れるのと同じ」
４人　「 wwww 」
令奈　「あたし、それやったことある」
４人　「 wwww 」

　　　　　＊

アンナ「おやつにしましょう」

　山頂は、テーブルを出す広さがあります。
　わたしはテーブルと椅子を出して、おやつと紅茶の準備をしました。

　おやつは、フランスのお菓子。ギモーヴです。

ギモーヴ
　果物のピューレと砂糖を煮詰めて、ゼラチンを加え、泡立てたものです。
　それを冷やして固めたあと、キューブ状にカットしました。
　今回、味はラズベリーとリンゴの２種類があります。

アンナ「お菓子は、手でつまんで食べてください。
　　　　いただきます」
四人　「いただきます」

菜々子「果物の風味がする。美味しい」
令奈　「口の中でとろける」
美波　「マシュマロみたい」
秋恵　「ふわふわ、もちもち」

　　　　　＊

私たち「ごちそうさまでした」

　わたしは、テーブルと椅子を片付けました。

アンナ「さて皆さん、この景色をもっと楽しむ方法があります」

　わたしは、飛翔魔法でゆっくり浮かび上がります。

アンナ「わたしと遊覧飛行をしませんか？」
菜々子「アンナさんと一緒に空を飛ぶの？」
アンナ「そうです。一度に四人は無理ですので、二人ずつになります」
令奈　「大丈夫？　危なくないの？」
秋恵　「二人でも重くないの？」
アンナ「大丈夫です。重くはありません。魔法で軽くします」
秋恵　「そうなの？」

美波　「ちょっと怖いけど、私飛んでみたい」
菜々子「私も飛んでみたい。」
令奈　「あたしは・・・二人が飛ぶのを見てからにする」
菜々子「結構ビビリだね」
令奈　「しょうがないでしょ。怖いものは怖いの」

アンナ「最初は、秋恵さんと美波さんですね。でもその前に・・・」

　わたしはトイレを出しました。

アンナ「念のため、トイレに行きましょう」

＊　　＊　　＊　　トイレタイム　　＊　　＊　　＊

　皆さんトイレを済ませたので、わたしはトイレを片付けます。

アンナ「秋恵さん、美波さん、わたしの腕につかまってください」

　二人は恐る恐るわたしの腕につかまります。

アンナ「最初はゆっくり浮かびます・・・いきますよ」

　わたしは飛翔魔法で浮かび上がります。

美波　「浮いてる」
秋恵　「あ、足が・・・」
アンナ「もっと高く上昇しますよ・・・いきまーす。」

秋恵　「ああああああああ・・・」
美波　「ああああああああ・・・」



　遊覧飛行の始まりです。