異世界ツアーしませんか？

ゑゐる

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２２４　修学旅行３日目です　４

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　ここは、山の麓ふもとに広がる亜熱帯の平原です。その上空にいます。

　私たちはディプロドクスを見学した平原から転移してきました。
　眼下には１頭の恐竜が見えます。わたしはその恐竜に近づきました。

男子　「また恐竜だ」
女子　「さっきの恐竜に似てる」
アンナ「この恐竜はアパトサウルスと言います。
　　　　先ほどのディプロドクスに近い種類の恐竜です」

　アパトサウルスは全長２３mあります。全身の色は茶色です。

アンナ「アパトサウルスの特徴は、ディプロドクスに比べて
　　　　全体的にポチャリしています。胴体と首が太いです。
　　　　また頭もディプロドクスより大きいです」
男子　「言われてみれば・・・」

アンナ「この恐竜は、かつてこう呼ばれていました」

アンナ「ブロントサウルス」
志村　「その名前は知っています。
　　　　名前が変わったのは知りませんでした」

　わたしは、アパトサウルスの周囲をゆっくりと旋回飛行しながら名称変更の説明の始めました。

アンナ「最初はアパトサウルスが発見され、その後ブロントサウルスが
　　　　発見されました。そして研究がすすみ、この２種類の恐竜は
　　　　同一種であるとの見解が主流となり、
　　　　名称は、最初に発見されたアパトサウルスに統合されました」

アンナ「しかし、ブロントサウルスの名称を抹消すれば、
　　　　それまでの研究の成果が黒歴史になってしまします。
　　　　そのためシノニム（異名）を残して、論文や書籍の
　　　　検索や閲覧が出来るようになっています」
志村　「シノニム、初めて聞く言葉です」
アンナ「今回の件で言えば、アパトサウルスにはブロントサウルスという
　　　　シノニムがある。逆に、ブロントサウルスとはアパトサウルスの
　　　　シノニムである。とも言えます」
志村　「なるほど、知りませんでした」
アンナ「尚、シノニムは恐竜に限った話ではありません。
　　　　広く生物の分類で利用されています」

アンナ「例えば、色の違いやオスとメスの違い、あるいは幼体と成体の
　　　　違いによって別種として登録されることが時々あるそうです。
　　　　そう言った場合もシノニムが利用されます」
ローラ「勉強になるわね」

　前回の恐竜ツアーで得た知識が役に立ちました。
　シノニムについては、陽子に教えてあります。B組でも同様の説明をしているはずです。

アンナ「それでは、次の場所に移動します・・・転移」

＊　　　　＊　　　　＊

　ここは大きな滝の上空です。

　私たちはをアパトサウルスを見学した平原から転移してきました。

　ここは、何度かツアーで訪れている大きな滝です。ナイアガラの滝に似ています。
　MTVは光学迷彩をかけたままで、上空にいます。

　この滝の上流は幅の広い川になっていて、たくさんの小さな島が点在しています。
　周囲には湿地帯が広がっていて、たくさんの生き物が生息しています。
　そしてここには大きな翼竜が住み着いています。雄大な滝と大きな翼竜、両方が楽しめるお得なところです。
　
女子　「すごーい」
女子　「大きな滝」

アンナ「あちらもご覧ください」

　大きな翼竜が上空を旋回飛行しています。

男子　「プテラノドン？」
アンナ「あれは史上最大級の翼竜、ケツァルコアトルスです。
　　　　翼を広げた横幅は約１０mです」
男子　「すげえ」

　ケツァルコアトルスの色は、白、黒、灰色でトサカが赤です。首が長く頭が大きいのが特徴です。

　わたしはMTVを飛行中の翼竜に近づけました。

男子　「でけえ」
ローラ「飛ぶ姿が優雅で美しいわ」
志村　「これだけ巨大な生き物が飛行出来るとは・・・」

　翼竜は少しずつ高度を下げて、滝の上流に着地しました。

アンナ「ケツァルコアトルスは、直立すると高さがが約６mになります」
男子　「すげえ」
男子　「頭がでかすぎる」
アンナ「ケツァルコアトルスの頭部はとても大きいです。
　　　　ディフォルメキャラみたいですが、これが実際の大きさです」
女子　「なんか色々とヤバイよね」

　皆さん、翼竜の大きさに驚いています。

　翼竜は四肢を使って歩き、川岸に向かいます。

ローラ「歩き方がかわいいわ」

　翼竜は川岸に着き、水中を覗のぞき込んでいます。

　パシャ。

　魚を捕らえて丸呑のみにしました。

男子　「おおお・・・」
女子　「鳥みたい」
女子　「すごいね」
志村　「器用なものですね」

　そして、もう一度・・・

　パシャ。

　今度は捕食に失敗しました。
　
アンナ「失敗することもあるみたいです」
ローラ「かわいい」

　翼竜は歩いて滝の方へ向かいました。
　飛び立つところを見られるかもしれません。わたしは先回りをしました。
　MTVは滝壺の真上です。下では白い水煙が上がっています。

　翼竜は滝の縁までやって来ました。そして翼を広げます。
　翼に風を受けて、翼膜が張っています。
　飛び立ちました。

男子　「おおお・・・」
女子　「すごーい」

　巨大な滝と巨大な翼竜。大迫力です。
　翼竜は上昇気流を使って空へ舞い上がりました。
　当然わたしは動画を撮影しています。
　わたしは翼竜を追跡しました。翼竜は滝の上空を優雅に旋回飛行しています。

ローラ「見ていて飽きないわ」

　わたしも同感です。しかし・・・

アンナ「他にも見せたい恐竜がいます。
　　　　次の場所に移動してもよろしいですか？」
志村　「あと・・・１分だけ」
アンナ「わかりました」

　わたしは陽子さんに連絡をします。

アンナ「次の場所は＊＊＊＊＊＊」
陽子　「わかりました」

　私たちは翼竜の飛行を１分間眺ながめていました。

アンナ「それでは次の場所に移動します」

　皆さん、翼竜に手を振っています。

女子　「バイバーイ」

アンナ「転移」

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