HANAMIZUKI~貴女を永遠に想います

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焦り

「それで焦ってるんだぁ???」
と、ニコニコ笑い俺の前に座るのは・・・・週1で通っている精神科医のカウンセリングの先生。

多分55.6で、真ん丸の顔でメッチャ優しそうなおばさんだ。
お袋と同じくらいの年だと思うけど・・・お袋とは全く違うタイプで優しい感じ。

最初の頃は美晴ちゃんと一緒に来ていたが、最近・・・シフトも合わせていないからカウンセリングも1人で来ることが増えた。

この前、美晴ちゃんが賃貸物件を見ていることを初めて知った俺。
正直・・・・もの凄くショックだった。

自分が美晴ちゃんを放っておいて、美晴ちゃんが離れていこうとしたら急に焦るなんて・・・最低な奴だよな。
俺って・・・・・。

「でも・・・ただ物件見ていただけかもしれないし、本人からは言われてないし・・・」
この期に及んでまだそんな事を言う俺。

精神科医の先生は笑って、
「まぁ、女は決めると早いからね!・・・少し彼女の事思いだしたんだ???」
そう言った。

美晴ちゃんの事を思いだした??
というか、なんとなく・・・断片的に、これ何か覚えてるぞって・・・物を見て思う程度。

「少しだけです・・・これが好きだったんじゃないかなとか・・・そういう感じで」
俺がそう言うと、先生は
「良いのよ、それで・・・焦らないで、色々なものに目を向けて・・・懐かしく思った物とか何かあったら彼女に聞いてみたらいいんじゃない?彼女は嬉しいと思うよ」


焦らないでって・・・・焦るでしょ。
彼女が家探しだしてるんだぜ???
マジかよって・・・かなり追い詰められた気分だった。

病院を出て駐車場に止めている自分の車に乗り込み、病院のカフェで買ったコーヒーを飲みながら一服。
最近、助手席に誰も乗せていないから荷物置きになっている。

マフラーとか帽子とか置いてある寂しい助手席を眺め、コンソールボックスを開けた。
ん???

そこから出てきたのは、1枚の婚姻届け。

これ・・・・いつ俺取りに行った???




—美晴side




今日は私は仕事。
龍、病院大丈夫だったかな・・・。

朝、珍しくラインが来ていて・・・それはなんてことない内容だったんだけど・・・・。
ちょっと嬉しかったの。

『朝ご飯ありがとう!病院行ってきます!』

以前は毎回シフトを合わせて、病院も一緒に行っていた・・・けど、年明けから一緒に行くことはなくなった。
というより、シフトを合わせて作らなくなったの。
だから、日々・・・すれ違いだった。

でもね・・・、やっぱり龍の事が頭から離れない。



「美晴さん最近ため息ばっかりですね」

ハッ・・・・・。
その声にビックリして顔を上げると、目の前には遅番の野木ちゃんが立っていた。
私は時計を見て、

「もうこんな時間っ?!やだ!!ごめんー・・・・」
私朝からここでボーっとしてて何もしてないじゃん!!

すると、野木ちゃんはバックヤードに荷物を置きながらケタケタ笑って、
「ぜんぜーん!今日お客さん少ないですねー・・やっぱり平日だし、ボーっとしちゃいますよね」
ダメだな私・・・。
こうやって、後輩に気を遣わせている!!!///////



—野木side



はじめまして、私は野木渚、29歳の独身です。

このモールがオープンした時、ここで働きだした。
元々wreathというブランドに憧れていて、好きだったけど高くて中々買えなかった。

だから働けることになった時凄く嬉しかった。
でも、以前の店長とサブはかなりキツイ人達で・・・一緒に働いていて凄く大変だった。
毎日気を遣うし、機嫌悪いと八つ当たりばかり・・・・。

もう派遣の契約を切ってもらおうかと思い、派遣の営業さんに相談していた所・・・美晴さんが異動してきた。

美晴さんは本社の研修でも何度かお見かけしたことがある、凄く綺麗な人。
でも話したことはなかった。

実際会って話したら、もの凄く優しくて話しやすい・・・やっぱり素敵な人だった。

そんな人に、辞めないでって・・・これから一緒に楽しく働きましょうってそう言われたら・・・嬉しくなっちゃってそのまま契約を更新した。

そして、桜木町の店舗から来た佐藤さんは私より若くて元気がいい社員さん。
私が年上だから結構気を使ってくれる優しい人だ。

以前の当たりが強い、社員2人とは全然違う2人。
お店の雰囲気も全然変わって・・・最近凄く売り上げも良い!

あー・・・2人が来てくれてよかったって・・・心から思う。
だから私は2人をかなり尊敬していて信頼してる。

そんな美晴さんが・・・ここ最近凄く元気がない。

バックヤードから出て美晴さんの方に行き、
「何かあったんですかー?」
と、聞くと・・・
「あーー・・大丈夫大丈夫!!ぜんっぜん!!」
そう言って胸の前で両手をブンブン振った。




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