9 / 151
IN小笠原
4
しおりを挟む【ご乗船の皆様まもなく父島に到着いたします・・・・・・・】
ん・・・・・・。
ん??????
何度も瞬きをして・・・・。
【ご乗船の皆様・・・・・】
ん??????
エッ?!今何時っ?!
慌てて起きると、2段ベットの上の部分に頭をぶつけ・・・・・。
メチャ痛い・・・・。
ベットからゆっくり顔を出し、周りを見ると・・・。
あれ?誰もいない???
個室の中のベットには・・・もう誰もおらず、外の廊下を見ると皆荷物を持って動き出してる。
ヤバッ・・・・。
慌てて荷物を・・・・・。
あれっ?!
バック・・バックは???
ベットに置いてあった・・・スマホとバックが・・・ない。
トイレに置いてきた・・?
いや、寝る前に淳の写真を見た・・・・。
まさか・・・・あの子達??
イヤイヤイヤ、証拠ないし・・・。
慌てて部屋内を探したがやはりない・・・・。
どうしよう・・・バックに全て入ってる・・・。
お金も、カードも・・・・そしてスマホ。
私は・・・どうしようもないバカ。
急いで荷物をまとめ、さっきの子達を探すが・・・全く見当たらなく・・・船は無事・・・・入港・・・・・。
港を見るとすごい歓迎ムードだ・・・。
荷物を引いて私も急いで船を降り・・・港であの・・・大学生3人組を探した。
が、・・・凄い人で・・・全く分からない。
港に着いたら淳に連絡をするつもりだったのに、それも出来ない・・・・。
上地君にも言わないでって言ってあったし・・・・・これはちょっと不味いかも・・・・。
とにかく淳を知っている人を探そう。
そこまで大きい島ではなさそうだし、お店とかで聞いてみよう!
ターミナルを出ると・・・向こう側にお店が沢山あるように見える・・・・。
一先ず・・・誰かに淳を知らないか聞いてみるしかない!
道を渡って、結構お店がある・・・商店街のような通りを歩くと・・・小さな定食屋さんの前で小さなオバちゃんが呼び込みをしている。
あ・・・あの人に聞いてみようかなー・・・。
スーツケースを引き、定食屋の方まで歩いて行くと・・・・店の前に立っていたオバちゃんは・・・・
「あら?随分可愛い子ね?外人さんー????」
そう言ってジーーっと顔を覗き見てきた。
わっ・・・・バレてない???
バレてはないよね??
えっと・・・・・。
私はホワイトボードを手に取って、
『私は今声が出ません、でも人を探しにこの島に来ました』
そう書いて見せた。
するとそのオバちゃんは目を細め・・・ジーーっとボードを見て、何度も頷き
「あら・・・声出ないのー?可哀そうに・・・で?誰を探してるの?ご飯食べる?」
あ・・・・えっと・・・・・・。
私はまたボードに、
『船の中で財布や携帯が入ったバックを無くしてしまってお金がありません。』
『お話だけ伺ってもよろしいでしょうか?』
そう書くと、オバちゃんは
「エエエッ?!アンタ財布無いの?!・・そりゃ大変だ!いいから中に入りなさい!!」
そう言って私の手を引っ張って店内へ・・・・・。
お店の中は結構歴史がある定食屋さん。
メニューも豊富で、・・・あ・・・アジフライ定食とか・・・お刺身とか美味しそうだな・・・。
オバちゃんは端の席に私を座らせ、
「お腹空いてる?食べれないものある?」
そう聞いてきた。
『でもお金がないので・・・お水だけ頂いても良いですか?』
そう言うと、
「良い良い!お金いらない!寿司食べれるかい?食えないネタある?」
エッ?!
『食べれないものはありません』
そう書くとオバちゃんはニッコリ笑ってお水を置き
「ちょっとまってな・・・・」
そう言って奥の厨房に入って行った。
厨房からはねじり鉢巻きをしたオジサンがにっこり笑ってきた。
な・・・なんか凄く、アットホーム!!
私はオバちゃんに話を聞くためスーツケースから淳の写真を出しお水を飲んだ。
淳に逢えたら、改めてご飯を食べに来たいな・・・。
その時は遠慮なくたくさん食べたい。
少しすると、オバちゃんはニコニコ笑って・・・・。
「はーーい、島寿司定食ね!これ・・・島寿司、でー・・こっちは今日取れたてのシイラとカンパチ、後はカメの刺身ね!」
亀ッ???ってあの亀っ???
