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滝本幸助
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しおりを挟む—幸助side
桜が咲きだした3月の終わり。
俺は横浜駅近くにある・・・とあるビルの2階に来ていた。
窓際の席に案内されて、窓からの景色を眺めると丁度大きな桜の木がある。
「お待たせしましたー・・・・滝本様・・・・」
そう言って大きな封筒を抱えて俺の前に来たのは飯岡さん。
「あー・・・お忙しそうで・・・・」
俺がにっこり笑って頭を下げると、飯岡さんも俺の前に座り封筒を置いた。
思わずその・・・少し厚みがある封筒に目が行ってしまった。
飯岡さんはニッコリ笑って
「お陰様でー・・・最近結構忙しいんですよ、でもね!ご依頼いただいていた件はしっかりとお調べさせて頂きましたので!」
そう言って持ってきていたふ頭を俺の方に差し出し、
「先ずは中を見て頂いてもよろしいでしょうか?」
凄く・・・緊張した。
今まで、美晴にこう言った調査はした事があったが・・・・毎回何も見付からなかった。でも・・・絶対何かがあるって前から思っていたんだ。
そして、今回のあの旅行。
絶対に男と2人で行ってるはず。
そう思った・・・・。
しかし、それを目視するのは初めて・・・・・・。
俺だって普通の人間・・・・。
傷付く事だってあるし、プライドもある。
封筒に手を入れて中身を・・・・
『ふぅ・・・・』と、ため息をつくと飯岡さんは
「まぁ・・・・お辛いとは思いますが・・・・現実を先ず見て、この先の事はまたこれからですよ」
そう言ったんだ。
その言葉で大体予想が付いた。
美晴は・・・黒か。
ゴクッと唾を飲み込み、中の資料と写真を出し・・・テーブルに並べた・・・・・。
写真・・・・・写真・・・・・写真・・・・・。
その沢山の写真・・・。
それは、もう何年も見ていない美晴の笑顔だった。
美晴は、モールの定休日にモールのイベントで伊豆に行くとそう言った。
一緒に居る女の子はショートカットのまだ若い可愛い子で、いつもその子と居る姿が写っていた・・・・が、その・・・反対側にいつもいる・・・・。
若い男・・・・。
美晴と手を繋いでいる写真もあり、楽しそうにスーパーで買い物をしたり・・・・高級車の脇でくっついて喋ってる写真・・・。
いつも美晴の隣にはその・・・金髪の若い男が居たんだ・・・・。
胸をナイフで刺されているような・・・そんな気分だった。
飯岡さんは資料を見ながら、
「当日は横浜駅で集合し・・・お店の方々とというのは本当ですね・・・・しかし、他の店のスタッフの・・・・彼等と合流し、この金髪の男性の車で伊豆へ・・・旅館もこの男が手配していると思われます」
何だこの男は・・・・。
見た感じは20か21か・・・・いかにも遊んでそうなそんな雰囲気だ。
そして、最後の方に出てきた写真は・・・・夜、砂浜でその金髪男と美晴が手を繋いで歩いている所や・・・抱き合っている姿。
もう・・・泣きそうだった。
アイツは俺に隠れてこんなバカみたいな男と浮気していたのか?
この男と・・・・昔から逢ってたんじゃないのか??
でも何でこんなバカみたいな奴・・・・。
ギュッと拳を握っていると、
「滝本様、説明を続けさせていただいても良いですか?」
飯岡さんがそう言った・・・・。
出来れば聞きたくないが、ここまできたら・・・・最後まで聞いてやろうじゃないか。
黙って頷くと、
この男の名前は、
上地龍、23歳。
職業は、桜木町モール内のセレクトショップの店長。
元々湘南のマンションで一人暮らしをしていたが、最近馬車道に出来た超高級マンションの最上階を購入。
車も自身の持ち物でおそらく2000万円以上するもの・・・・。
てか・・・・。
たかがショップ店員で何で馬車道のあのマンションっ?!
車だって・・・・。
今流行の詐欺とかやって稼いでるとか?
薬とか売ってるとか・・・・。
「奥様が頻繁にこのマンションに行っているという情報はありませんが・・・・一度このマンションに入って行った事が目撃されていますのでこのマンションの事は奥様も知っているはず」
そんなの見りゃ分かるだろ・・・。
抱き合ってんだから、そのマンションでやりまくってんだろ?
てか・・・・何なんだそのガキ・・・・・。
人の嫁を弄び、飽きたら捨てるんだろ?
すると、飯岡さんは
「実は・・・・彼の身内が非常に気になりまして・・・ただ、このままお調べする場合は契約延長となりますがどうされますか???」
そうか・・・また違う人を調べることになるもんな。
「あー・・・調べてください・・・・」
ここまで来たら、とことん調べて欲しい。
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