137 / 151
最終決戦
3
しおりを挟む翌日
いつもと変わらない朝。
私はグッスリ眠っている淳の顔をジッと見つめ、
いつも淳がしてくれるように、今日は私が淳の頬にキスをした。
一緒に・・・・明々後日、小笠原を出れるよね。
私はベットの下に落ちているTシャツを手探りで探した。
あ・・・・あった・・・。
下に落ちていたTシャツを拾い着ようとすると・・・・。
「凛~・・・・・・」
・・・・・////////
腰に絡みついてくる淳・・・・////////
「・・・淳はゆっくり寝てて・・・ご飯用意してくるから・・・・」
淳の髪を撫でると淳はチラッと私を見て、
「・・・凛ーー・・・・。」
「どうしたの?」
私がそう言うと、淳はまたギュッと私の腰に絡みついてきて太ももに顔を乗せた。
・・・・・////////
あのぉ・・・裸でこの体制ってちょっと恥ずかしい・・・。
「凛ー・・俺等の結婚式ー・・・」
??????
結婚式・・・////////
「思い切って海外でやっちゃおうか??」
淳は笑って言った。
—淳side
俺・・・何、甘えてんだ・・・・。
でもな、凛・・・。
もしも・・・もしも俺に何かがあったら・・・・・。
ごめんな・・・。
凛の腰に手を回して、
「お前のドレス姿・・・見てーな・・・・」
見たい・・・。
きっと綺麗なんだろうな。
俺・・・マジでビビるかもな。
凛は俺の髪を撫でて・・・・。
「船の中で・・・・結婚式場検索しよう???」
そう言って笑ったんだ・・・・。
・・・・・・。
凛・・・・。
顔を上げると、凛は全てを分かっているような顔で笑った。
そして、
「ずっと・・・一緒でしょ?」
そう言って笑って・・・俺の顔を撫でながら、また
「死ぬのも・・・一緒だよ」
凛・・・・。
「私を絶対に・・・置いていかないで・・・・・」
—まち子side
パチパチパチ・・・・。
アパートの襖から出したPCを開き、メールに添付されている沢山の画像を確認した。
時間は10時。
もう時間が無い。
すると、私の携帯が鳴り直ぐに手に取って
「はい、・・・木村です。」
電話に出ると・・・・電話の向こうではガヤガヤ凄い雑音が聞こえる。
でもその中で、相手の声はしっかりと私の耳に届いた。
そして、
「承知しました」
私は電話を切って家を出る準備をした。
え?・・
何故こんな時に私にスポットを当てるのかって?
まぁ、黙って見てな!
私は直ぐに着替えを済ませ髪を一本にまとめた。
手首を回し柔軟を済ませ、
よし・・・。
船が到着するのは11時。
準備は整った・・・・。
—凛side
淳と一緒にいつもと変わらない朝食。
気に入ってた・・・この家。
でも・・・もう居られないのは仕方ないか。
淳はみそ汁を飲み、
「美味い!!」
そう言って笑った・・・・。
「ね・・・湊君も来るんでしょ??・・・なんかお仕事休ませちゃって悪かったね・・・・。」
私は淳にそう言って椅子に座った。
そう・・・。
宮里が乗ってくる船に・・・・湊君も一緒に乗ってくる。
それは勿論宮里は・・・知らない。
あの宮里が来たら何をしてくるかは分からない。
淳と宏太君だけじゃ・・・手に負えないかもしれない・・・・。
「アイツは何をしてくるか分からない。何かあってからじゃ・・・遅いんだ・・・・湊がいてくれたら助かる」
こういう時・・・男兄弟ってすっごく心強い・・・・。
特に湊君みたいな・・・ちょっと頼れる弟君。
「アイツ最近何カ月も休んでないらしいから丁度いい休暇になるだろうしなー・・・・」
淳はそう言って笑った。
湊君忙しいんだ・・・・。
流石だなー・・・・。
「そんなに休んでないの?大丈夫かな?」
淳はぷぷっと笑って、
「凛だって全然休んでなかったじゃん」
あ!まぁそうだけどーーー・・・。
10時半を過ぎると、
ピンポーン・・・・と、うちのインターフォンが鳴った。
私が洗い物をしていると・・・キッチンの換気扇の下で煙草を吸っていた淳が煙草を消し、
「宏太かも・・・俺出る!」
そう言って玄関の方に歩いて行った。
ガチャッ・・・とドアが開く音が聞こえ、
「あれっ??どうしたのッ????」
淳が少しびっくりした声を出して言った。
あれ?宏太君じゃないのかな???
私も手を拭き、玄関に向かった。
するとそこに立っていたのは・・・・、まち子さん!
