異世界ツアーしませんか?

ゑゐる

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076 カレーです 1

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 ここはワウラの街です。

 ダノンさんの食堂でピラフとピザを作ったあと、猫耳亭にきました。
 わたしは、猫耳亭の前で考えます。

 どうしましょう。カレー。
 作り方はある程度わかります。
 昼に食べたカレーを魔法で鑑定したので、必要な香辛料もわかります。
 しかし、わたしの鑑定は完璧ではありません。
 知識にないものは理解できません。それに香辛料から作れば、時間もかかります。
 やはり自信がないです。

 わたしは猫耳亭に入りました。

アンナ「ノエルちゃん、お父さんは厨房ですか?」
ノエル「うん」

 わたしは厨房に向かいました。

アンナ「ザックさん」
ザック「待ってたよ。アンナさん」
アンナ「すみません、ザックさん。カレー作り少し待ってください。
    あの料理は手間と時間がかかります。
    作り方を見直そうと思っています。」
ザック「・・・・・・」
アンナ「その代わり、今日は別の料理を教えます」
ザック「別の料理?」
アンナ「はい」
ザック「わかった。カレーは別の日に頼む」
アンナ「ありがとうございます」

     *

 わたしは厨房の片隅に置いてあるコンロを手に取って、キッチンテーブルに置きました。

アンナ「これを使います」

 このコンロは、炭を入れる受け皿と五徳を組み合わせた簡素なものです。

 わたしは、アイテムボックスから炭を出して、魔法で火を着けました。
 次に、ミルクと刻んだチーズ、小さな片手鍋を出しました。
 わたしは、鍋にニンニクペーストを塗ってミルクを入れ、火にかけます。
 そしてチーズに片栗粉を振りかけました。

アンナ「この粉は、とろみをつける片栗粉です」

 チーズを鍋に入れて、へらでかき混ぜます。
 チーズが滑らかになったら、胡椒を入れて完成です。
 わたしは炭を減らして、とろ火にします。
 そしてアイテムボックスから具材を取り出しました。

 チーズフォンデュです。

 わたしはザックさんに串を1本渡しました。

アンナ「こうやって、食べます」

 わたしはパンを串で刺し、チーズをつけて食べます。美味しいです。

アンナ「大人だけで食べるときは、
    ミルクの代わりに白ワインを使ってもいいです」

アンナ「ザックさんもどうぞ。熱いですよ」

 ザックさんも食べました。

ザック「美味しい。」

 エマさんとノエルちゃんが厨房に入って来ました。

エマ 「なにを食べてるの?」
ザック「これだ」
アンナ「チーズフォンデュです」

 わたしは、エマさんとノエルちゃんに串を渡しました。

ザック「こうやって、食べるんだ」

 エマさんも同じように食べました。

エマ 「美味しい」
ノエル「ノエルも食べたい」

 ザックさんは、近くにあった木箱を逆さまにしてノエルちゃんをのせました。
 ノエルちゃんも食べます。

ノエル「おいしい」

ザック「この料理、味も良いが食べ方が面白い」
エマ 「そうね。みんなで食べると楽しいわね」

 チーズフォンデュは好評でした。


*    *    *


 わたしは猫耳亭の人達と別れて、飛行島のコテージに帰ってきました。

アンナ「ただいま、戻りました」
陽子 「お帰りなさいませ。いま夕食の準備をしております」

 夕食・・・
 今日の午後は、食べてばかりいました。お腹が減っていません。

アンナ「少し前に食べたばかりなので、
    今日の夕食遅い時間にしてください」
陽子 「はい。わかりました」

 陽子さんが夕食を作っている間に、わたしは子猫のマオと遊ぶことにします。
 ツアーが終ったのに、何故かのんびりできません。

 陽子さんは調理中もマオをみるために、ダイニングにペットサークルを置いていました。
 わたしはマオに近寄ります。

アンナ「マオ、いい子にしていましたか」

 わたしはマオをだっこして、撫でました。かわいいです。癒されます。
 午後は色々ありましたが、こうしていると落ち着きます。



 カレーの件はキッチンが空いたら考えましょう。
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