異世界ツアーしませんか?

ゑゐる

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 ここは飛行島付近の上空です。

 MTVに教師二人を乗せて遊覧飛行をしています。
 わたしは飛行島の真下を飛行したあと、陸地に向かいました。
 内陸の上空を飛行しながら、森、草原、山、川、湖などを案内します。
 二人はスマホで景色を撮影しています。

アンナ「この陸地は大きな大陸の一部です」
加藤 「きれい」
志村 「人工物がないですね」
アンナ「はい。この世界は、地球よりも凶暴な生物が多いので、
    街や村で、まとまって生活しています」
志村 「なるほど」

 わたしは内陸を飛行したあと、飛行島近くの海岸に戻ってきました。
 そして高度を下げて着水、海上を航行しました。

加藤 「すごい」
志村 「船にもなるのか」

 今度は海中を潜航します。

加藤 「すごい・・・きれい」
志村 「これはすごい」

 海の中は透明度が高く、頭上の海面が陽光でキラキラしています。
 二人は、海中を撮影しています。
 わたしはしばらく海中を潜航しました。

     *

アンナ「それでは飛行島に戻ります」

 わたしはMTVを浮上させます。そして離水、飛行して島に戻りました。
 MTVは飛行島に着地して、側面を開放しました。

アンナ「お疲れ様でした。遊覧飛行は終了です」

 私たちは、MTVを降りました。
 MTVは収納します。

加藤 「空と海の両方が体験できて、すごいですね」
志村 「地球では、体験できないです」

アンナ「この乗り物はツアーで、よく使います。修学旅行では、
    たくさんの人が乗れるように大型にする予定です」

     *

 私たちは広場に来ました。

アンナ「次は、魔法を体験していただきます」

 わたしは周囲に吸収型の結界を張り、魔道具のまとをふたつ用意しました。

アンナ「ファイヤーボール」

 パリン。

アンナ「アイスジャベリン」

 パリン。

 的は攻撃魔法で壊れますが、すぐに再生します。

アンナ「魔法名を言葉にしなくても、イメージすれば魔法が使えます
    やってみてください」

 二人は攻撃魔法の射撃を始めました。

 パリン、パリン・・・

加藤 「これ面白いです」
志村 「楽しいですが、この魔法を使うことがありますか?」
アンナ「攻撃魔法を使うことはありません。
    ですが、地球では出来ない体験です。
    生徒が喜ぶと思います」

志村 「そうですね」
加藤 「特に男子は喜ぶと思います」

     *

 攻撃魔法の射撃は終了しました。
 わたしは魔道具を回収して、結界を解除しました。

 次は飛行島の庭園を案内します。

志村 「島の周囲に柵がないけど、大丈夫ですか?」
アンナ「はい。大丈夫です。島の縁に向かって歩いてください」

志村 「あれ? なにか柔らかい壁のようなものが・・・」
加藤 「なにかありますね」
アンナ「島の周囲には結界が張ってあるので落ちることはありません」
志村 「これなら生徒が転落することはありませんね」
加藤 「はい。大丈夫です」

 そのあと、庭園の植物を簡単に説明して、池や温室などを見学してもらいました。

アンナ「コテージに戻って、昼食にしましょう」

     *

 私たちはコテージに戻ってきました。
 二人をテラスに案内します。
 テラスにペットサールを出したあと、マオにキャットフードと水を与えます。
 わたしはテラスにテーブルとイスを出して、料理を並べました。
 今回は陽子さんも一緒に食事をします。
 

 昼食はレバノン料理です。
 メニューは、ムサカ、ジャッダラー、カリフラワーの素揚げです。
 料理は一つの皿に盛り付け、ワンプレートランチにしました。

ムサカ(レバノン風)
 ムサカとは、ギリシャ、トルコ、中東、バルカン半島などで広く食べられている料理です。
 以前ギリシャ料理としてツアー客に出しましたがレシピが違います。
 作り方は、ナス、パプリカ、玉ネギ、大豆、ラム肉をフライパンで炒めます。
 トマトソース、赤ワイン、調味料、香辛料で味付けをします。
 中東風の肉野菜炒めです。

ジャッダラー
 まず最初に玉ネギのみじん切りとオリーブ油で飴色玉ネギを作ります。
 次にコメ、レンズ豆、塩で炊き込みご飯を作ります。
 器に盛り付けて、飴色玉ネギをのせたら完成です。
 レバノンでは、パンと一緒にサラダ感覚で食べるらしいです。
 今回はムサカと一緒に食べることにします。

カリフラワーの素揚げ
 カリフラワーを油で揚げたあと、塩、胡椒、クミンなどを振りかけます。

     *

アンナ「飲み物はアイテムボックスから好きなものを出してください」

加藤 「料理の写真を撮ってもいいですか?」
アンナ「はい、どうぞ」

 カシャ。

アンナ「いただきます」
三人 「いただきます」

 わたしは料理の説明をしました。
 二人は食べながら聞いています。

加藤 「レバノン料理・・・初めて食べます」
志村 「ぼくもです」

 ぱくっ。

加藤 「うん。美味しいです」
志村 「極端な味付けではないので、食べやすいです」

加藤 「このレンズ豆、日本では見かけない食材ですね」
志村 「生徒達が知らない料理を食べるのはいい体験でなります」
加藤 「はい」

志村 「揚げたカリフラワーが美味しい」
加藤 「はい。茹でてマヨネーズで食べる調理法しか知りませんでした」

アンナ「なにか料理のついて要望はありますか?」
志村 「異世界独自の料理はないんですか?」
アンナ「ありますが、煮る、焼くなどのシンプルな調理法で、
    味が単調です。あまりおすすめできません」
志村 「そうですか」
加藤 「料理は美味しい方がいいです」
志村 「料理はアンナさんにお任せした方がいいですね」
加藤 「はい」

     *

 食事が終わりました。

アンナ「ごちそうさまでした」
三人 「ごちそうさまでした」

 わたしは食器類を魔法で片付けます。
 いま陽子さんも含め四人でお茶を飲んでいます。

アンナ「このあと、観光地をご案内する予定です。
    なにか要望はありますか?」
志村 「そうですね・・・異世界の街を見たいです。それと恐竜」
加藤 「私は景色がきれいなところ。
    それと、写真で見たクリスタルホールが見たいです」
志村 「いいですね。ぼくも気になっていました」
アンナ「わかりました」

 私たちはトイレを済ませたあと、コテージから出ました。
 観光地には陽子さんとマオも連れて行きます。

アンナ「まずは異世界の街から、ご案内します」

アンナ「転移魔法で移動します」

 わたしは転移先を千里眼で確認しました。

アンナ「転移」



 私たちは街の近くに転移しました。
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