「・・・・まち子さん???・・・・」
なんで??どうしたのかな・・・・。
まち子さんはニカッと笑って、
「私もダイエットでもしようと思ってね!!ジョギングしてたのよ!!!もう港に行くのかなって思ったから来ちゃった」
まち子さんは珍しくジャージ姿でそう言った。
「えっ?お前今更ダイエット??遅くない?」
淳がゲタゲタ笑って言うと、
「痩せてアンタが私に乗り換えて来ても困るからね!私ってね、痩せたら結構イケてるのよ!!!」
そう言ってゲタゲタ笑った。
なんか、これからあんな事があるなんて・・・・思わない位平和で・・・穏やかなのに、アイツはそれを壊しに来る。
まさかあんな事が起きるなんて・・・・・。
0
あなたにおすすめの小説
花の精霊はいじわる皇帝に溺愛される
アルケミスト
恋愛
崔国の皇太子・龍仁に仕える女官の朱音は、人間と花仙との間に生まれた娘。
花仙が持つ〈伴侶の玉〉を龍仁に奪われたせいで彼の命令に逆らえなくなってしまった。
日々、龍仁のいじわるに耐えていた朱音は、龍仁が皇帝位を継いだ際に、妃候補の情報を探るために後宮に乗り込んだ。
だが、後宮に渦巻く、陰の気を感知した朱音は、龍仁と共に後宮の女性達をめぐる陰謀に巻き込まれて……
ツンデレ王子とヤンデレ執事 (旧 安息を求めた婚約破棄(連載版))
あみにあ
恋愛
公爵家の長女として生まれたシャーロット。
学ぶことが好きで、気が付けば皆の手本となる令嬢へ成長した。
だけど突然妹であるシンシアに嫌われ、そしてなぜか自分を嫌っている第一王子マーティンとの婚約が決まってしまった。
窮屈で居心地の悪い世界で、これが自分のあるべき姿だと言い聞かせるレールにそった人生を歩んでいく。
そんなときある夜会で騎士と出会った。
その騎士との出会いに、新たな想いが芽生え始めるが、彼女に選択できる自由はない。
そして思い悩んだ末、シャーロットが導きだした答えとは……。
表紙イラスト:San+様(Twitterアカウント@San_plus_)
※以前、短編にて投稿しておりました「安息を求めた婚約破棄」の連載版となります。短編を読んでいない方にもわかるようになっておりますので、ご安心下さい。
結末は短編と違いがございますので、最後まで楽しんで頂ければ幸いです。
※毎日更新、全3部構成 全81話。(2020年3月7日21時完結)
★おまけ投稿中★
※小説家になろう様でも掲載しております。
冷酷な王の過剰な純愛
魚谷
恋愛
ハイメイン王国の若き王、ジクムントを想いつつも、
離れた場所で生活をしている貴族の令嬢・マリア。
マリアはかつてジクムントの王子時代に仕えていたのだった。
そこへ王都から使者がやってくる。
使者はマリアに、再びジクムントの傍に仕えて欲しいと告げる。
王であるジクムントの心を癒やすことができるのはマリアしかいないのだと。
マリアは周囲からの薦めもあって、王都へ旅立つ。
・エブリスタでも掲載中です
・18禁シーンについては「※」をつけます
・作家になろう、エブリスタで連載しております
灰かぶりの姉
吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。
「今日からあなたのお父さんと妹だよ」
そう言われたあの日から…。
* * *
『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。
国枝 那月×野口 航平の過去編です。
思い出のチョコレートエッグ
ライヒェル
恋愛
失恋傷心旅行に出た花音は、思い出の地、オランダでの出会いをきっかけに、ワーキングホリデー制度を利用し、ドイツの首都、ベルリンに1年限定で住むことを決意する。
慣れない海外生活に戸惑い、異国ならではの苦労もするが、やがて、日々の生活がリズムに乗り始めたころ、とてつもなく魅力的な男性と出会う。
秘密の多い彼との恋愛、彼を取り巻く複雑な人間関係、初めて経験するセレブの世界。
主人公、花音の人生パズルが、紆余曲折を経て、ついに最後のピースがぴったりはまり完成するまでを追う、胸キュン&溺愛系ラブストーリーです。
* ドイツ在住の作者がお届けする、ヨーロッパを舞台にした、喜怒哀楽満載のラブストーリー。
* 外国での生活や、外国人との恋愛の様子をリアルに感じて、主人公の日々を間近に見ているような気分になれる内容となっています。
* 実在する場所と人物を一部モデルにした、リアリティ感の溢れる長編小説です。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
期待外れな吉田さん、自由人な前田くん
松丹子
恋愛
女子らしい容姿とざっくばらんな性格。そのギャップのおかげで、異性から毎回期待外れと言われる吉田さんと、何を考えているのか分からない同期の前田くんのお話。
***
「吉田さん、独り言うるさい」
「ああ!?なんだって、前田の癖に!前田の癖に!!」
「いや、前田の癖にとか訳わかんないから。俺は俺だし」
「知っとるわそんなん!異議とか生意気!前田の癖にっ!!」
「……」
「うあ!ため息つくとか!何なの!何なの前田!何様俺様前田様かよ!!」
***
ヒロインの独白がうるさめです。比較的コミカル&ライトなノリです。
関連作品(主役)
『神崎くんは残念なイケメン』(香子)
『モテ男とデキ女の奥手な恋』(マサト)
*前著を読んでいなくても問題ありませんが、こちらの方が後日談になるため、前著のネタバレを含みます。また、関連作品をご覧になっていない場合、ややキャラクターが多く感じられるかもしれませんがご了承ください。
盲目王子の策略から逃げ切るのは、至難の業かもしれない
当麻月菜
恋愛
生まれた時から雪花の紋章を持つノアは、王族と結婚しなければいけない運命だった。
だがしかし、攫われるようにお城の一室で向き合った王太子は、ノアに向けてこう言った。
「はっ、誰がこんな醜女を妻にするか」
こっちだって、初対面でいきなり自分を醜女呼ばわりする男なんて願い下げだ!!
───ということで、この茶番は終わりにな……らなかった。
「ならば、私がこのお嬢さんと結婚したいです」
そう言ってノアを求めたのは、盲目の為に王位継承権を剥奪されたもう一人の王子様だった。
ただ、この王子の見た目の美しさと薄幸さと善人キャラに騙されてはいけない。
彼は相当な策士で、ノアに無自覚ながらぞっこん惚れていた。
一目惚れした少女を絶対に逃さないと決めた盲目王子と、キノコをこよなく愛する魔力ゼロ少女の恋の攻防戦。
※但し、他人から見たら無自覚にイチャイチャしているだけ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる