魔族との戦争に終止符を打ちたい

1章 始まり

加護について

 　俺は気づくと木の子供用のベットの中にいた。
 すぐに散歩から帰る途中で眠たくなり寝てしまったことを思い出した。

（思ったているより俺の住んでいる家は大きくて安心した。そう言えばあの神様は、俺を子爵くらいの貴族にして転生させてくれるとか言っていたな。）

　そう思いながら横を見るといつもは閉まっているカーテンがあいており光がアーマンのいる部屋に差し込んでいるのであった。

（月が二つか。こうして見ると転生したことを実感出来るものだな）

　アーマンが思っているとおり、月が二つ夜の空に輝きながら存在していた。

（そんなことより、眠くないし、今は俺自身のことを調べないと。神様が全体的な身体能力や魔力をあげてくれたし、何が出来ることを調べないとな）

　アーマンはそこで、この世界には魔法があり、俺にも魔力があることを実感した今、やることなど決まっているのであった。

「あいあーおう」（ファイアーボール！）

もちろん何も出るわけない。

（ですよねー。やっぱり魔法を使うにはまず、自分の魔力がどこにあるか確認して、それを血管のように巡回させる必要があるのか？）

　俺はそう考え、まず魔力の存在を確認するために目を瞑り、ゆっくり集中していくと

寝てしまうのであった…







　朝になり目が覚めなんかベットが臭いなと思っているとまた泣いてしまった。

すぐに使用人（サリアちゃん）が駆け付け

「アーマン様。どうしたのです…あぁ、お漏らししてしまったんですね。すぐにかわりのオムツを持ってきますので少しお待ちくださいませ。」

（人生の記憶の中でこんなに恥ずかしい思いをしたのは初めてだ）

　そう思いながらアーマンはひとりで、羞恥心に震えるのであった。

　羞恥心に震えながら、お漏らしした臭いを我慢して少し待っていると、新しいオムツを持ってきたサリアちゃんが入ってきて

「それじゃオムツ変えますねー。
    ふんふんふーん  ふふーんふふーふー
はい！オムツの交換終わりました！これでもう大丈夫ですよ」

　鼻歌をしながらささっとオムツを交換したサリアちゃんはそれを一旦ゴミ箱に捨てに行くともう1度部屋に戻ってきて

「下で奥様と旦那様がアーマン様を呼ばれましたので旦那様のお部屋までお連れしますね」

　そう言うと俺を優しく持ち上げると抱っこしながらノーマンの部屋まで連れて行くのであった。

（俺のお母さんとお父さんが呼んでいると？なにか大切な話でもあるのか。それと俺がお父さんに会うのは初めてだな。イケメンであってくれ）

　疑問と願望を心の中で考えながらノーマンの部屋まで連れていかれるのであった。



 　サリアちゃんがノーマンの部屋の前まで行きドアを２回ノックすると、中から「入れ」と言われ中に入ると、

「アーくん。会いたかったよぉ～。アーくんってアーマンくんを略したのがアーくんだから要するにアーマンくんなの！」

　そう説明しながらアイーダはアーマンをサリアちゃんからもらい（奪い）アーマンの略称を話し始めたのだった。

（うん。お母さんの言っていることはよく分からない）

「アイーダ。落ち着いて。アーマンが驚いて口開けて驚いてるじゃないか」

「ごめんなさい。今日は教会の方が来てくれて、アーくんのステータスを見れると思うと楽しみで仕方なかったの」

（なに！ステータスが存在するだと！あの神様はステータスを付けるような存在では無いと思っていたんだけどなぁ）

「サリアは、教会の人物が来たらそのままここに通して構わないから早く連れてきてくれ」

「かしこまりました」

　ちなみにステータスで確認できる項目は、すべて決まっており、出身地、名前、加護の三つである。
例えとして

〈ステータス表示〉
出身地  アルバーン王国ヘンドリクス領地

名前 ノーマン・ヘンドリクス・ペネシット

加護  風の中級精霊の加護



　加護とは一定以上の知能と知識がある生物全てにつけられるものであり加護なしの人類は未だに存在していない。加護のクラスとしては以下のような3つのものに分けられる。

○○の〇級精霊の加護
○○の〇級精霊神の加護
○○の○○神の加護
（下級から上級まであり、下級から中級に上がるようなことも可能である）

　ちなみに人類の大半は精霊クラスの加護である。
だが、昔の英雄譚などでは、神の加護を持った4人の英雄が悪魔王と戦い封印したなどというのがあるため、絶対にいないということはないらしい。

　精霊神の加護は人類にはほとんどつかず、亜人と呼ばれる、エルフやドワーフ、獣人などにつきやすいと言われており、亜人のコミュニティの王は皆、精霊神の加護がいついていると言われる。



「旦那様。協会の方をお連れしました。」

「入ってきてくれ。」

「失礼します。」

 　ドアが開きサリアちゃんと男の教会の人が大きな荷物を持って部屋の中に入ってきたのだった。

「ノーマン。久しぶりじゃないか。子供ができたと聞いて安心したよ。アイーダも無事なそうだし。」

「ナトリクスも元気にしてたか。今日呼んだのはこのアーマンのステータスを見て欲しくてな。」

「そう言うと思ってあらかじめ持ってきたよ。」

　そう言って荷物の中から大きな水晶を取り出したのだった。