「カメはね、カツオみたいで美味しいよ?中々食べれないからね・・・食べてみな?」
そう言って私の前に座ってお水を飲むオバちゃん。
私は、頂きますをして・・・。
先ずは島寿司・・・・。
んっ?!これは・・・漬けになってるんだっ?!
わっ・・・スッゴク美味しい・・・・////////////
オバちゃんはニコニコ笑って私を見て、
「美味いだろ??」
そう言ったの。
私は慌ててボードに、
『とても美味しいです!!』
そう書いて・・・・夢中で食べた。
昨夜、食べたけど・・・トイレで吐いてしまった私。
朝ご飯も食べていなかったし・・・・お腹はペコペコだった。
亀も確かに・・・カツオっぽい!
沖縄でウミガメは何度も見てきたが食べた事はない。
へぇ・・・・。
亀って美味しいんだ・・・・・。
食事を終えお茶を飲んでいるとオバちゃんが、
「で??島に誰を探しに来たの???」
そう言って笑った。
あ、そうだそうだ!!
私はテーブルに伏せて置いておいた淳の写真を手に取って・・・・・
『この男性を探しています、名前は上原淳さんです』
そう書くと、オバちゃんはジーーっと写真を見て、
??????????
「あれっ??これ、あっちゃんよねぇ?」
あっちゃんっ?!
そう、あっちゃん!!!!!/////////////
まさかの一発目で知っている人発見?!
私が何度も頷くと、
「1週間くらい前から島に住むって言って・・・宏ちゃんが連れて来てね、昨日は来なかったかな・・?でも一昨日は夜食べに来てー・・・結構来てくれるよ?」
ぇえええええっ?!
まさかの常連さんっ?!
店内を見渡し・・・淳もここに来たんだって思うと・・・・凄く嬉しくなった・・・・//////////
てか、コウチャンって・・・・誰?
『コウチャンさんはこの島の方ですか?』
そう書くと、オバちゃんは
「そうそう!宏ちゃんはね、4年位前かな?島に来てー・・・この通りの奥にある女の子付けるお店?スナックみたいなの・・・経営しててねあの子は毎日来るねー・・・」
そうなのっ????
『あっちゃんは、何処に住んでるとか分かりますか?』
「あー・・・場所は知らないけど宏ちゃんのアパートに居候してるって言ってたよ?」
宏ちゃんのアパート・・・・。
じゃ、・・・宏ちゃんのお店に行ってとりあえず宏ちゃんという人に会えば・・・淳に逢えるって事か!
0
あなたにおすすめの小説
花の精霊はいじわる皇帝に溺愛される
アルケミスト
恋愛
崔国の皇太子・龍仁に仕える女官の朱音は、人間と花仙との間に生まれた娘。
花仙が持つ〈伴侶の玉〉を龍仁に奪われたせいで彼の命令に逆らえなくなってしまった。
日々、龍仁のいじわるに耐えていた朱音は、龍仁が皇帝位を継いだ際に、妃候補の情報を探るために後宮に乗り込んだ。
だが、後宮に渦巻く、陰の気を感知した朱音は、龍仁と共に後宮の女性達をめぐる陰謀に巻き込まれて……
ツンデレ王子とヤンデレ執事 (旧 安息を求めた婚約破棄(連載版))
あみにあ
恋愛
公爵家の長女として生まれたシャーロット。
学ぶことが好きで、気が付けば皆の手本となる令嬢へ成長した。
だけど突然妹であるシンシアに嫌われ、そしてなぜか自分を嫌っている第一王子マーティンとの婚約が決まってしまった。
窮屈で居心地の悪い世界で、これが自分のあるべき姿だと言い聞かせるレールにそった人生を歩んでいく。
そんなときある夜会で騎士と出会った。
その騎士との出会いに、新たな想いが芽生え始めるが、彼女に選択できる自由はない。
そして思い悩んだ末、シャーロットが導きだした答えとは……。
表紙イラスト:San+様(Twitterアカウント@San_plus_)
※以前、短編にて投稿しておりました「安息を求めた婚約破棄」の連載版となります。短編を読んでいない方にもわかるようになっておりますので、ご安心下さい。
結末は短編と違いがございますので、最後まで楽しんで頂ければ幸いです。
※毎日更新、全3部構成 全81話。(2020年3月7日21時完結)
★おまけ投稿中★
※小説家になろう様でも掲載しております。
冷酷な王の過剰な純愛
魚谷
恋愛
ハイメイン王国の若き王、ジクムントを想いつつも、
