12 / 35
物語11
しおりを挟む最近私は朝六時には、目覚まし時計が鳴らなくても目が覚める。歳なのだろうか?
雨だと憂鬱だが、天気の良い日は朝起きて食事の前にポチを連れて、水元公園に散歩に行く。
朝の水元公園は釣りのメッカでもある。
散歩を楽しんでいる人の傍らで、釣り人たちが竿を伸ばし糸を垂らしている。釣れるのだろうか?私は昔でも今でも、見たことが無いが?でも釣り人がいると言う事は、釣れるんだろううね、きっと。
釣り専用の場所も出来たくらいだし、ポチに話しかけたら、ポチも「そうだ」と頷いていた。
散歩が終わりパンとコーヒーで朝食をすまし、ポチに「行ってくるよ」と声をかけ自転車でバイトに出かける。でも最近またポチが元気が無い(なぜ?)とても気になる。ポチは私に取り家族と同じだ。バイトの時間も気になるが、しばらくポチの具合を見ることにした。
いつもなら元気なのに体を丸めてうずくまっているし、何か悪いものでも食べさせた思いは無いが、下痢気味だった。そのうち医者に相談しようと思ったが、ふと大田さんの顔が浮かんだ。(彼なら犬の症状に詳しそう、明日も会えるし、その時聞いてみよう)と思いバイトに出かけた。雨が降っても店は近いので問題は特にない。
店に付き合い鍵でドアを開け、玄関や窓を開けて、開店の支度をする。
アルバイトがちゃんと来るか、店の中やトイレ周りを掃除しているかチェックし、来ない時は電話連絡して叱る。
「もう止めるの?はっきりしてくれないと困るんだけど」つい大きな声になるのは、無責任な奴等を相手に話をする時だけだ。いつもは穏やかに話しているつもりなのだが?
昼時は猫の手も借りたいほど忙しい。先日雇ったおじさんもよく働いてくれる。
おじさんは看板には成らないので、開店前の店前の掃除や調理場で皿洗いとゴミの始末を頼んだ。
良く食べ残しなどが沢山有る。仕方ないと思いつつ、半分は「勿体ないな」と思ってしまうのは、貧乏性なのだろうか?
この職場もあのスケベな社長さえいなければ、良い職場なのだが?私は触られたことはないが、若い娘などお尻をいつも触られる。そのうちセクハラで訴えられるから!
私は社長の奥様から「家の亭主が悪いことしたら、すぐ報告してね」と言われているが、内心は面白くない。そんなスパイの様な仕事はしたくないし、無給だし!
私のシフトは特にきまりは無い。一応土曜と日祝日がお休みで、勤務は朝十時から十九時までの八時間、と決めては有るがそうも言って出る時も有った。勤めの時間のうち休息が六十分。時給九百二十円。このままいつまで勤められるか解らないのだが、今さえ良ければ良いと思うしかない。明日のことなど考えても、他に仕事もないし仕方ないと思っている。
とにかく今はポチなど養っている家族が居る。彼らのためにも不平など言っていられなかった。でも最近のポチに具合には気になった。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを
青の雀
恋愛
シンママから玉の輿婚へ
学生時代から付き合っていた王太子のレオンハルト・バルセロナ殿下に、ある日突然、旅先で置き去りにされてしまう。
お忍び旅行で来ていたので、誰も二人の居場所を知らなく、両親のどちらかが亡くなった時にしか発動しないはずの「血の呪縛」魔法を使われた。
お腹には、殿下との子供を宿しているというのに、政略結婚をするため、バレンシア・セレナーデ公爵令嬢が邪魔になったという理由だけで、あっけなく捨てられてしまったのだ。
レオンハルトは当初、バレンシアを置き去りにする意図はなく、すぐに戻ってくるつもりでいた。
でも、王都に戻ったレオンハルトは、そのまま結婚式を挙げさせられることになる。
お相手は隣国の王女アレキサンドラ。
アレキサンドラとレオンハルトは、形式の上だけの夫婦となるが、レオンハルトには心の妻であるバレンシアがいるので、指1本アレキサンドラに触れることはない。
バレンシアガ置き去りにされて、2年が経った頃、白い結婚に不満をあらわにしたアレキサンドラは、ついに、バレンシアとその王子の存在に気付き、ご落胤である王子を手に入れようと画策するが、どれも失敗に終わってしまう。
バレンシアは、前世、京都の餅菓子屋の一人娘として、シンママをしながら子供を育てた経験があり、今世もパティシエとしての腕を生かし、パンに製菓を売り歩く行商になり、王子を育てていく。
せっかくなので、家庭でできる餅菓子レシピを載せることにしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる