異星壊~Star broken love~

吉良常狐

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狐指輪編

#26 夢〜dream side wedding〜

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 私――星河哀せいがあいは懐かしくもあり、思い出したくない悪夢を見てしまっていた。
「お父さん!てる君と別れろってどういうこと?!」
「言った通りだ」
「納得できるわけないよ!」
「お前にはもっと相応しい男がいる」
「あんな軟弱な男ではお前と釣り合わん!」
「そんなぁ!」
「仮に振らないでみろ、あいつがどうなるかわかるか?」
「わかったわよ……」
 その話をした次の日。
「別れましょう」
「え?」
「なんども言わせないで、別れましょう?」
「な、なんで!何かしちゃったかな?!僕!」
 そう叫ぶ照君……
「お前に我が娘は相応しくない!」
「お父さん?!」
 お父さんは拳銃を取り出し、照君を撃ち続ける。

「もうやめて!」
 
 ガバッ
 
 っと布団から飛び起きる。
「はぁ、はぁ」
「夢ってわかっててもきついわね」
『大丈夫ですか?かなりうなされてましたけど』
「なんとかね」
 別れる数日前、私はスターちゃんに出会った。
 そして、私にスターちゃんの同族は協力すると言っていた。
 正直何か裏があるのではないかと疑ったけど、照君とまた一緒に過ごすためなら、何も苦じゃない。
「ねぇ、なんでスターちゃんは私に協力してくれるの?」
『私たちは恋愛感情を使って生きています』
『それも見るだけで回復できます』
『しかし、我々はエネルギーとする一方で多種族の恋愛感情じゃなくては生活できません』
『自分たちの恋愛を見ても何もエネルギーはたまらないのです』
『そこで、貴方のその強い恋愛への想いに私たちが引き寄せられたんです』
「なるほどねぇ」
「異星人ってわけね」
『まぁそうですね』
 嘘じゃない確認が取れない以上、信用するしかないのだけど、やっぱり怖いわね。
『それよりも、そろそろ学校のお時間では?』
「ほんとだ!」
『もう支度はしてありますので』
「ありがとう!」
 そう言って学校に向かう私。
 照君とは違う学校に通ってるから、目の保養がないのよねぇ。
「おはよう!」
「あ!おはよう!哀ちゃん!」
 目の前にいるのは、喜乃きのちゃんと、藍楽あいらちゃんの2人。
「今日は珍しく遅いのね」
「ちょっと寝坊しちゃってさ」
「あなたが寝坊なんて珍しいわね」
「ほんとほんと!無理しないでよ?」
「ありがとう喜乃ちゃん」
 この2人には私のやっていることは知られるわけにはいかないわね。
 友達だけは巻き込まないようにしないと。
「それよりも、今日までの選択授業の課題やった?」
「え、あったっけ」
「星の王子様の和訳あるわね」
「え?ほんと?!」
「やってないー!」
「ほら、写しなさい」
「ありがとう藍楽ちゃん!」
「全く、感謝しなさいよ?」
「うんうん!」
「藍楽ちゃんちょっと甘くない?」
「そうかしら?」
 なんて話をしていると周りが
「やっぱあの3人は違うよなぁ」
「わかる、聖域だよな」
「あの3人に告白する人は後を絶たないらしいぞ」
「マジで?」
「それも全員断ってるらしい」
「なんでも全員心に決めた人がいるとか」
「一体どんなやつなんだよ~!」
 結構噂になってるみたいね。
 まぁもう何人断ったかなんて覚えてないんだけどね。
「ありがとう藍楽ちゃん!」
「え?もう写し終わったの?」
「うん!」
「ほんと喜乃は写すの早いわね」
「それだけが取り柄だからね」
 そういえば、この2人はちょっとした特殊能力みたいなのがあるのよね。
 喜乃ちゃんは模倣するのがすごく上手くて、一度見たものはすぐなものにするし、藍楽ちゃんは神がかった予測能力があるのよね。
「そういえば最近、怪人が出るって噂、知ってる?」
「聞いたことあるわね」
「でも、警察にそれ用の特殊部隊ができたんでしょ?」
「ニュースでやってたわ」
「でも怪人って人智を超えてるらしいじゃん?」
「警察なんかで敵うのかな」
「わかんないわね」
「哀ちゃんはどう思う?」」
「とりあえず言えるのは、関わっちゃいけないってことね」
「確かに、私たちは関わらずに警察に任せるべきね」
「でも警察以外の対抗勢力もあるみたい」
「え?」
「これはニュースではやってないんだけど」
「KATANAって言われる人が怪人を倒してるってネットでは有名なのよね」
「一説では怪人の裏切り者なんていう話もあるみたい」
「なるほどね」
「怪人ってどういう人を襲うんだろうね」
「わからないわね」
 やっぱりこの2人は巻き込みたくないわね……
「ねぇ、哀ちゃん」
「な、何?」
「さっきから難しい顔をしてるけど、なんか悩み事?」
「いや、まぁね?」
「やっぱり、星井照ほしいてるのこと?」
「藍楽ちゃん……」
「やっぱりね」
「そんな気がしたのよ」
「あの男と別れたのが結構効いてる感じよね……」
「うん」
「まぁ見てるこっちが恥ずかしくなるくらいイチャイチャしてたらそうなるか」
 本当は手に入れたいけど難しいのが悩みなんだけど、そんなこと言えるわけ……
「ねぇ、哀ちゃん」
「私たちに手伝えることがあったらなんでも言ってよ!」
「ありがとう、2人とも」
 やっぱりこの2人には絶対にこっち側にきてもらうわけには!

 放課後、私は父親に呼び出されていた。
「哀、あの会社の御曹司との会食の日が決まったから伝えておくな」
「はい、お父さん」
 あのクズ男嫌いなのよね。
 金にもの言わせてる感じがして。
「はぁ……」
 先が思いやられながらも、時間は過ぎていくのだった……
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