離れた場所で生活をしている貴族の令嬢・マリア。
マリアはかつてジクムントの王子時代に仕えていたのだった。
そこへ王都から使者がやってくる。
使者はマリアに、再びジクムントの傍に仕えて欲しいと告げる。
王であるジクムントの心を癒やすことができるのはマリアしかいないのだと。
マリアは周囲からの薦めもあって、王都へ旅立つ。
・エブリスタでも掲載中です
・18禁シーンについては「※」をつけます
・作家になろう、エブリスタで連載しております
灰かぶりの姉
吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。
「今日からあなたのお父さんと妹だよ」
そう言われたあの日から…。
* * *
『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。
国枝 那月×野口 航平の過去編です。
思い出のチョコレートエッグ
ライヒェル
恋愛
失恋傷心旅行に出た花音は、思い出の地、オランダでの出会いをきっかけに、ワーキングホリデー制度を利用し、ドイツの首都、ベルリンに1年限定で住むことを決意する。
慣れない海外生活に戸惑い、異国ならではの苦労もするが、やがて、日々の生活がリズムに乗り始めたころ、とてつもなく魅力的な男性と出会う。
秘密の多い彼との恋愛、彼を取り巻く複雑な人間関係、初めて経験するセレブの世界。
主人公、花音の人生パズルが、紆余曲折を経て、ついに最後のピースがぴったりはまり完成するまでを追う、胸キュン&溺愛系ラブストーリーです。
* ドイツ在住の作者がお届けする、ヨーロッパを舞台にした、喜怒哀楽満載のラブストーリー。
* 外国での生活や、外国人との恋愛の様子をリアルに感じて、主人公の日々を間近に見ているような気分になれる内容となっています。
* 実在する場所と人物を一部モデルにした、リアリティ感の溢れる長編小説です。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
期待外れな吉田さん、自由人な前田くん
松丹子
恋愛
女子らしい容姿とざっくばらんな性格。そのギャップのおかげで、異性から毎回期待外れと言われる吉田さんと、何を考えているのか分からない同期の前田くんのお話。
***
「吉田さん、独り言うるさい」
「ああ!?なんだって、前田の癖に!前田の癖に!!」
「いや、前田の癖にとか訳わかんないから。俺は俺だし」
「知っとるわそんなん!異議とか生意気!前田の癖にっ!!」
「……」
「うあ!ため息つくとか!何なの!何なの前田!何様俺様前田様かよ!!」
***
ヒロインの独白がうるさめです。比較的コミカル&ライトなノリです。
関連作品(主役)
『神崎くんは残念なイケメン』(香子)
『モテ男とデキ女の奥手な恋』(マサト)
*前著を読んでいなくても問題ありませんが、こちらの方が後日談になるため、前著のネタバレを含みます。また、関連作品をご覧になっていない場合、ややキャラクターが多く感じられるかもしれませんがご了承ください。
盲目王子の策略から逃げ切るのは、至難の業かもしれない
当麻月菜
恋愛
生まれた時から雪花の紋章を持つノアは、王族と結婚しなければいけない運命だった。
だがしかし、攫われるようにお城の一室で向き合った王太子は、ノアに向けてこう言った。
「はっ、誰がこんな醜女を妻にするか」
こっちだって、初対面でいきなり自分を醜女呼ばわりする男なんて願い下げだ!!
───ということで、この茶番は終わりにな……らなかった。
「ならば、私がこのお嬢さんと結婚したいです」
そう言ってノアを求めたのは、盲目の為に王位継承権を剥奪されたもう一人の王子様だった。
ただ、この王子の見た目の美しさと薄幸さと善人キャラに騙されてはいけない。
彼は相当な策士で、ノアに無自覚ながらぞっこん惚れていた。
一目惚れした少女を絶対に逃さないと決めた盲目王子と、キノコをこよなく愛する魔力ゼロ少女の恋の攻防戦。
※但し、他人から見たら無自覚にイチャイチャしているだけ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる