恋文~everlasting love

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IN小笠原の新たな出会い

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—凛side


あーーーあ・・・・。
もう20時過ぎた。

あの子達まだ遊んでる・・・・・・。

トイレからそっと覗いて、人が居ることを確認してまたトイレに籠った。
お腹すいたけどトイレの個室でお菓子を食べる気にはならないや・・・・。

ハァ・・・・。
私はお腹を撫でてため息・・・・。

せっかく来たのに、淳にも会えず・・・お金も無くして、島についても逃げ回ってトイレに籠ってる。
情けないな・・・・・・。

でも怖い・・・・・。




暫くそこでジッとしていると、やっと外が静かになってきた。
時刻は、もう21時半・・・・・。

静かに扉を開け外に出ると・・・・さっきまで居た子達は誰もいない。
ガランとした駐車場・・・・。

やっと外に出れたー・・・・・。

両手を広げ空を見上げると・・・ここ明るいのに・・・・星が結構見える。

懐かしいな。
高校生の時、淳が石垣で・・・星を見に連れて行ってくれた・・・・・。
すごく綺麗で感動した・・・・。

淳と付き合っていた時は・・・毎日・・・毎時間、沢山キスをした。

私はそのまま両手で目を抑え・・・・。

逢いたい・・・・、キスしたい・・・・・・。
心からそう思った。

駐車場の石垣に腰かけ、沖縄から持ってきたポチギを手に持ってパクパクと齧り付いた。
これで酎ハイとか持ってたら・・・結構様になっていたかも。
でも私の左手には沢ちゃんの水筒!

食べ物持ってきておいて良かった・・・・・。

もしゃもしゃとポチギを食べていると、結構遠くから・・・・

カツカツカツカツ・・・・・・。


ンッ?!
この音は、ヒールの音ッ????

人気がない中、その音はスッゴイ響いて・・・どんどんどんどん近付いてきた!

誰??
こっち来る!!!

ポチギ片手にスーツケースを引いて・慌ててトイレに・・・・。
もう誰かに会うのが恐怖になってしまってる私・・・。


すると、カツカツカツカツカツカツ・・・・・と足音はもう直ぐそこ!!
ヤバい―――!!!


すると、
凄く大きな影がっ・・・・真っ黒な・・・・
えっ?!

熊ッ?!

視界に大きな真っ黒い影が見え・・・・私は凄い勢いでスーツケースを引いてトイレに駆け込む・・・・。
が・・・・・。

「ちょっとお待ち!!!!!!!」

ひぃぃぃぃぃっ!!!!!

ビックーーーーン!!!として、そのまま固まり・・・手に持っていたポチギを落としてしまった・・・。


あれ??
てか・・・・・この声・・・・・。

ゆっくりと振り返ると、・・・・・・・・そこに見えたのは、真っ黒なドレスに髪をアップし、すっごい真っ赤な口紅をしてこっちを見てる・・・・

マツコ・デラックスさん???に似てる・・・・さっきの、・・・・・。

すると、その人はゆっくりとこっちに歩いてきて・・・・。

「貴方・・・・さっきの子よね?こんな所で何してるの?」
カツカツとヒールの音を響かせ、私の目の前まで歩いて来た・・・・。
よく見ると、本当に大きくて・・・・マツコさんそっくり。

私はボードを持って、
『お金と携帯が入ったバックを無くしてしまい行き場がありません』
そう書くと、その人はじーっとそのボードを見て

「アンタ口本当に利けないの?」




—淳side



「あー・・・・・見てないねぇー・・・・外人????」

俺は車で漁協の方にある飲食店で凛が来ていないか話を聞きに来ていた。

「いや、日本人なんですが口が利けなくて・・・・」


漁協は、さっきのターミナルから歩いて30分位だ・・・・・。
しかし、こっちには来ていないようだ・・・・。

そのまままた街の方に車で戻って・・・念の為ターミナルに車を止め・・・トイレの方まで行ってみた・・・・・。


ンッ????
これー・・・・・。
トイレの手前に落ちていた・・・・見覚えのある物。
それは・・・沖縄ではよく見る・・・ポチギというソーセージ・・・・。

後一口位残ったまま・・・包みと一緒に落ちていた。
これ良く・・・凛がタコライスとか・・・チャーハンにもよく使ってたしそのまま食ってる時もあったな・・・。

え????
アイツここでこれ食ってた???

振り返るが・・・やっぱり誰も居ないし・・・チラッと女子トイレを覗いたが・・・誰もいない。

仕方なくまた駐車場に戻り車に乗った。

そして、
スマホを片手に・・・・・俺は涼に電話を掛けた。


『あ・・・・もしもし?』
はぁぁ・・・・・。
「あー・・・・あのさ、お前何で言わねーの?」
煙草に火をつけ言った。
『あっ?!あーー・・・・蓮見に会えたろ???』
会えてたらお前に電話なんかしねーわ。

「いや、・・・・携帯と財布無くしたらしくて・・・・今探してる・・・・」
『ェエッ?!行方不明なのっ?!』
「そーーだよ、お前が最初っからちゃんと言っててくれたら違ったがな!」
『イヤー・・・蓮見がどうしても驚かせたいって言っててさー・・・・マジかー・・・警察は?』
「まぁ・・・そんな感じだろうって思ったけど・・・警察は行ったが・・・凛の名前出すのもー・・・ちょっとなって思って・・・今探してる・・・・」

凛は・・・・今どこに居るんだろうな・・・・・。

『蓮見怖がりだからなー・・・何処かに隠れてるんじゃねーの?』
そうだよなー・・・・。
極度の人見知りだし。
「んー・・・・てか、アイツ金髪おかっぱって本当?」
すると、涼は・・・・。
『あー・・・そうそう!可愛かったよ!耳隠れる位のボブで、金髪で内側茶色だったかな?』
あー・・・・・。

「わかった・・・見つけたら・・・また連絡する。そっちは変わりない?」
『んー・・・最近昌也を全く見ないって皆言ってるから・・・もしかしたら東京に行ってるのかもな・・・』
へぇー・・・・・。
「じゃ、とりあえずー・・・凛探すわ・・・・・」

電話を切り・・・またため息。
アイツは一体どこに行ったー・・・・・・。





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