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最終決戦
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しおりを挟む—湊side
はぁぁー・・・マジ・・・。
24時間船旅って、体痛くなる。
特一等室とか取れりゃいいけど、大部屋は最悪。
もう腰が・・ヤバい。
他の乗客がゾロゾロ荷物を持って船を降りる中、俺は一番後に並び前の方をジッと見つめた。
一番前の方には、アイツがいた・・・・・。
不細工チビ野郎!!!
2泊後の船の便をもう取っている為・・・・俺は軽装。
無事何もなく帰れたら良いけど!
チビを後ろから見ていると・・・深く帽子をかぶってキョロキョロと挙動不審。
大きなマスクをして顔を隠してはいるけど、不細工は隠せていない。
アイツの顔は目もかなり腫れていて、青痣が痛々しい。
軽い気持ちで東京の暴力団に手出すからいけねーんだ・・・・・。
バーーカ!
—昌也side
なんだ・・・この島。
沖縄の離島と変わらねぇじゃねぇか・・・・。
でもこの妙な歓迎ムードがイラつくなー・・・。
船を降り港に降り立つと大勢の人が垂れ幕を持ったり・・・演奏が行われ、踊ったり歌ったり煩わしい・・・。
マジでうるせぇっ!!!!
アイツは・・・何処だ?先ずアイツの家を探さねぇとな。
港に居る沢山の人・・・そこをジーーっと見つめ、端から端迄・・・・。
すると、送迎の人達の奥の方に俺が大嫌いなあの顔が見えたんだ。
偶然来ているのか?
わざわざ探す手間が省けた。
自分のパンツのポケットに手を入れ、ポケットの中である物をギュッと握って肩から下げた大きな旅行バック・・・・。
バランスを取りながらゆっくりと歩いた。
片腕が無いと・・・・大きな荷物はきついんだ。
こんな体になったのも、全部アイツ等のせいだ。
何もかも俺の人生を狂わせやがって・・・・。
凄い人の群れの向こう側に、相変わらず可愛い顔をしているあの蓮見と一緒に・・・楽しそうに笑う淳の顔が憎くて仕方ない。
—淳side
何故かまち子と一緒に湊を迎えに来た俺と凛。
もしかしたら昌也に会うかもしれない・・・。
でもこの小さな島で後2日間はここから出れない。
昌也に会うのも時間の問題。
だったら港でとっ捕まえてやる。
そう思った・・・・・。
「ね・・・湊君見えた?」
凛は俺の腕を掴み言った。
「ねぇ、弟君まさか手ぶらで来てないわよね?」
まち子はそう言って笑った・・・。
なにこの3ショット!!!凄いレアじゃない???
俺等が凄い人ごみの中湊を探していると、
「よっ!湊もう降りてきた????」
そう言って、軽い足取りで俺の横に来たのは、宏太だった・・・。
「いや~・・・まだ見えねぇな~・・・アイツの事だから最後に降りそう」
俺等が笑っていると、
「淳ーーーーーーーッ!!!!」
・・・・・・・。
人の群れの向こうから・・・・イヤな狂った声が聞こえた・・・・。
俺の横に居た凛はギュッと俺の腕を掴んだ。
—湊side
ゲゲッ・・・・・。
あのチビ何とち狂ってんだよッ!!!!!!!
「きゃぁぁぁーーーーーーーー!」
と、・・・・凄い悲鳴が聞こえ、港に居た人が一気にあのチビから遠ざかって・・・逃げ惑った・・・・。
港は・・・大パニックだ・・・。
「あ・・・すいませんっ!!!ちょっと通して・・・・・」
俺は人をかき分け慌てて船の降り口へ急いだ。
昌也の周りに居た人は一気に引き・・・歓迎ムードは一気に・・・・静まり返る。
昌也は肩から下げていたバックを地面に落とし、狂ったように笑いながらある一点だけを見つめた。
その視線の先には・・・・。
「兄貴-----っ!」
人をかき分け慌てて港に降り立つと、多くの人が昌也と・・・・兄貴達を囲うようにして見つめ息をのんだ。
兄貴はジッと昌也を睨んで凛さんを自分の後ろに隠し、辺りに緊張が走る・・・・・。
ヤバい・・・。
何だ、アイツ・・・何なんだ!!!
—淳side
コイツ。
何処まで卑怯なんだ。
昌也はニヤニヤと笑いながら一歩・・・一歩と俺等に近づいてきた。
後ろに居た凛は俺のTシャツをギュッと掴み、周りの人は小声で
「警察・・・警察呼んで・・・」
明らかに緊迫したこのムード・・・・。
昌也の後ろには慌てて降りてきた湊が姿勢を低くして様子を伺った・・・・。
俺は湊をジッと見つめ、昌也に気付かれないように
『動くな』
とサインを送る・・・・・。
昌也はニヤッと歯を見せて笑って・・・・。
「やっと・・・会えたな・・・淳・・・・」
そう言って笑った・・・・・。
その右手には・・・流石の俺も見た事がない物が握られている。
カチャッという音を鳴らしながらそれをゆっくり持ち上げ、
俺に向けた。
・・・・・・。
拳銃を・・・・。
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