43 / 151
小さな事件簿
4
しおりを挟むその頃
—凛side
淳・・・淳は何処だろう。
何で?
また何処かに行っちゃったの・・・・?
私はホテルを出て北谷方面に向かってフラフラと歩いていた。
歩いて行ける距離ではないのは分かってる。
でも・・・怖かったの。
あそこでまた1人になって、取り残されたんじゃッて・・・そう思ったの。
そしたらやっとコンビニが見えてきた。
そこで少し冷静になろうって思ったら・・・真っ赤なトラックに乗った若い子達が声をかけてきた。
凄く若い子達。
怖くて距離を取って断っていたら、その後に直ぐ白い軽自動車が来た。
そしてそこから1人が降りて来て、直ぐにこっちに歩いて来た。
誰?って思ったら、その男の人は私の方に歩いてきて
「蓮見だよね?・・・・さっき通りすがったけどそうかなって思って戻ってきたんだ!」
そう言ったの。
誰だっけ?
首を傾げていると、その人は
「俺!高校の時同じクラスだった国仲だよ!覚えてない?」
・・・・・・・・。
あー・・・・・、あの久米島の時同じ班だった人か!!!
すると、国仲君は赤いトラックに乗った子達に
「ごめん、この子知り合いなんだー・・・俺等が送って行くから!」
そう言ってくれた。
赤のトラックの子達はすんなりと引いてくれて、国仲君は私に
「上原と来てるんだろ?誰だか忘れたけどー・・・噂で聞いた!何処行くの?こんな時間に危ないよ?送るから・・・・」
そう言ってくれたけど・・・私はボードも忘れてしまっていた。
直ぐに国仲君の手を取って、その手に
『上地君の家分かる?』
そう書いた。
すると、
「マンションならわかるよ!玉城とかあのー・・・ほら、オカマの子が住んでるデカいマンション!」
あー・・・・皆がいるならそこに淳居るかも・・・。
『そこまで乗せてもらえますか?』
そう書くと、国仲君は笑って
「いいよ!てか声出ないの??どうした?」
そう言って・・・・車に乗せてくれた・・・・。
後部席に乗ったまま、外の景色をずっと眺めていた。
国仲君は助手席に乗り、運転をしているのは私が知らない男の人。
外の景色は段々見覚えがある・・・北谷の街に入って行く。
マンションって何処かな?
上地君の家があるあの集落脇を通り抜け・・・・・海沿いをずっと南下・・・・・。
この近くじゃないのかな??
確か・・・蒼君達あの家の近くのマンションに住んでるって・・・・。
キョロキョロしていると、
「蓮見ってさー・・・・・相変わらず上原しか見えてないんだね?」
・・・・・・・・。
助手席に座る国仲君が振り返ってニッコリ笑ってそう言ったの。
なんか・・・・さっき助けてくれた国仲君の顔と、ちょっと違う気がする。
国仲君はこっちを見て笑いながら
「上原と一緒に居たら、蓮見の為にならないって俺・・・高校の時言ったよね?」
・・・・・・・・・。
国仲君?
国仲君は口元は笑っているけど・・・目が全く・・・。
笑ってない。
「アイツと一緒だからこんな目に合うんだよ?」
この車・・・何処に向かってるの?
えっ?
ここ何処?
窓にベッタリ顔を付け外を見たら・・・・何処かの広い駐車場。
何ここ・・・・・。
車はその大きな駐車場の端っこに止まり、運転席の人は運転席の下に手を入れて・・・・
「さぁー・・・・・一緒に気持ちよくなろうか?」
そう言って何かを出した。
なっ・・・なにそれ・・・・
国仲君はニッコリ笑って一回助手席から降り、後ろの席へ移動してきて私の隣に座ると、ポケットから何かを出して私に見せた。
それは・・・・葉っぱ?
何???
国仲君はそれを少し出して、紙で巻いた・・・・・・。
これは・・・・。
覚せい剤っ?!
ヤバい!!ヤダ・・・・・。
ガチャガチャと扉を開けようと動かすが・・・扉が開かない。
その時、
「おい!ヤバいぞ・・・・あれ、上地の車じゃ・・・・・」
運転席の男の人がそう言った。
えっ?!上地君っ?!
直ぐに後ろを見ると・・・・あ!!!
大きな車と・・・・私と淳が蒼君に借りてるmini!!!
淳だっ・・・・・。
「おい、直ぐ車出せって!何してんだよ!」
国仲君はそう言って運転席をけ飛ばした・・・・。
「ちょっ・・ちょっと待てって!これ隠さねぇと・・・・・」
どうしよう!逃げなきゃ・・・でも扉が開かない!!!
すると後ろから国仲君が抱き付いてきて、
「はいはいー・・・・逃げるなって!蓮見だって芸能界に居たんだからハーブくらいやった事あるだろ?今吸わせてやるからな?」
ひぃっ・・・・!!!!!
何この人!!!
やめてーーー!!!!!
