あの幸せだった日々

月ノ透華

文字の大きさ
3 / 3

3話:日常

しおりを挟む
あれから、二日経ち金曜日になった。
僕と夕歌さんの関係は学校中で知れ渡っていた。
考えれば、わかる事だが多分、夕歌が告白を断る際の理由に使って広まったんだろう。
そんな、ことを考えながらぼーっとしていると突如背後から声をかけられた。
「よっ!」
そう、挨拶をされた。
声を掛けてくる男なんて奴なんて、見当が付いているが、一応念の為に振り返ってみると案の定、やつの和津斗の姿がそこにはあった。
「おはよ」
挨拶に対して和津斗は僕に対して
「なんでそんな顔を顰めてんだ」
と予想外の一言を言われた。
それに対して僕は
「少し考えてたからそのせいかも」
と少しはぐらかしておいた。
和津斗は僕に対してこう言ってきた。
「お前、夕歌さんと付き合ったって本当なのか?」
「おい、声が大きい」
そう和津斗を制止させた。
「すまねぇな」
「それでどうして夕歌さんと付き合う事になったんだ」
和津斗からその想像通りの質問が飛んできた。
それに対して僕は小声でこう問いかけた。
「本当に付き合ってると思ってるのか?」
「絶対ない、ありえない」
ごもっともな意見だけど、それにしても言い方が度直球で酷すぎる。
「その反応的に夕歌さんが勝手に付き合ってるっていってるだけか?」
その質問に小声で
「いや、夕歌さんにただ
付き合うフリを頼まれて了承しただけだ」
「お前って、そういうの許可するタイプだったっけか?」
「いや、まったくだぞ」
「そもそも、人前で顔赤くしてにそんなこと言われたら断れねぇだろ普通」
これはマジで思うのだが、あんなこと人前でされたら集団圧力で断るの大抵の人間は無理だと思う。
「それもそっか」
和津斗が一言呟いた。
そんな会話をしていると、夕歌さんがやってきて話しかけてきた。
「妖華さんと、、」
どうやら夕歌さんは和津斗の名前がわからないようだ。
「ねぇ、お名前教えてくれる?」
名前のはからない夕歌は和津斗に名前を聞いた。
「和津斗です」
「和津斗さん、妖夢さんとも仲良さそうだし今度の日曜日一緒に遊びに行かない?」
そんな、夕歌さんの突拍子のない一言に対して、和津斗は
「いきたい気持ちは山々なんですが、生憎その日は予定があるので遠慮させていただきます」
そんなことを言いながら和津斗は口角を上げて少しニヤついていた。
こいつ、絶対にわざと断りやがった。
妖華はあとで締めてやると心に誓うのだった。そうして、今日も今日とて学校が終わり、身支度をすましていると夕歌さんに話しかけられた。
「あの」
「朝に一緒に遊びに行こうって話したでしょ?」
「何処か行きたい場所があるか聞いときたくて」
その問いに対して僕は
「僕は行きたいとかないから夕歌さんの好きなところに行きなよ」
夕歌さんの質問に答えると
「わかったありがとね」
と感謝された。
その後、夕歌さんはルンルンと鼻歌を刻みながら帰っていったため、今日はいつものように夕歌さんと帰るのでなく1人で妖夢は家に帰るのであった。
そうして、家に帰ってきた僕はゆっくりと休んでから眠りにつくのだった。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

不思議な夏休み

廣瀬純七
青春
夏休みの初日に体が入れ替わった四人の高校生の男女が経験した不思議な話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

秘められたサイズへの渇望

到冠
大衆娯楽
大きな胸であることを隠してる少女たちが、自分の真のサイズを開放して比べあうお話です。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

交換した性別

廣瀬純七
ファンタジー
幼い頃に魔法で性別を交換した男女の話

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...