異世界ツアーしませんか?

ゑゐる

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073 マリトッツォです

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 ここは、ワウラの街です。

 わたしは商業ギルドを出て、パン屋に来ました。裏口から、入ります。
 店主の名前はルパンさんです。33歳の男性です。
 ルパンのパン屋。覚えやすくて助かります。
 翻訳魔法を使わずに聞き取ると、「リューペン」みたいな発音です。

アンナ「ルパンさん、こんにちは」
ルパン「アンナさん、チョコレートを売ってくれ。
    それと、コーヒー、ココアも頼む。」
アンナ「はい」

 わたしは、製菓用クーベルチュールを5kg、ココア5kg、コーヒー豆10kg出しました。

アンナ「大銀貨4枚です。」
ルパン「わかった。」

 わたしは代金を受け取りました。

アンナ「お店は順調ですか。」
ルパン「ああ、人を雇った。それと急ごしらえだがかまを増やした。」
アンナ「それはよかったです。今日は提案があります。」
ルパン「新作か?」
アンナ「はい」

 わたしは、手をきれいにします。

アンナ「クリーン」

 次に、生クリームが入ったステンレス製のボウルを出しました。

アンナ「これは生クリームといいます。」

 わたしは、氷でボウルをひやしながら。砂糖を加えて泡立てました。

アンナ「クリームの固さは、用途に応じて変えてください」
ルパン「わかった」

 クリームにつのが立ちました。
 わたしは小さなパンを取り出して、ナイフで切れ目をいれました。
 そして、スプーンでクリームを詰めました。

アンナ「マリトッツォと言います。食べてください」

 わたしは、マリトッツォをルパンさんに差し出しました。

 ぱくっ。

ルパン「うまい」
アンナ「泡立てるときにココアを入れると、
    チョコレート風味のクリームを作ることもできます」
ルパン「これもスラムで作っているのか?」
アンナ「まだ生クリームは作っていません。
    これから作る予定です。数日待ってください」
ルパン「わかった」

     *

 わたしは、パン屋さんからでました。もう夕方です。

 他にもやりたいことがあったのですが、商業ギルドで時間がかかりました。
 今日はもう帰ります。
 帰ってマオをもふもふして、美味しいごはんが食べたいです。

 わたしは、飛行島のコテージに転移しました。


*    *    *    *    *


 翌朝、スラムに来ました。

 ここでは、乳製品と玉子、香草を作っています。
 その他にソバ、野菜なども栽培しています。

 ここはもうスラムではありませんね。村と呼んだ方がいいかもしれません。
 まだ村の名前はありませんが。

 わたしは、スラムの代表者ジミーさんに声をかけます。40代前半の男性です。

アンナ「おはようございます。ジミーさん」
ジミー「おはようございます。アンナさん
    丁度よかった。紹介します。
    こちらは商会主のアキノさんです」
アキノ「商人のアキノです。初めまして」
アンナ「アンナです。よろしくお願いします」

 アキノさんは30代後半の男性です。

ジミー「アキノさんは、ここの支援者なんです」
アキノ「支援というほどではありませんよ。
    このアンナ村をここまで立派にしたのは、
    間違いなくアンナさんです」

 え? 今さらっと何が言ったような・・・

アンナ「アンナ村とは、なんのことでしょうか」
ジミー「すみません。ここの人達が皆そう呼ぶものですから・・・」

 わたし、村長には、なりませんよ。

     *

 実はアキノさん、以前事業に失敗して、一時期ここのスラムにいたそうです。
 その後借金を返し、資金を貯めてまた商会を始めたそうです。
 ジミーさんには、お世話になったのでスラムを支援していたそうです。

     *

アンナ「ところで、ジミーさんにまた作ってほしいものがあります」
ジミー「わかりました。集会所で伺います」
アキノ「私もご一緒していいですか」
アンナ「はい。どうぞ」

 私たちは、集会所に入りました。

アンナ「今からお菓子を作ります」

 わたしは、テーブルに道具と材料を出します。
 生クリームに砂糖を加えて泡立て、パンに挟み、マリトッツォを2つ作りました。

アンナ「食べてください」

 ぱくっ。

ジミー「美味しい」
アキノ「美味しいです」
アンナ「これは生クリームといいます。これを作ってください」
アキノ「ジミーさん、これを売ってください」
ジミー「わかりました。生クリームを作ります」
アンナ「お願いします」



 もう一つ作ってほしいものがあります。
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