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世界で一番寂しがりやな男
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食事の片付けには幸は来なかった。
その代わり、女将さんが・・・・挨拶に来たんだ。
「高梨様・・・・本日のお食事はお口にあいましたでしょうか・・・・・」
ニコニコ笑う女将さんは・・・確か・・・以前幸に聞いた事がある。
幸のお袋さんの同級生で親友だとか・・・・。
「あ・・・、美味しく頂きました。あのー・・・急な予約で申し訳ありませんでした・・・」
俺がそう言うと、女将さんはニッコリ笑って、首を横に振った。
「いいえ・・・こちらこそありがとうございました・・・・。堂本様はお元気ですか?」
そうそう、この旅館は祐司さんが子供の頃から社長と祐司さんのお兄さんと3人で年に何度か来ていたらしく・・・今の大女将の時代から良く知っているらしい。
「祐司さんは仕事忙しそうにしていますが・・・元気ですよ。社長もたまに会いますが凄く元気そうです・・・・」
そう言うと女将さんはお茶を入れてくれて、
「そうですか・・・・・あのー・・・つかぬ事をお伺いしますが・・・・高梨様は、以前幸と・・・熱海の実家にいらっしゃった方?」
—女将(節子)side
私は生まれも育ちも熱海。
幸の母親の香とは幼少時代からの親友で、ここの支配人のサブちゃんも小学校からの同級生。
3人でいつも一緒に居て、大人になってからもよく3人でご飯を食べるほどの仲。
そんな香が何年か前に体調を崩し、詳しく調べらた体内に悪性腫瘍が見つかった。
しかしそれは癌と診断されず、治療も難航。
今もの凄い高い抗がん剤治療中。
私とサブちゃんも少しでも助けたくてお金を渡すけど・・・香は毎回受け取らない。
だから、せめて食事だけはと思い・・・サブちゃんが良くご飯を届けていた。
幸がある男性と知り合って横浜に出稼ぎに行き、全く帰らなくなって・・・香は心配で心配で・・・ずっと元気がなかった。
どんどん痩せていってしまう香を私も凄く心配だった。
でも・・・今年のお正月に、幸が・・・・横浜に一緒に行った男性とは違う人と、その友人カップルと熱海の実家に現れた・・って・・・・。
それがもの凄く素敵な男性で、優しくて・・・友人カップルが・・・あの有名なシンガーのHADUKIだったって・・・・。
私を何故呼んでくれないのよ!!!////////////
って思った。
しかもその男性が香の治療費を全て出してくれて、幸と付き合っているみたいで・・・香はその日からまた・・・もの凄く元気になった。
そうしたら突然2月14日。
バレンタインの夜に、幸が帰ってきたって・・・・。
1人で・・・・。
幸は翌日もその翌日も、ずっと泣いていて・・・でも、うちで働きだし少しずつ元気になってきた。
詳しい話は聞けず、香がずっと心配して・・・私に電話をくれるの。
あの、もの凄く素敵な・・・高梨仁君という青年とは別れてしまったのかって・・・。
そう聞かされてたの。
だからね、今回堂本様がお電話をくださって・・・高梨様のお名前を聞いた時・・・ピーンと来ちゃった!
あ、幸を迎えに来たのかしら?って・・・・・。
高梨様は、私が想像していた以上に・・・格好良くて、芸能人以上のルックス。
清潔感もあって、話し方も落ち着いていて優しそう・・・。
そして、ずーっと・・・・幸を見ているの。
私はお茶を飲む高梨様を見て、
「幸を・・・・・迎えにいらっしゃったんですか?」
そう言った。
高梨様はビックリした顔で私を見ると、・・・穏やかな顔でニッコリ笑ってお茶を飲み
「そうですね・・・僕は幸さんを迎えに来たつもりだったんですが・・・・完敗しました・・・」
・・・・・・・・。
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