異世界ツアーしませんか?

ゑゐる

文字の大きさ
147 / 243

147 恐竜ツアー2日目です 7

しおりを挟む
 ここは、ドードーがいた場所から少し離れた平原です。

中村 「ジャイアントモアだ。でけえ」

 ジャイアントモアは体高約4m、羽根の色はグレーです。首が長くダチョウに似ています。
 史上最大の鳥類です。

 私たちはMTVの中から撮影を開始しました。

 ジャイアントモアは、背の高い草の実を食べています。

西川 「こんな巨大な鳥が、地球にもいたんですね」
中村 「絶滅したのが、本当に残念だ」
吉田 「うん」

 わたしも残念です。

中村 「アンナ、写真を撮ってくれ」
アンナ「はい」

 わたしはモアと三人の写真を撮ります。

 カシャ。

 モアをフレームに入れようとすると、モアの巨大さが実感できません。
 わたしは三人に写真を見せました。

中村 「なんかイマイチだな」
西川 「ですね」

アンナ「モアの足元で撮影しましょう。光学迷彩で近づき、
    シャッターを押す時だけ、一瞬迷彩を解除します」
中村 「わかった」

 私たちは光学迷彩をかけて、MTVを降ります。
 三人はモアの足元に近づきました。

 モアが首を高く上げた瞬間・・・

アンナ「迷彩解除」(小声)

 カシャ。

アンナ「迷彩」(小声)

 ジャイアントモアは大きいので足元には気がついていません。いい写真が撮れました。

 私たちはMTVに戻ります。そして三人に液晶画面を見せました。

中村 「よく撮れてる」
西川 「モアの大きさが実感できますね」
吉田 「うん」

中村 「アンナ、次を案内してくれ」
アンナ「はい」

アンナ「移動します・・・転移」


*    *    *


 ここは、大陸北方の海です。

 私たちは群島の沿岸上空にいます。わたしはMTVの高度をゆっくり下げました。

アンナ「下を見てください」

西川 「あれは・・・・・・」
中村 「ステラーカイギュウか」
アンナ「はい。そうです」

 私たちはMTVの中から撮影を開始しました。

 ステラーカイギュウは十数頭の群れを作っています。海上に浮かびながら海藻を食べています。
 全身がこげ茶です。体長は5mから7mの個体が中心です。最大個体は全長が約8mです。
 ステラーカイギュウはマナティーやジュゴンと同じ海牛類です。
 アメリカで確認されたマナティーの最大サイズが3.9mと言われています。
 ここにいるステラーカイギュウは、二倍の大きさがあります。

 私たちは旋回飛行をしながら撮影をしています。
 背中に海鳥を乗せたカイギュウがいます。かわいいです。

アンナ「あそこに仰向けになっているカイギュウがいます。
    一緒に写真を撮りましょう」

 わたしは、カイギュウと三人の写真を撮ります。

 カシャ。

 カイギュウの全身を入れるのは無理でした。

中村 「アンナ、海中から撮影したい」
アンナ「わかりました」

 わたしはMTVを潜航させました。
 海中は、まるで昆布の林みたいです。海水は、とてもきれいです。

中村 「写真を撮ってくれ」
アンナ「はい」

 わたしは一番大きなカイギュウと三人の写真を撮ります。

 カシャ。

 アングルを替えて数枚の写真を撮りました。

西川 「僕も名前だけは知っていましたが、
    まるでクジラみたいな大きさですね」
吉田 「うん」
中村 「マナティーの倍の大きさだからな」
西川 「確か、数百年前に人間によって、絶滅したんですよね」
中村 「ああ。発見した27年後に絶滅している。
    日本では江戸時代のころだ」
西川 「このカイギュウが見られたのは、たった27年間。
    しかも江戸時代」
中村 「絶滅したのが、非常に残念だ」
西川 「僕も残念です」
吉田 「うん」

