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最終決戦
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しおりを挟む—昌也side
またやられた。
また、淳の弟と・・・今日はあの・・・頭おかしいキャラ、昔の涼そっくりな弟。
アイツ俺の頭ずっと踏み付けやがって・・・。
俺と英輝は裸のまま向き合った状態で床で転がり、後から来た大角の奴等に・・・・
「おいこらぁっ!!!」
ボコッ・・・・。
更に殴られたり蹴られたり。
アイツ等のせいだ。
全てアイツ等のせい。
顔を少し上げると、大角会の皆川が煙草を吸いながら椅子に腰かけて俺を見てきた。
さっきまで笑っていたのに・・・もうそんな空気は全くない。
「お前、うちの若いの随分使ったらしいな?」
皆川の低い声。
さっきと全然テンション違うじゃねぇか・・・。
なんで・・・・・。
「・・・・金は・・・払う・・・・。」
殴られて口が開けずらい。
必死で口を開けそう言うと、皆川は俺を見てプッと笑い・・・・・・他のチンピラ3人とまた声を上げて笑った・・・。
うっ・・・。
こんなの・・・沖縄だったら・・・・。
こんな奴等・・・。
英輝はもう泣きそうな顔で目を瞑っていた。
皆川は俺の方をまた見ると、煙草の灰をポンポンと俺の顔に落とし
「金は何処から引っ張る?」
今はない・・でもこれから絶対手に入れる。
「・・・・金は・・・淳から・・・・・。」
全て奪ってやる・・・・。
アイツの資産全て・・・。
蓮見凛だって相当持ってる・・・2人の全てを奪ってやるんだ。
「上原からお前が金を?それはー・・・相当難しいんじゃねーか?そんなのお前に出来るなら俺等速攻やってるよ!!!」
皆川は立ち上がって俺の背中を勢いよく蹴飛ばし、
「お前は・・・今のままじゃ100負けるぞ・・・・俺の言うとおりに出来るか?」
おいおいおい・・・・、お前俺を馬鹿にしてるのか?
この・・・クソジジイ・・・・。
小笠原
—淳side
達也と半次と蒼太が船に乗ってから12時間が経った。
俺と凛は由美さんが心配で眠れないでいた。
「ねぇ・・・由美さんに何かあったらどうしよう・・・ねぇ・・・・」
凛はずっと泣きながらそう言っていた。
何でこんな事に・・・・・・。
あれから何度か湊にラインをしたがまだ返事が来ず、俺等はスマホを握りしめ・・・ずっと家のテラスで海を眺め願ってた。
『どうか、由美さんが無事でいて』
と・・・・・・。
すると、早朝・・・・。
湊から電話があり、『由美さんを保護しOHの病院に居る』とそう言われた。
それを聞いた瞬間・・・凛は気を失った。
はぁ・・・・。
俺は凛を抱いて2階の寝室へ。
もう・・・。
ここにも居られないかもしれない。
湊がさっき俺に言った。
『昌也が大角と手を組んでる、兄貴の居所も突き止めた・・・明日の船でそっちに向かうと言ってた』
・・・・・・・・・。
大角かー・・・・・。
かなり面倒くさい。
湊は、
『凛さんは俺が守るから』
・・・・・・・。
『兄貴はあの変態始末しろよ』
まさか大角と手を組んでたか・・・・。
でも、もうそろそろちゃんと決着をつけるべきでは・・・・・。
翌日
—湊side
あー・・・・マジで眠い・・・・。
昨夜は参ったなー・・・。
あの後マンションに帰るのは面倒で会社に戻って会社のソファーで眠った俺。
デスクでコーヒーを飲みそのまま伏せていると、
「おっはよーさん、湊早いな?」
そんな声がオフィスの入口から聞こえた。
顔を上げると和也さんが爽やかに笑ってこっちに歩いてきた。
「・・・・昨夜は帰れなくて・・・泊まりました・・・・・・」
俺が言うと和也さんは、
「・・・・淳?・・・・大丈夫だった?」
兄貴・・・。
兄貴は、なんだかんだ・・・親父が死んでから・・・俺に小遣いをくれたり・・・俺が欲しがってたスニーカーとか・・・色々買って来てくれたり・・・。
5歳しか違わなかったのに、兄貴はたまに親父みたいだった。
今までずっと兄貴に助けてもらってばかりだった俺が、兄貴に手を貸せるのは・・・。
今なんじゃ・・・・。
俺はゆっくり立ち上がり、和也さんに向き合うと・・・・。
これは俺等兄弟が手を組まないと・・・いけない。
「和也さん・・・・お願いがあります・・・・。」
和也さんは顔を上げて・・・・笑った。
俺が兄貴を助けたい。
出社時刻になると、皆がどんどん出勤してきて・・・受付の祐司さんが来ると和也さんは直ぐに祐司さんの所へ行って、
「祐司、・・・明日から湊を休ませる・・・・」
そう言ってくれた。
祐司さんは俺の方を見て、
「淳の所に行くのか?」
「はい・・・兄貴一人じゃキツイと思います・・・・」
俺がそう言うと祐司さんは笑って、
「分かった・・・・」
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