異世界ツアーしませんか?

ゑゐる

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201 修学旅行初日です 9

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 ここはアンナミラの村です。

 私たちは試食をしたあと、畜産工房を出ました。
 乳清チーズのイェトストは好評でした。街でも人気が出るといいですね。

アンナ「次は畜舎をご案内します」

 畜舎は畜産工房の隣です。

アンナ「ここは畜舎です。ここでは様々な動物を飼育しています。
    牛、猪、羊、ヤギ、鶏、ウズラなどがいます。
    動物ごとに建物が分かれています。
    あちらに見える牧草地で放牧もしています」

女子 「あの牛って、オーロックス?」
アンナ「はい。そうです。ここでもオーロックスを飼育しています」

女子 「豚は、いないの?」
アンナ「はい。品種改良が進んでいないので、野生の猪を飼育しています」

アンナ「こちらに来てください」

 わたしは鶏舎けいしゃを案内します。

アンナ「ここでは鶏を飼育しています。ケージではなく、平飼いと言う
    飼育法です。卵は村で消費したり、街に出荷しています」
男子 「黒い鶏」
アンナ「はい。鶏も品種改良が進んでいません。野生の鶏、野鶏やけい
    そのまま飼育しています」

アンナ「ここで卵の生産をする以前は、卵は入手困難で高級食材でした。
    今は庶民でも買える値段で販売されています」

 私たちは鶏舎を離れました。
 次は農場を案内します。

アンナ「ここは村が管理している農場です」

女子 「広いね」
女子 「北海道みたい」

アンナ「ここでは、甜菜、ソバ、香草、芋類、豆類、野菜などを
    栽培しています。今ちょうど、菜種の種まきをしています。
    秋には小麦の栽培を始める予定です」

アンナ「あちらに見えている池は灌漑かんがい用水に利用しています。
    同時に魚の養殖もしています」

男子 「あの小屋、煙が出ているけど、大丈夫か?」
アンナ「大丈夫です。行ってみましょう」

 私たちは小屋に向かいました。
 煙は小屋からではなく、小屋の外から出ています。

男子 「ひょっとして燻製くんせい?」
アンナ「はい、そうです」

アンナ「こんにちは」
男性 「アンナさん、いらっしゃい。今日は大勢だね」
アンナ「村の見学をしています。なんの薫製ですか?」
男性 「マスだ。もう出来上がるころだ。食べてみるかい?」
アンナ「はい」

 わたしはアイテムボックスからテーブルと皿を出しました。

アンナ「今この村では生の川魚や干物を販売しています。
    そして薫製の試作品も作っています」

 マスの薫製が出来上がったので、2匹を皿にのせてもらいました。
 魚は骨を取り除き、身を適当な大きさに切りました。
 わたしは味見をします。

 ぱくっ。

アンナ「美味しい。皆さんもどうぞ」
男子 「うまい」
女子 「美味しい。これご飯に合うね」
男性 「これ、うまい」
アンナ「売り物になりますよ。きっと」
男性 「ありがとう」

     *

 わたしはテーブルと皿を収納しました。

アンナ「村の見学は終了です。
    ただ、この村は異世界の標準的な村ではありません。
    わたしが指導しているので、特別な村です」

男子 「電気やガスがないのにすごいよ」
女子 「試食したもの、美味しかったね」
志村 「いい体験ができました。面白かった」
アンナ「ありがとうございます」

アンナ「すみませんが、皆さんここで少し待っていてください。
    わたしは村長に挨拶をしてきます」
志村 「わかりました」

     *

 わたしは村役場の前に転移しました。
 ここに来るのは初めてです。

アンナ「アンナと言います村長さんにお会いできますか?」
職員 「少々お待ちください」

 職員が奥に入って、戻ってきました。

職員 「ご案内します。どうぞ」

 奥に通されました。

アンナ「私たちのグループは見学が終了しました。後で別のグループが
    来ますので、よろしくお願いします」
ジミー「わかりました」
アンナ「急速に発展していますね」
ジミー「はい。現在、宿と集合住宅の建築をしているところです。
    ギルドの出張所も検討中です。
    近い将来、村から街になるでしょう」

アンナ「なにか問題は起きていますか?」
ジミー「一部の人が住居や入居の順番をめぐってめたくらいです。
    大きな問題は起きていません」
アンナ「そうですか。安心しました」

     *

 わたしは村役場を後にしました。

 街を見学している陽子さんは、どうしているでしょうか。



 連絡しましょう。
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