中村 「異世界は、絶滅した生き物の楽園みたいなところだな」
西川 「僕も、そう思います」
吉田 「うん」

アンナ「おやつにしましょう。」

 私たちは、島の海岸でMTVを降ります。
 わたしは天幕とテーブルなどを出して、離れたところにトイレを出しました。

     *

 おやつはイタリアンドルチェ、ズコットです。ドーム型のケーキです。


ズコットの作り方
 半球型ボウルの内側に、切ったパンディスパーニャと言うスポンジケーキを敷き詰めます。
 そこに、リコッタチーズと水切りヨーグルトで作ったフィリングと果物を入れます。
 今回、果物はイチゴ、オレンジ、キウイフルーツを使いました。
 そのあとパンディスパーニャでふたをします。
 冷凍したあと、型から取り出し、粉砂糖とココアパウダーをかければ完成です。
 セミフレット(半解凍)で食べると美味しいです。
 今回はレアチーズケーキ風に作りましたが、生クリームやムースを入れたり、果物の代わりにナッツを入れるレシピもあります。

     *

アンナ「飲み物は各自出してください・・・いただきます」
三人 「いただきます」

 ぱくっ。

中村 「うまい」
西川 「んー。冷たい」
吉田 「美味しい」

 わたしはスイーツの説明をしました。
 私たちはステラーカイギュウがいる海を見ながら、おやつを食べています。

     *

中村 「ステラーカイギュウもそうだが、絶滅した動物を見て、
    なんだかホッとした・・・
    そう言えば、なんで絶滅した動物が異世界にいるんだ?」
アンナ「まだその説明をしていませんでしたね。
    異世界に絶滅した動物がいるのは、
    女神様が地球から転生させたからです」
中村 「そう言うことか」
アンナ「この惑星は地球をモデルに作られました。
    生き物は生態系のバランスを考えて転生させたようです。
    もちろん、その後独自に進化した生き物もたくさんいます」
中村 「女神様に感謝だな」
吉田 「うん」
西川 「そうですね。絶滅した生き物を見られましたからね」
中村 「それもあるが、絶滅から救ってくれたことへの感謝だ」
西川 「はい」
中村 「さっき見た動物の顔、みんな幸せそうな顔をしていた。
    だからホッとしたんだ」
吉田 「うん」

     *

 おやつが食べ終わりました。

アンナ「ごちそうさまでした」
三人 「ごちそうさまでした」

 わたしは天幕やテーブルなどを収納します。トイレも済ませました。
 そしてMTVに乗り込みます。

アンナ「移動します・・・転移」



 私たちは次の場所に転移しました。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

【改訂版】槍使いのドラゴンテイマー ~邪竜をテイムしたのでついでに魔王も倒しておこうと思う~

こげ丸
ファンタジー
『偶然テイムしたドラゴンは神をも凌駕する邪竜だった』 公開サイト累計1000万pv突破の人気作が改訂版として全編リニューアル! 書籍化作業なみにすべての文章を見直したうえで大幅加筆。 旧版をお読み頂いた方もぜひ改訂版をお楽しみください! ===あらすじ=== 異世界にて前世の記憶を取り戻した主人公は、今まで誰も手にしたことのない【ギフト:竜を従えし者】を授かった。 しかしドラゴンをテイムし従えるのは簡単ではなく、たゆまぬ鍛錬を続けていたにもかかわらず、その命を失いかける。 だが……九死に一生を得たそのすぐあと、偶然が重なり、念願のドラゴンテイマーに! 神をも凌駕する力を持つ最強で最凶のドラゴンに、 双子の猫耳獣人や常識を知らないハイエルフの美幼女。 トラブルメーカーの美少女受付嬢までもが加わって、主人公の波乱万丈の物語が始まる! ※以前公開していた旧版とは一部設定や物語の展開などが異なっておりますので改訂版の続きは更新をお待ち下さい ※改訂版の公開方法、ファンタジーカップのエントリーについては運営様に確認し、問題ないであろう方法で公開しております ※小説家になろう様とカクヨム様でも公開しております

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご
ファンタジー
 アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。  最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。  だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。  女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。  猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!! 「私はスローライフ希望なんですけど……」  この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。  表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~

鈴白理人
ファンタジー
ラザナキア王国の国民は【スキルツリー】という女神の加護を持つ。 そんな国の北に住むアクアオッジ辺境伯一家も例外ではなく、父は【掴みスキル】母は【育成スキル】の持ち主。 母のスキルのせいか、一家の子供たちは生まれたころから、派生スキルがポコポコ枝分かれし、スキルレベルもぐんぐん上がっていった。 双子で生まれた末っ子、兄のウィルフレッドの【精霊スキル】、妹のメリルの【魔法スキル】も例外なくレベルアップし、十五歳となった今、学園入学の秒読み段階を迎えていた── 前作→『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

処理中です...