0
あなたにおすすめの小説
花の精霊はいじわる皇帝に溺愛される
アルケミスト
恋愛
崔国の皇太子・龍仁に仕える女官の朱音は、人間と花仙との間に生まれた娘。
花仙が持つ〈伴侶の玉〉を龍仁に奪われたせいで彼の命令に逆らえなくなってしまった。
日々、龍仁のいじわるに耐えていた朱音は、龍仁が皇帝位を継いだ際に、妃候補の情報を探るために後宮に乗り込んだ。
だが、後宮に渦巻く、陰の気を感知した朱音は、龍仁と共に後宮の女性達をめぐる陰謀に巻き込まれて……
ツンデレ王子とヤンデレ執事 (旧 安息を求めた婚約破棄(連載版))
あみにあ
恋愛
公爵家の長女として生まれたシャーロット。
学ぶことが好きで、気が付けば皆の手本となる令嬢へ成長した。
だけど突然妹であるシンシアに嫌われ、そしてなぜか自分を嫌っている第一王子マーティンとの婚約が決まってしまった。
窮屈で居心地の悪い世界で、これが自分のあるべき姿だと言い聞かせるレールにそった人生を歩んでいく。
そんなときある夜会で騎士と出会った。
その騎士との出会いに、新たな想いが芽生え始めるが、彼女に選択できる自由はない。
そして思い悩んだ末、シャーロットが導きだした答えとは……。
表紙イラスト:San+様(Twitterアカウント@San_plus_)
※以前、短編にて投稿しておりました「安息を求めた婚約破棄」の連載版となります。短編を読んでいない方にもわかるようになっておりますので、ご安心下さい。
結末は短編と違いがございますので、最後まで楽しんで頂ければ幸いです。
※毎日更新、全3部構成 全81話。(2020年3月7日21時完結)
★おまけ投稿中★
※小説家になろう様でも掲載しております。
冷酷な王の過剰な純愛
魚谷
恋愛
ハイメイン王国の若き王、ジクムントを想いつつも、
離れた場所で生活をしている貴族の令嬢・マリア。
マリアはかつてジクムントの王子時代に仕えていたのだった。
そこへ王都から使者がやってくる。
使者はマリアに、再びジクムントの傍に仕えて欲しいと告げる。
王であるジクムントの心を癒やすことができるのはマリアしかいないのだと。
マリアは周囲からの薦めもあって、王都へ旅立つ。
・エブリスタでも掲載中です
・18禁シーンについては「※」をつけます
・作家になろう、エブリスタで連載しております
灰かぶりの姉
吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。
「今日からあなたのお父さんと妹だよ」
そう言われたあの日から…。
* * *
『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。
国枝 那月×野口 航平の過去編です。
思い出のチョコレートエッグ
ライヒェル
恋愛
失恋傷心旅行に出た花音は、思い出の地、オランダでの出会いをきっかけに、ワーキングホリデー制度を利用し、ドイツの首都、ベルリンに1年限定で住むことを決意する。
慣れない海外生活に戸惑い、異国ならではの苦労もするが、やがて、日々の生活がリズムに乗り始めたころ、とてつもなく魅力的な男性と出会う。
秘密の多い彼との恋愛、彼を取り巻く複雑な人間関係、初めて経験するセレブの世界。
主人公、花音の人生パズルが、紆余曲折を経て、ついに最後のピースがぴったりはまり完成するまでを追う、胸キュン&溺愛系ラブストーリーです。
* ドイツ在住の作者がお届けする、ヨーロッパを舞台にした、喜怒哀楽満載のラブストーリー。
* 外国での生活や、外国人との恋愛の様子をリアルに感じて、主人公の日々を間近に見ているような気分になれる内容となっています。
* 実在する場所と人物を一部モデルにした、リアリティ感の溢れる長編小説です。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
期待外れな吉田さん、自由人な前田くん
松丹子
恋愛
女子らしい容姿とざっくばらんな性格。そのギャップのおかげで、異性から毎回期待外れと言われる吉田さんと、何を考えているのか分からない同期の前田くんのお話。
***
「吉田さん、独り言うるさい」
「ああ!?なんだって、前田の癖に!前田の癖に!!」
「いや、前田の癖にとか訳わかんないから。俺は俺だし」
「知っとるわそんなん!異議とか生意気!前田の癖にっ!!」
「……」
「うあ!ため息つくとか!何なの!何なの前田!何様俺様前田様かよ!!」
***
ヒロインの独白がうるさめです。比較的コミカル&ライトなノリです。
関連作品(主役)
『神崎くんは残念なイケメン』(香子)
『モテ男とデキ女の奥手な恋』(マサト)
*前著を読んでいなくても問題ありませんが、こちらの方が後日談になるため、前著のネタバレを含みます。また、関連作品をご覧になっていない場合、ややキャラクターが多く感じられるかもしれませんがご了承ください。
盲目王子の策略から逃げ切るのは、至難の業かもしれない
当麻月菜
恋愛
生まれた時から雪花の紋章を持つノアは、王族と結婚しなければいけない運命だった。
だがしかし、攫われるようにお城の一室で向き合った王太子は、ノアに向けてこう言った。
「はっ、誰がこんな醜女を妻にするか」
こっちだって、初対面でいきなり自分を醜女呼ばわりする男なんて願い下げだ!!
───ということで、この茶番は終わりにな……らなかった。
「ならば、私がこのお嬢さんと結婚したいです」
そう言ってノアを求めたのは、盲目の為に王位継承権を剥奪されたもう一人の王子様だった。
ただ、この王子の見た目の美しさと薄幸さと善人キャラに騙されてはいけない。
彼は相当な策士で、ノアに無自覚ながらぞっこん惚れていた。
一目惚れした少女を絶対に逃さないと決めた盲目王子と、キノコをこよなく愛する魔力ゼロ少女の恋の攻防戦。
※但し、他人から見たら無自覚にイチャイチャしているだけ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる