恋文~everlasting love

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IN小笠原

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【ご乗船の皆様まもなく父島に到着いたします・・・・・・・】


ん・・・・・・。

ん??????

何度も瞬きをして・・・・。

【ご乗船の皆様・・・・・】

ん??????

エッ?!今何時っ?!

慌てて起きると、2段ベットの上の部分に頭をぶつけ・・・・・。
メチャ痛い・・・・。

ベットからゆっくり顔を出し、周りを見ると・・・。
あれ?誰もいない???

個室の中のベットには・・・もう誰もおらず、外の廊下を見ると皆荷物を持って動き出してる。
ヤバッ・・・・。
慌てて荷物を・・・・・。

あれっ?!
バック・・バックは???
ベットに置いてあった・・・スマホとバックが・・・ない。

トイレに置いてきた・・?
いや、寝る前に淳の写真を見た・・・・。

まさか・・・・あの子達??
イヤイヤイヤ、証拠ないし・・・。

慌てて部屋内を探したがやはりない・・・・。
どうしよう・・・バックに全て入ってる・・・。
お金も、カードも・・・・そしてスマホ。

私は・・・どうしようもないバカ。

急いで荷物をまとめ、さっきの子達を探すが・・・全く見当たらなく・・・船は無事・・・・入港・・・・・。

港を見るとすごい歓迎ムードだ・・・。
荷物を引いて私も急いで船を降り・・・港であの・・・大学生3人組を探した。
が、・・・凄い人で・・・全く分からない。


港に着いたら淳に連絡をするつもりだったのに、それも出来ない・・・・。

上地君にも言わないでって言ってあったし・・・・・これはちょっと不味いかも・・・・。

とにかく淳を知っている人を探そう。
そこまで大きい島ではなさそうだし、お店とかで聞いてみよう!

ターミナルを出ると・・・向こう側にお店が沢山あるように見える・・・・。
一先ず・・・誰かに淳を知らないか聞いてみるしかない!

道を渡って、結構お店がある・・・商店街のような通りを歩くと・・・小さな定食屋さんの前で小さなオバちゃんが呼び込みをしている。
あ・・・あの人に聞いてみようかなー・・・。


スーツケースを引き、定食屋の方まで歩いて行くと・・・・店の前に立っていたオバちゃんは・・・・
「あら?随分可愛い子ね?外人さんー????」
そう言ってジーーっと顔を覗き見てきた。

わっ・・・・バレてない???
バレてはないよね??

えっと・・・・・。

私はホワイトボードを手に取って、
『私は今声が出ません、でも人を探しにこの島に来ました』
そう書いて見せた。

するとそのオバちゃんは目を細め・・・ジーーっとボードを見て、何度も頷き
「あら・・・声出ないのー?可哀そうに・・・で?誰を探してるの?ご飯食べる?」
あ・・・・えっと・・・・・・。
私はまたボードに、
『船の中で財布や携帯が入ったバックを無くしてしまってお金がありません。』
『お話だけ伺ってもよろしいでしょうか?』
そう書くと、オバちゃんは
「エエエッ?!アンタ財布無いの?!・・そりゃ大変だ!いいから中に入りなさい!!」
そう言って私の手を引っ張って店内へ・・・・・。

お店の中は結構歴史がある定食屋さん。
メニューも豊富で、・・・あ・・・アジフライ定食とか・・・お刺身とか美味しそうだな・・・。

オバちゃんは端の席に私を座らせ、
「お腹空いてる?食べれないものある?」
そう聞いてきた。
『でもお金がないので・・・お水だけ頂いても良いですか?』
そう言うと、
「良い良い!お金いらない!寿司食べれるかい?食えないネタある?」

エッ?!
『食べれないものはありません』
そう書くとオバちゃんはニッコリ笑ってお水を置き
「ちょっとまってな・・・・」

そう言って奥の厨房に入って行った。

厨房からはねじり鉢巻きをしたオジサンがにっこり笑ってきた。
な・・・なんか凄く、アットホーム!!
私はオバちゃんに話を聞くためスーツケースから淳の写真を出しお水を飲んだ。

淳に逢えたら、改めてご飯を食べに来たいな・・・。
その時は遠慮なくたくさん食べたい。

少しすると、オバちゃんはニコニコ笑って・・・・。

「はーーい、島寿司定食ね!これ・・・島寿司、でー・・こっちは今日取れたてのシイラとカンパチ、後はカメの刺身ね!」
亀ッ???ってあの亀っ???

「カメはね、カツオみたいで美味しいよ?中々食べれないからね・・・食べてみな?」
そう言って私の前に座ってお水を飲むオバちゃん。

私は、頂きますをして・・・。
先ずは島寿司・・・・。

んっ?!これは・・・漬けになってるんだっ?!
わっ・・・スッゴク美味しい・・・・////////////

オバちゃんはニコニコ笑って私を見て、
「美味いだろ??」
そう言ったの。
私は慌ててボードに、
『とても美味しいです!!』
そう書いて・・・・夢中で食べた。

昨夜、食べたけど・・・トイレで吐いてしまった私。
朝ご飯も食べていなかったし・・・・お腹はペコペコだった。

亀も確かに・・・カツオっぽい!
沖縄でウミガメは何度も見てきたが食べた事はない。
へぇ・・・・。
亀って美味しいんだ・・・・・。


食事を終えお茶を飲んでいるとオバちゃんが、
「で??島に誰を探しに来たの???」
そう言って笑った。

あ、そうだそうだ!!
私はテーブルに伏せて置いておいた淳の写真を手に取って・・・・・
『この男性を探しています、名前は上原淳さんです』
そう書くと、オバちゃんはジーーっと写真を見て、

??????????

「あれっ??これ、あっちゃんよねぇ?」
あっちゃんっ?!
そう、あっちゃん!!!!!/////////////
まさかの一発目で知っている人発見?!

私が何度も頷くと、
「1週間くらい前から島に住むって言って・・・宏ちゃんが連れて来てね、昨日は来なかったかな・・?でも一昨日は夜食べに来てー・・・結構来てくれるよ?」
ぇえええええっ?!
まさかの常連さんっ?!

店内を見渡し・・・淳もここに来たんだって思うと・・・・凄く嬉しくなった・・・・//////////

てか、コウチャンって・・・・誰?

『コウチャンさんはこの島の方ですか?』
そう書くと、オバちゃんは
「そうそう!宏ちゃんはね、4年位前かな?島に来てー・・・この通りの奥にある女の子付けるお店?スナックみたいなの・・・経営しててねあの子は毎日来るねー・・・」
そうなのっ????
『あっちゃんは、何処に住んでるとか分かりますか?』
「あー・・・場所は知らないけど宏ちゃんのアパートに居候してるって言ってたよ?」
宏ちゃんのアパート・・・・。
じゃ、・・・宏ちゃんのお店に行ってとりあえず宏ちゃんという人に会えば・・・淳に逢えるって事か!





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