恋文~everlasting love

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兄貴達を上回る弟達

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—湊side



裸で縛られ、転がってる昌也を龍は足で蹴飛ばしながらアイコスを吸った。
「あ~あ、俺今夜美晴といっぱいHしようと思ってたのにさ~・・・・・コイツなんなんっ?!」

龍って・・・・
敵には結構残酷!!!

俺もアイコスを出し一息つくことに・・・。
すると、
「昌也さー・・・もうしつこい!お前幾つだよ!もう違う事考えて少しは世の中の為に動けよ!マジで煩わしい」
龍がそう言って転がってる、昌也を足で転がす・・・・。

すると、昌也は俺の顔を睨んできて
「お前の兄貴に言っとけ・・・・俺は直ぐにお前が居る場所に行き・・・お前を刺して・・・・その横で蓮見をやってやると・・・・。」
兄貴もこんな奴一発殴って黙らせちゃえばいいじゃん。

「コイツまだそんな事言ってる!世界ちいせーなー・・・、ね・・ヤクザまだ来ない―???」
龍は昌也を足置きにでもしてるかの様にグイグイ足で踏みながら言った。

すると、
バタバタと足音が聞こえ開けっ放しにしていた部屋に3人のチンピラ系の男が部屋を覗いてくる。

何だこのチンピラ。
するとその3人は俺と龍を見て、
「おいおいっ女は何処だ?」
チンピラAは入って来て直ぐにそう言った。


龍は椅子から飛び立ち、
「なんだ、チンピラかよ・・・・じゃー俺等話すことないね?もう帰るわ・・・・」
龍は笑ってチンピラAに煙を掛けそう言った。

「はぁぁ~???お前なんだッ???うちに払う金がねぇって言うから女を渡せと言っといたんだ!!そういう約束だぞッ!!!」
チンピラBが龍の胸を押し言う。


龍はチラッとそのチンピラを見て、ドンッ!!!!っと胸を押し返し・・・・。
「女の売買とか古い事やってんじゃねぇよ!!何処のやくざだ?やり方古いんだよ」

あ~・・・・あ、・・・切れちゃった。

「はぁぁ~ッ?!クソガキなんだてめぇッ!!!」

俺はそのもみ合いの間に入り、
「何処の人達?」
そう聞いた。

すると、
「あれ、誰かと思ったら・・・龍と湊か・・・・」
もの凄い低い聞き覚えがある声が背後から聞こえ、振り返ると・・・・・、50代の男がスーツ姿で部屋の入口に立ってこっちを見て笑っていた。

ハァ・・・。
このチンピラのボスはこの人か。


「騒ぎがあったと聞いてちょっと寄ってみたら・・・お前等に会えるとは思わなかったな・・・・」
すると龍は、その男をじっと睨んで・・・・・
「皆川さん・・・アンタのとこは未だに女の売買やってんだ?」

・・・・・。
皆川啓二・・・。関東の指定暴力団の1つで、大角会の新宿事務所の若頭。

新宿は大角か剣崎か西城。大角は横浜でも幅を利かせている。

その中でも一番古いのは大角だ。
皆川さんはニヤッと笑って、
「女の売買ねぇー・・・・・・まぁいい、涼や淳は元気か?」

俺と龍は高校の時に横浜で声を掛けられて、俺等はヤクザは面倒というイメージしかないから・・・・ずっと無視。

俺は、
「皆川さん、金に目がくらんでコイツと取引を?この男は俺等兄弟にとって大天敵、もしアンタがコイツに手を貸すなら・・・俺等だってそっち巻き込んでそれなりに動きますよ」
俺がそう言うと皆川さんはププッと笑い・・・・。
「怖いな~・・・お前等・・・噂は聞いてたけど随分大人になったな?別に俺はお前等と揉める気はない・・・今回の件は下が勝手にやった事だ」



すると、
「湊もう帰ろうぜ???」
龍はかったるそうに歩いてきて、皆川さんを見てそう言った。
皆川さんも龍の顔をジッと睨み、
「おい、龍・・・お前相変わらずだなー・・・目上の人への話し方を知らんのか?」
そう言って龍に顔を近付ける。
龍も少し笑って、皆川さんの顔をジッと見て

「目上?ここに目上の方なんていらっしゃいましたー?」


するとチンピラ3人が、
「おいクソガキ、ぶっ殺すぞ!!!!!」
すると皆川さんは笑って手を広げ・・・チンピラを止め、また俺と龍をジッと見て
「お前等まだ神奈川に居るのか?」
「居たらどうなんだよ」

龍はそう言って皆川さんの横を抜け部屋の外へ・・・・。

すると皆川さんは、
「お前等とは仲良くやっていきたい・・・・」

龍は鼻で笑うと、
「俺さー・・男とイチャつく趣味ないし・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「ヤクザとか、ダサすぎて無理」
龍は敬礼みたいなポーズをし・・・明らか~・・・にバカにした態度で笑って、

俺もチラッと皆川さんを見てから、下に居る昌也の方に視線を移した。
そして、
「昌也、・・・・お前は兄貴に会いたいなら勝手に行けよ・・・・。でも、女性を巻き込むな・・・兄貴にお前が会いに行くと伝えといてやる・・・・」


そう言うと昌也は顔を上げ、
「いつかお前の女もやってやる・・・・。」
勝手に言ってろ・・・・。

チビ。



皆川さんは悪い人ではない。
昔気質な人で、情にも深い人。

高1の夏、俺と龍と太一が横浜の飲食店でバイトをしていた時にそこにお客さんで来たのが皆川さん。
息子のように可愛がってくれた時期もあり、その時・・・和彫りの良い彫師がいると教えてくれて、俺等はその人物を訪ねた。
その人物は堅気で、剣崎の人間が良く利用している彫師で、腕が良くセンスも良いと評判。
しかし皆川さんもよく頼むと言っていた。

そんな感じで交流があったが、高校を卒業してからは会う事もあまりなく久々の再会だった・

皆川さんが笑って
「龍は相変わらずだな・・・??まぁ、どっちにしてもお前等と揉める気はない、コイツの事は・・・・俺に任せておけ・・・」
皆川さんがそう言って・・・俺は軽く頷いて・・・先に行ってしまった龍を追いかけた。



すると、
「あ~ッ!!!!」
龍がスマホを持って声を上げる。

なに???
俺も龍の携帯を覗き込むと、

『起きて待ってるから気を付けて帰ってきてね』
美晴ちゃんからのラインかー・・・・・・。

何だコイツ仲良くやってるんじゃん!
「お前ラブラブじゃん???」


俺が言うと・・・・。
龍はニカッと笑って・・・・。
「お前は???」

・・・・・・。

「煩い・・・・!!!」


(※こちらはHANAMIZUKI後編の時期と連動しています)








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