魔族との戦争に終止符を打ちたい

リンカルス

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2章 婚約と新たな火種

婚約発表前日その2

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アルバーン国王陛下の元に兵士が伝達を伝えに来た。

「失礼します!たった今バギラ帝国からの使者が参りました」

「やっと来たか。約束を破ったと思っていたがそこまで愚かでは無かったか。第1会議室まで案内しろ。」

兵士は敬礼をすると、すぐさまバギラ帝国の使者を第1会議室に案内するために、はや歩きで出ていった。

アルバーン国王陛下はほかの近衛騎士を呼び、既に数日前から到着して王城の部屋に泊まっている商業国家の重要人と、教皇を第1会議室に案内するように命令を下し、パルチナ宰相と最後の確認をしながら会議室まで歩いて行った。

会議室に着き少し待っていると、まず一番に会議室に入ってきたのはアイズ教皇だった。

「またせたかの」

「いえ、こちらこそ婚約発表前日にお呼びして申し訳ない。バギラ帝国の使者が少し前に到着しため、先に明日の内容を伝えておきたかったので」

「前日に到着するとは……まぁよい。それより話とはアーマン君の加護についてもかの」

「えぇ、それを伝えなければいけないと言う直感がしますし、私情であれだが、私の娘であるマリアとの結婚が出来ないので」

「なるほど。これも創造神様からの啓示名のかもしれんの」

そんな雑談をしているとまたドアが開き次に入ってきたのは商業国家代表の2名だ。

「おっと、ではまた後でな」

マラン教皇はそう言って席の方に向かっていっき、それと同じくらいのタイミングで商業国家代表の二人が話しかけてきた。

「アルバーン国王陛下、お話のお邪魔でもしてしまいましたか」

「いや大丈夫だ。こちらこそ急に読んで申し訳ないな」

「なにやら重要なお話があるようで。」

「手紙に書かれていた事じゃろう。当日まで聴けないのかと思ってしまったわ」

「ガンテツ殿とニーナ殿も待たせて申し訳ないな。バギラ帝国かの使者が今さっき到着したと伝達が来たのでお呼びした」

「帝国の奴ら今頃到着しおって」

「アルバーン国王陛下もあんな国無視すればいいと思いますわ」

「国同士の付き合いというものがあるからそういう訳にも行かないのだ」

(俺だって出来るなら無視しているわ。だが、この事がバギラ帝国に伝われば、何故呼ばないのかとめんどくさいことになるから呼ぶしかないんだよ)

表面上では仲間だからと言ってはいたが、内心では変に文句を言われてもめんどくさいという理由、呼ぶ以外の選択肢はなかったのだ。

「そうでしたわね。先程の話は忘れてください。私達はアイズ教皇にも挨拶をしてきますわ。ガンテツ行きますわよ」

「言われなくても分かってるわ」

そう言って二人はアルバーン国王陛下に一礼をすると、席に座っていたアイズ教皇の方に挨拶をしに向かっていった。

それからまた少し経つと、最後に到着したバギラ帝国の使者であるザンク・バギラ・ファフカーン第1王太子が入ってきた。

入ってきた途端とんでもないことを発言したザンク第1王太子。
「ついてきてくれと思って来たら何でこんなところに亜人がいるんだ。亜人の獣臭がして仕方ないぞ」

ザンク第1王太子は商業国家の代表二人に向かって悪口を言い、こいつらをどうにかしろとアルバーン国王陛下に向かって目で訴えた。

だがアルバーン国王国王陛下はその目線に気付かないふりをし本題に入ろうとしたが、商業国家の二人は舐められ、種族まで馬鹿にされたうえで黙っていられるほど心は広くない。

「重要な話って知ってんのに前日に着くような奴にバカにされる筋合いなんてねーよ」

「馬車も護衛も馬も全てにおいて質が低いせいで遅れるのではないのでは。もっと質をあげてから出直してはどうでしょうか」

「亜人ごときが俺様に気安く話しかけてくんじゃねーよ」

商業国家代表二人とザンク第一王太子の間に嫌悪な雰囲気が漂った……

ドンッ!

アイズ教皇が机を叩き、

「お主らはここに喧嘩をしに来たのか。それならば帰れ。アルバーン国王も忙しい中時間を作っているのじゃからそれを無駄にする気か」

3人は一番怒らせてはいけないアイズ教皇が怒っていることを察した。

ガンテツとニーナの二人は、すぐにアイズ教皇とアルバーン国王陛下に謝罪をし、自分の席に戻って行った。

ザンク第一王太子は周りに聞こえない程度の舌打ちを死ながら空いている席に着席した。

「ではこれより明日の話す内容について先にお伝えしておく。一つ目は我が娘のマリアが婚約するためにお呼びした。」

3人はそんなことだろうなと思いながら次の話を求めた。

「ではこれを先に見ていただきたい」

そう言ってアルバーン国王陛下は一つの動画保存用の水晶を取り出し映像を流した。

映像にはアーマンのステータスの部分が流れており3人は加護の所を見ると信じられないという顔をした。

「これは本当なんですか」

「ニーナ殿も知っておるだろう。この水晶は保存はできても偽造は出来ないことくらいは」

「えぇそうですわね」

「生まれて始めて創造神の加護を持った人を見たわ」

二人は創造神の加護を見れたことに感謝した。

逆にザンク第一王太子は不愉快そうな顔をしていたが、アルバーン国王はその事について何も言わずに次の話をした。

「この創造神の加護を持つ人物がマリアの婚約相手のため手は出さないようにお願いする。それとこの者を公爵に上げることが明日の話す内容だ」

そう言ってアルバーン国王陛下は聞きたいことはないかとそれぞれに顔を向けた




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